街の資産をつなぐ
立て続けに起きた、愛知県の文化イベントによる印象操作では、多くの人が大村県知事の印象を貶め、愛知の印象とともに今後の発展に良くない影響を与えてしまったのは残念な事です。
ただ、この地域のまちおこしを取り扱ってきた筆者にとって、良い部分を伝えていく目的も果たさなければならないと思っています。
「あいちのたてもの博覧会」開催 県と名古屋市の国登録有形文化財一般公開も - サカエ経済新聞
愛知県では、セントレア国際空港付近に、大規模な催事場を建設したり、スタジオジブリと提携したジブリパーク構想が進んでいましたし、本来この行動こそが愛知らしさだと今でも疑いはありません。
皇室行事参列でさえ後ろ指をさされた知事であっても、こうした全国でもひけを取らない取り組みも行ってきた事実があり、少なくない愛知県民には知事を支持する人は多いです。
一部の民意に寄り添わない偏った側近者による問題が、今後も尾を引くかもしれませんが、それでも知事が折れないのはこうした前向きな仕事への成果を出そうとしていた自負が、彼を支えているのでしょう。
今後、この意思を知事自らが行えるのか、行った場合に被る利害がどうなるのかが、見えにくくなっている中で、どの地方自治体でも起こりうる、または進行形の都道府県知事の実権や影響力の行使を、納税者が真剣に考えるときはやはり選挙への姿勢とその他による意思表示の行動力を示さなければならないと、改めて考え直します。
愛知ではまちの資産を活かすために、文化芸術活動と歴史観光を主に力を入れてきましたが、その一部の芸術活動において全くの部外者からの入れ知恵を受け入れた弱さは、大いに反省し隙を作ってはならないでしょう。
今度はトリエンナーレが、被爆地のひとつである広島で計画されていると聞きますが、もしその企画者が愛知のそれと同じアナのムジナならば、いよいよ日本の過去を良いように利用し、煽り立てて地方の弱みと利権を巧みの利用する地下行動が展開されるでしょう。
今、日本は多くの場所で自然災害による疲弊が重なっている時期で、名古屋や広島だけでなく、各地に公金を法の隙をついた流用をする動きが、成功しやすくなっていますので、ただでさえ災害時の補償を国が渋る今、これ以上大事な血税を横柄な利用に流れる動きは、地域ごとに注視するべきでしょう。
日本は一見東京の発展ばかりがニュースに流れ、世界にも発信されていることから、景気が良いような印象がまだ高いように見られますが、多くの地域でその実感のギャップが生まれているように、気持ち悪い感覚のズレが見て取れます。
大まかにいえば、原因は政府が進める経済復興による、本社機能が集中する東京への資本集中で、公費の分散を意図的に偏らせていることによりますが、今後の課題は地方自治体が経済でいうところの経団連にあたるような、意見統合意識を持って中央と地方の政策バランスに、影響力を高めることが重要です。
最近明るみに出た関西電力の不正構造にも見られる通り、公共事業がもたらした功罪を改めて浮き彫りにさせたことは、改善のきっかけになると思いますが、いっぽうでは目線を特定の方向へ向け、中央の問題を逸らす常套手段のひとつでもあります。
この課題は、むしろ地方で面々と続くムラ意識の脱却をちょくいしきさせられますが、謙る地方意識の弊害をお隣韓国や台湾の市民意識と比べて、変えていくことも重要なテーマになっていくでしょう。