市場拡大?グローバリズムが推し進める水ビジネス
水というのは、大地となる地球にとっても、そこに生きる人を含む生物にとっても、欠かすことのできない成分であり、人類が進化して社会生活をしてきた課程で、命の次に大事とも言われてきました。
そのため、人は古くからその在処を拠り所にし、時には利権をかけて争いや戦争さえ惜しみませんでしたが、日本では幸いなことに豊かな自然に恵まれ、天然の水循環プラントができており、水が原因で大きな紛争になることは少なかったわけです。
私達はどうしても、この幸運な立場で他も見がちですが、世界全体いわゆるグローバルで見れば、水確保は申告で、生活水はおろか飲料水にさえ苦労するのは珍しくなく、水の2030年問題が今申告になっています、これは2030年に必要な水の、4割が不足と言われています。
原因として、温暖化・異常気象・水質汚染・地下水の、過度な汲み上げなどで供給減少、人口増加・工業化・食生活変化など、需要は拡大し続けていて、日本を除く世界の水ビジネスは、2010年50兆円→80兆円推移し、30年台には100兆円越え予想される深刻さだと、世界規模の調査では言っています。
その中で、日本では行政が主体となり、それぞれの分野に細分化され、超純水の濾過や海水の淡水化などで高い技術に対して、世界はフランスの2大水メジャーヴェオリア・スエズ社が市場を握っており、水関連事業を一貫して運営するのが普通の認識です。
日本企業は、この水ビジネスに積極的に関与していて、機械ではプラントエンジニアリング、JFEホールディングス、クボタ、月島機械、日立製作所、明電舎 、メタウオーターなど技術力に注目集まっています。
また処理装置・部材製造では東レ、旭化成、クラレ、オルガノ、栗田工業、日東電工で、東レは海水の淡水化や、排水再利用の逆浸透膜で世界トップシェア、増水分野でこれから年率7%程度の成長見込みと好調です。
当然ながら水の認識は、日本のような天からの恵みという意識は弱く、金を有無道具でしかありませんので、水の2030年問題で投資拡大の期待は大きく、SDGsの観点からも注目されていて、水上場投資信託ETFが、アメリカで高騰したり、シカゴで水先物取引に注目が集まっているようです。
しかし水不足の本質は、日本人ならお気づきの通り、自然の恵みである限りある資源だと考えれば、過度に問題を大きくして、煽る事で投資拡大をする手法に、違和感を感じるのではないでしょうか、そして日本の水関連技術は、世界最高基準であるとともに、世界中の投資家にとっては、企業だけでなく国内の天然水環境は、金のなる木と見られているとすれば、そこに住む人は不要でも、技術や不動産は喉から手が出るほど、魅力的に見えるに違いないのです。
その温度差を、日本人は極力グローバル社会秩序の、それに近づけておかないと、近い内に認識のギャップで、大きな損失を被りかねない気がします、それが具体的に何なのか、私達一人ひとりで考えて行動する、もうその侵食は始まっているのです、今考えて遅いかどうかは、筆者にはわかりません。
ただ、ひいてはそれが日本人の、世界の問題に参加する引き金になることは、間違いなく若い世代が被るであろう、世界的な恩恵を最大限活かし、被害を最小限にできる、大事な準備だとわかってほしいので書いてみました。