くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

ゼレンスキー大統領の”援助演説”について、極まるドラスティックさが意味するもの

日本のオールドメディアで、騒がれるメインテーマがコロナウイルスの話題から、一気にロシアウクライナ紛争に切り替わって、本来話題になるべき東北震災の再発の話題がかすんでしまう程、世界的な最優先課題であるかのような、キャンペーン報道が連日流されています、その渦中で時の人になりつつあるウクライナのゼレンスキー大統領は、有識者の予測は無論一般の誰もが想像しなかった、有事の立ち回りを見事に成し遂げていて、その注目度もうなぎ上りです。

そのウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が名演説を放った、16日アメリカの連邦議会でビデオ演説で、ロシアの侵攻を2001年の米国同時多発攻撃などになぞらえ、軍事支援の拡大を訴える下り、皆さんも聞かれた方も多いと思いますが、日本メディアでNHKを除き民放は、お決まりの切り抜き報道に始終しています。

 

全文和訳は、NHKのサイト報道でご覧いただけるので、未だの方がいらっしゃれば一見されてから読んで欲しいのですが、まずNHK除く国内メディアでは、彼の演説はウクライナ語で行ったが、終盤には英語で「私はあなたが世界の指導者になることを望んでいる」と発言。「世界の指導者であるということは、平和の指導者であることを意味すると」語ったこと、「ロシアはウクライナの空を多く人々を死に追いやる場所に変えてしまった」「われわれはこのテロ行為への答えを求めている」と話し、上下両院の議員らはゼレンスキー氏がスクリーンに現れると、総立ちして拍手喝采を送った…。

 

またアメリカへの演説オプションとしてと思われますが、米国は歴史を思い出すべきだ、とも「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日の朝、米国の空はあなた方を攻撃した戦闘機で黒くなった」加えて「それを思い出すべきだ。9月11日を思い出すべきだ」とゼレンスキー氏は続けたとの事。

また、ゼレンスキー大統領は北大西洋条約機構NATO)あるいは、米国が支援する形でウクライナ上空に、飛行禁止区域を設定することを求めているが、これに対しては多くの米議員が相変らず一貫して消極的な姿勢を示している。

 

といった内容でしたが、日本人にとってコンセンサスをイッチさせておかなければならないのは、演説冒頭に彼が言い放った「真珠湾攻撃」の下りを、アメリカ議員の心情に訴えるために使った点をどう解釈しておくべきか、ということでしょう。

多くの方はお察しだと思うのですが、彼の前職は(コメディ)俳優で演出のスキルを持った大統領です、故に演説内容もドラスティックな要素をふんだんに盛り込んでいます、それ自体は悪い事では無く日本以外ではよくある手法です、しかし真珠湾攻撃はそもそも”仕掛けられた”もので、現在では日本人に限らずアメリカ人でさえ、アメリカ側がそうなるように仕向けた事が、当時を記録する国家機密文書の一部公開で分かっています。

 

日本側が当時どの様に戦争に追い込まれ、原爆被災国になり空襲で多くの民間人を殺されたか、そしてそれを正当化され敗戦後から現在までも、不等な要求に甘んじさせられているかを、理解した上でこの国際問題に望まなければならない立場になった事を、忘れてはなりません、故にゼレンスキー大統領の超絶な演説は、日本にいろんな角度で国際社会・グローバリズム世界での処方箋を学ばせてくれるのではないでしょうか。

ゼレンスキー大統領が、アメリカ議会で使った真珠湾攻撃の煽りは、世界一般ではまだ日本が戦犯国として認識されて当然だという、変則的見方が色濃く通っている事を、明らかにさせたのでしょう、彼にそれ以上の悪気があったのではないと思いたいですが、国の窮地を何とかしたが故に、援助要請先のアメリカに対し、手土産的な発言として使ったのでしょう。

 

ただ、この後ゼレンスキー大統領は、日本政府に対しても援助要請演説を申し込んでおり、この対応に自民党・野党からも一旦保留の話になっている段階ですが国内メディアも「ウクライナのゼレンスキー大統領が、23日に日本の国会でオンライン演説を行うことが固まった。」大統領は、これまでアメリカやイギリス、ドイツなどの議会でオンライン演説をしており、日本にも在日ウクライナ大使館を通じて開催を申し入れていた、とあります。

