くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

戦後からの安定指向と、公務員のサラリーマン化から見えてくる日本

暮らしの中で身近な公的組織に、警察や消防がありますが、医療機関や衛生関連企業も、ある程度公的な使命を持って動く公的な組織と言っても良いかもしれません。

その公的組織が、私たちのイメージとは異なった姿に変わっている、という印象をお持ちの方も増えているのでは無いでしょうか、今回は公的業務が民業化する時代を考えます。



ここで言うサラリーマン化とは、雇用されているのは変わりないのに、民間企業のように業績と成果が一致しない、仕組みで成立できてしまう不可思議な組織を指しています。

民間企業の正規・非正規に関わりなく、これまで国や自治体が雇用していた人材が、小泉政権で民営化政策の30年前頃から、その人事入れ替えが始まっていると言われてます。

 

国が同時期にデフレ政策を施行した一環で、官公庁で働く人材を一部人材派遣業務に委託、管理合理化と人件費削減を同時進行させたことに端を発しているわけですが、それ自体一見して問題無いように見えます。

歴史的には、戦後の国鉄民営化に始まり、電電公社・郵便局と、大手国営企業が民営化されてきた経緯が、ついに地方自治体を中心に官公庁の簡易業務から順に、派遣業務シフトしています。

 

まだ、一般事務業務が民営化される場合は、国民が要望していた公務員人件費のコストカットとして機能していますが、今後は水道事業の外資売却問題や、海域警備・警察なども人員削減方向に向いていることは、国内資源安全性や安保確保には弱体化の警戒感も高まっています。

戦後の経済成長が一段落したあとは、国民安定志向で公務員が増加で、国内治安も落ち着いた後、警察の役割もルーティン化へ進み、サラリーマンのようにノルマ制への圧力と反し給与合理化は一般的になっていきました。

 

その結果、公務員への魅力であった収入安定のメリットは目減りし、組織として人件費のコントロールは、厳しくなっているようですが、すでに安定化指向が根付いている公務員は、安定と収入減なら前者を選択する、ほんのわずかなマイナスが連続していくうちに、安定した生活以外はあり得ないと思うようになる…。

30年以上かけて、民間企業のサラリーマンが日本の中流意識謳歌している間に、非正規雇用の比率はジワジワと拡大し、公務員の聖職意識は安定指向の保守的なサラリーマン化が進む、ただ民間のようなノルマはあってないようなもので、それが当たり前になり、民間サラリーマンの生活にも強いて行く。

 

安定=景気向上につながればそれはそれで良いのですが、実際は安定意識だけが基準にされ、市場の商品価値は決められていくため、実質上の商品価値より企業利益だけが積み増し・内部留保が加速します。

設備投資や新しい収益体制などの将来性への投資を怠ってきた企業、そして国も企業の内部留保にあたるプライマリバランスの黒字化を達成することが、最優先政策に置かれて行きます。

 

アメリカからもたらされたMMT理論が、関心を持たれた一昨年当りに、私たちは金融の仕組みについて大きな誤解をしていたと諭されます、日本は債権国であり時刻で刷る日本銀行券は、インフレ傾向をコントリールできていれば、増やせると。

そして、長期デフレで経済が疲弊した日本がデフレのコントロールプライマリーバランス調整で景気をコントロールは、インフレ化を抑制しているのでなく、単にデフレ状態が理想だと正当化しているだけだと。

 

保守的な経済専門家はMMTを認めていませんが、米民主派の経済学者は今でも過去に信じられていた金融理論を誤りだと言い続けています、ここではこの成否は言及しませんが、日本にとってプライマリーバランスの黒字化が、経済成長に貢献しているとは筆者でも思えません。

事実、日本のGDP成長率は長期では1%を超える程度で推移し続けていますし、他の人口減など斜陽化する先進国でも1%台を維持している国は日本だけ、おかげで雇用増や設備投資が期待できる道路・施設・ダムなど大型インフラ政策は、ここ何十年もお目にかかっていません。

 

増えたのは、消費者から徴収する消費税、法人税は長い間増加しておらず、民間企業増益分は留保か海外投資と消費冷え込みで、国内景気が上向く材料は減っていく一方です。

人口減で国内の不動産売買も減少、コロナ禍の需要大幅減で価値は過去最大5%減となった今、海外資本による国内の土地建物不動産買収が加速していますし、不気味なのは中国系資本の参入で、不動産・企業買収を中国系とわからないように、ファンドを介して買い取るトレンドが、軒並み増えているとか。

 

個人資産が目減りする中で、贈与税の改定なども加わって、土地が手放される時期と重なっているのも出来過ぎな感じですし、中国資本の全体像は正確な体系を把握しにくい複雑さが、この脅威をわかりにくくしているようです。

今後、民間企業・公務員サラリーマンが、安定していると思っている間に、政府は代々の政権方針とは関係なく、淡々と国内金融を優位にしやすいように法整備を進めてきたようですし、その動きと同時に海外資本の参入を容易にする準備が、粛々と進められてきました。

 

見方によっては、第二次世界大戦終戦時に日本分割統治が話し合われましたが、なんとか当時は回避できたと言われますが、実際は国内への海外資本参入や日本銀行券の自由発行を制限させられているのは、分割統治そのものではないでしょうか。

なぜ、完全に独立した国家である日本の政治決定に、中国政府の決定方針の影響を受けなければならないのか、なぜ北方領土・沖縄は日本と同化できないのか、なぜ日本の高騰技術はアメリカを超えることが許されないのか?などなど…。

 

日本の職業環境が、自由な生産性をあげられないのは、雇用者側の福利厚生や職業上の権限が、サラリーマン化・非正規雇用化で切り離され、官民の研究機関でさえ潤沢な資金を得るのに苦労し、非正規研究員が若手中心に増加しているか。

安定化指向は起業家精神を萎えさせ、職場環境の向上を遅らせますが、これは総じてリスクを取らずに、成果だけを得ようとする安易な就業姿勢の成れの果てなのかもしれませんし、政府を責めながらも実は、自身が自分の首を絞めているのに気づいていないだけなのかもしれません。