くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

環境エネルギー普及に壁をつくる、見えない三段論法的な問題

先日放送されたテレ東「ガイアの夜明け」ご覧になられた方も多いかと思いますが、またまた埋もれる日本のエネルギー問題を掘り下げ出したようですね。

鹿島原発爆発で、原発主力の電力供給への依存度見直しが クローズアップされ、環境エネルギー実用への関心が高まるかと思いきや、実際は行政運用の不整備と現実的問題に手を付けさえしなかった、東電を始めとした電力会社の現実が露出したこの回を軸に国内エネルギー開発の課題を考えます。

 

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台風から電力を生む!? 下町ベ...|テレビ東京の読んで見て感じるメディア テレ東プラス

 

国内の電力供給は、地方別に分けられた大手電力会社で分担され供給されていますが、寡占化が進むことで過度なサービス保全や電気料金引き上げを生み、その後ソーラー自家発電が注目され出して久しいのですが、現在全体として低いとは言えソーラー発電+売電を実施している家庭も珍しくなくなりつつある中で、関東圏を仕切る東京電力管区内で、実質上の売電不能エリアが広範囲に存在することは、とても衝撃的な事実でした。

同時にソーラー発電において、送電設備の割り当てがすでに無くなっており、しかも実質的に業務開始さえ目処が付いていないため、割り当て分が実働さえしていないという、摩訶不思議な状態が続く中でソーラー発電事業が抱える、見えにくい課題が山積している事実を番組は浮き彫りにしています。

 

今回の番組では、ソーラー発電と風力発電などの新規参入企業の最新の課題克服

と進捗状況の始まりにとどまりましたが、今後もこの課題について積極的に攻めるこの番組から目が離せません。

番宣みたいになりましたが、本筋は国内で埋もれる未来のエネルギー供給の課題であって、この課題は私たちの電気への依存度が高まってくる生活環境にあって、当たり前に使える電力需要にかかるコストとリスクが、ある意味多分に隠されているまたは関心が薄すぎることへの警告なのかもしれません。 

 

ひとつ思い出したのは、かつてアメリカであった電力発電に関わるデファクトスタンダード争奪のエピソードで、それはあの誰もが知る発明王トーマス・エジソンとその才能を二分したニコラ・テスラとによる、発電方式の直流と交流の争いでした。

歴史が終われば結局エジソンの直流式が採用されるに至り、逆にテスラコイルなど未来的な発電をも考えたテスラは異端児扱いされ、不慮の死に至るのです。

 

その歴史や真偽はさておき、こうした巨大な需要を生むエネルギーインフラは、企業や政府にとっても一大事業ですし、一旦決まってしまえば浮き彫りにされる問題よりも維持安定が優先されるもので、今の日本(世界もふくめ)電力供給に関わる問題も当にそのものです。

その課題はあまりに規模が大きすぎて、深追いも難しくて国そのもが問題に気づき調べ、そして解決していかなければなかなか表面化も改善もされない、根深い諸事情を抱えるものであり、その点で民放での課題洗い出しは画期的でした。

 

この課題は、携帯通信事業においても同様の課題を抱えていて、今政府が盛んに大手3社の通話料金大幅引き下げを要望しているところですが、実は政府自体が企業をスポンサーに持っているために、根本的な改善指導にまで踏み込めない事情を抱えており、一説には文字通り3社が値下げしても通信料金の改善は期待できないと言われています。

私たちが目を向けるべきは、大枠でこうした巨大需要を抱える電力や通信インフラ市場は、私たちが願うほどのコストカットより、企業や官庁への利潤優先の動きが優先される傾向にあるようです。

 

課題解決手順の優先順位が、消費者と供給者で違っているのが問題のひとつ目。

いざ具体的に動いても起こりうる課題を、利益に直結しないと探そうとさえしない大手サプライヤーのスタンスがふたつ目。

ようやく苦労して表面化されても、何かにつけて足踏みしたり他の問題を理由にあわよくばやり過ぎそうとすることで、問題が霧散する繰り返しの3つ。

 

この三段論法によって、ある意味日本の経済は急成長したことを思うと皮肉が混じりますが、私たち利用者はこうした課題発掘を機に、日々の問題意識から逸れずにCMや広報による一方的な三段論法隠しを見過ごさないように注意すべきでしょう。

世の中には、同じ行政企業の中にも問題意識と使命感をもった人々が居て問題解決に汗する姿を垣間見れたことは幸いでしたが、これに満足することなく微力ながらも問題意識を忘れず、日々の生活に埋もれないよう自分に降りかかる問題を、ちょっとした行動の改善や選択の変更から、自己主張する習慣を続けていきたいものです。