くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

国内産業基盤強化を重視する欧米の気づき

アメリカ議会は、8日にアメリイノベーション競争法案を超党派の賛成多数で可決させました、これは内容からして明らかに、中国共産党の今のやり口に対するアメリカの回答とも言える法案で、飼い犬になると見ていた中国が飼い主の手を噛んだのが知れ渡ったためでもあります。

下院も別の対中競争法案を提出し、両院法案を一本化も視野に動くと中国を牽制する構えのようですが、むしろ、上下院に分けたのは、国内に潜り込んだ親中派またはスパイを洗い出す目的に沿っていると推測できます。

 

この法案は、半導体生産やハイテク分野の研究開発に5年で2500億ドル投資したり、新疆ウイグル族に対する人権侵害への対応で北京五輪外交ボイコットも盛り込むもので、国防総省が対中戦略の見なおしを進めていた専門チームが最終提言を提出しているそうです。

これからもわかる通り、安保国防が絡んでいるのは明らかで、オースティン国防長官は同盟国と協力し、中国に対する抑止力を高めるよう指示して、今急激に欧米が対中国への締め出しで共闘する動きに、連動しているものです。

 

中国外務省 汪副報道官は9日に声明、法案の棚上げ新疆ウイグル自治区などの問題めぐり、内政干渉止めるよう求め、米イノベーション競争法案可決に反発 中国脅威論を煽るなと苦言を呈しています、まあそりゃそうですよね。

アジア諸国だけでなく、欧米も中共の強引で狡猾な政策には、納得しなかったと言うことですが、中国が半導体シェアを握ろうとする結果、欧米は危機感を感じ、自国での生産強化に本腰を入れたと言うことです。

 

これに対して日本はどうしているのかと言うと、確かに動いていますが、国内メーカーの強化というのとは違って、中国系半導体企業TSMCに工場と開発資金を提供するもので、これでは思惑通り日系メーカーのメリットが半減しかねない妙なことをしています。

この狙いだと、政府側の拠出金を欧米に比べて安価にできるか、海外企業誘致を今後も加速させ、国内での影響力を高める援助の2通りが考えられます。

 

一般的に国内メディアの報道の仕方だと、前者に近く更に国内メーカーに技術吸収のメリットがあるように報道されていますが、果たして国内メーカー側は良い印象を持たないと言います。

これは何を意味するか考えて頂きたいのですが、これまででもルネサスエレクトロニクスや、シャープなどは中国系ⅠTに買収されていますし、技術供与だけだったとしても、最終的に製品化して出荷できる権限はTSMCにあります。

 

部品を売るわけではなく技術提供だけなら、物言いによっては、ロハでTSMCに技術くれてやって済ですから、国内メーカーがTSMCから得られるメリットを明確にできない限り、嬉しがって虎の子を一方的に渡すいわれは無い筈です。

この段取りを、半ば政府側が強制的にさせているなら、間違いなく政治的利権は絡んでいるのでしょうから、一刻も早く止めないといけないですし、むしろアメリカ企業と組んだほうが方向性が近いのは、言うまでもありません。

 

G7が開かれている中で、日本はどこまで対中政策に投資できるのか、戦後の欧米による見えない統治が、日本をどれ程骨抜きにしてしまったのか、今回のG7で決まった中国への対応で明るみになると考えられます。

今日本がすべきことは、世界への貢献よりも自国への集中投資に他ならない、この問いにこれまでの慣習からして、欧米のパワーシフトの見張り番となる竹中氏の影響を、どこまで払拭できるかが、日本の決断力であり、未来への切り札だと考えます。