このニュースについて、フジテレビ・風間晋解説委員は、(以下抜粋)

 

内田嶺衣奈キャスター「ゼレンスキー大統領のオンラインによる国会演説は、前例がないことや技術的な課題というのを指摘されていましたが、実施の方向が固まったようですね」

風間解説委員「16日夜のアメリカ議会での演説は、本会議場とは別のホールで行われました。それを見て、日本も本会議場にこだわらずに調整が進んだと思います。一方、外国指導者の国会演説は、首脳会談や共同声明が前提だとする声もありました。平時の感覚ではそうなのでしょうが、今、ウクライナはロシアとの戦争があり、日本はG7(主要7カ国)の国々と結束してそのロシアに経済制裁を科しています。日本はすでに一方の側に立ってこの戦争に関与しているわけです。ゼレンスキー大統領の演説に耳を傾け、そうすることによって支援と連帯の決意を示す、それがG7の共通の感覚だと思います」

内田キャスター「世界の多くの方にゼレンスキー大統領の言葉が届いている一方で、依然として戦闘状態が続いていることに心が痛みます。1日も早い停戦が望まれます」

 

ウクライナのゼレンスキー大統領が日本時間16日午後10時過ぎからアメリカの連邦議会でオンライン形式による演説を行いました。

ゼレンスキー大統領:「飛行禁止区域をお願いするのはダメなのか。私たちが必要としているのは力強い航空機だ」

ゼレンスキー大統領はアメリカへの支援を訴え、「バイデン大統領が世界のリーダーになってくれることを願う。それはつまり、平和のリーダーだ」と話しました。

また、日本の国会でも、ゼレンスキー大統領が、オンライン演説を行う方向で検討を進めていることがわかりました。

与党関係者によりますと、15日、在日ウクライナ大使館から日本政府に対し「ゼレンスキー大統領が日本の国会で、オンライン形式で演説を行いたい」と打診があったということです。

16日、自民党立憲民主党国対委員長が対応を協議し、オンライン演説の前例や、設備がないなど、課題はあるものの、実現を目指す考えで一致したといいます。今後、具体的な方法や日時を調整する見通しです。

(ここまで)

 

たまたま抜粋記事には含まれていなかったかもしれませんが、先に書いた日本人としてのコンセンサス(意見の一致)について、全く触れていないのは大丈夫なのか、それとも知っていたうえで、相手を慮ってあえて書かないのでしょうか、この歴史事実がアメリカによって隠されていた、たとえそれが公開されても、既にアメリカの傀儡国になり下がった日本の政府としては、腫れ物にでも触る思いで広まらないようにしているのでしょうか。

皆さんはこの事実を理解した上で、来る23日行われるであろう時のヒーローとなりつつあるウクライナ大統領の”日本向け”要請演説を聞くべきでしょう、単に演説先の国によって都合の良い事を全面に出すのであれば、彼の”演出の才能”についていかに冷静で知能的であるかを、単に被害者側の必至の訴えというだけの目線で見るのではなく、色んな意味で評価すべきなのかもしれません。

 

P.S.唯一、米議会演説での”バイデンが世界のリーダーに”と言うのは、お世辞にも同意しかねますがw

 

これらの日本人の評価は、今後間違いなく日本にも被るであろう中国(ロシア)からの多角的な侵攻、そして同盟国であるはずの欧米からの、圧力・要求からどう判断してどう対処すべきかへの、良き訓練になるだろうと思っています。

前にも書きましたが、中国ロシアを始め欧米も含め世界の列強国の多くは、日本に対し私たちが思っているほど好意的ではなく、日本こそこれから(いや既に?)本格的な圧力や要求が増して、より日本が不利になる様に仕向けられていくのは間違いないでしょう、逆に言えば”野放しにする日本”ほど恐ろしい国は無いと、彼らは過去の世界大戦で思い知ったのですから。