消滅可能性都市と外国からの移住者集めの課題
今夏の参院選挙で地方遊説した小泉 進次郎氏の演説では、消滅可能都市への不安を逆手にとるような前向きな発言もありましたが、鳥取と島根のように合区され民意がくみ取りにくい地域ができるなど、日本は世界に先駆けて少子高齢化などと合わせて未知の波をどのように受け止めていくのか、問われています。
世間でも言われるように、首都を核とする経済創出構造は限界に来ているとされ、アベノミクスの柱でも地方創生を掲げた点は評価できますが、極端な年齢人口比率のギャップを埋めるにはかなり対策が遅すぎたようです。
今回は地方の現状と対策の今を見ながら、模索する事例を見ていきますが、 消滅可能性都市に上がっているのは東海三県だけでも、38自治体にのぼるそうで、空恐ろしい限りです。
また、年齢別人口でも20年以上先ではありますが、2040年には20~39歳のいわゆる主に労働可能な男女世代が居なくなるのではと、危機感を煽っています。
一歩引いて考えれば、20年後に居なくなっている可能性のある人口層には気にしなくていい問題と取れますが、今までとは変わりつつある家族の崩壊化をみると、家族を持たない独居高齢者の増加と相対的に見て次世代向けのメッセージでは無いようにも取れます。
それだけ、次世代層や若年層の担い手が冷遇される事を意味しているのは、昨今の政治を見るに多くの方が感じる違和感でしょう。
愛知県では前年度末にちょっと変わった、外国人募集がありました。
愛知県が観光PRに「忍者」を募集したら各国から応募が殺到。
さて、現実的に人口減少の流れはストップできませんが、減ったなりの改善や見直しがなかなか進まない事実からも、若年層の政治や選挙の参加は待ったなし不可避なテーマと言えるでしょう。
場合によっては多数決の原理そのものを変えないと無理かもしれないのですから、上の世代に依存するような言動は慎み、積極的な自発行動を起こす空気を作って行くべきです。
その点を踏まえて、じゃあ全く進んでいないかと言えばそうでは無いようです。
その地域にも次世代へ繋ごうとする人は一定数居て、粉骨砕身されています。この動きを次の世代は積極的に引き継ぎふくらませる必要がありますが、今は既存の制度とのあつれきを変えていく過渡期と言えます。
産めよ増やせよの現状は子育て環境の不整備で改善が待たれるところですが、日本人だけでの減少低下は防げませんので、海外からの移住者招致も積極的に進めなくてはなりません。
実際に国内に限定しない海外からも含めた招致募集は、目立つようになってきたのは喜ばしいことで、まだ事象実験レベルではあるものの、実績は見えてきました。
一方で海外からの外国人移住希望者はどのくらいいるんでしょうか。
ブラジル、クロアチアと現状治安が最も悪い地域からの安定した生活に思いを馳せて応募するケースもあるようです。
地方自治体に、このようなオプションの選択肢はあるのでしょうか。
ここで、世代別の外国人受け入れの温度差は大きな障壁になっていると考えられ、事象実験レベルで止まっているのは、このことも大きいと考えます。
ここからが、次世代が引き継ぐべき転換点で、新しい意識を持った世代が自治体の政策に併せて柔軟に外国人受け入れを進めていかなければなりません。
いたずらに受け入れるのは論外ですが、私たちは国際化社会への参加を体現する意味でも受け入れの体制を許容する試みを始めるべきでしょう。
しかし、いざ移り住むとしても中には鶴の一声できまるレアケースもあるかもしれませんが、多くはしっかりした計画や家族同士での内々の相談も必要ですし、国側の規制やルールはとても厳しそうですが、移住の際にはどのくらいの難易度なんでしょうか?
さすが几帳面な日本ですね、期間も手間もかかりそうですので、計画的に居住者を選定して施策に間に合わせようとすると、かなり難解になりそうです。
ある程度入国や定住する仕組みは改善していかないとむつかしそうです。
その逆を見てみると、実は外国への移住も相当大変です。最近の欧州への移民受け入れのような緊急時は、規則や手続きは事後処理的になりがちかもしれませんが、そうでない場合は政府がきちんとした移住計画で、人数を決める必要がありますし、その通りに進めるにはそれ以上の期待できる移住者を計画人数以上に募集してちょうどいいくらいでしょうから、制度を前倒して煮詰めておく必要がありそうです。
移住に関する問題の現状はどのようなものでしょうか?
もちろん、国内の移転でさえも結構近所同士の問題が起こるくらいですから、外国人ならなおさら、さまざまな問題は起こっています。
しかし、これからの日本産業経済を円滑に回していくのに、人手が足らなくなるのなら、外国人の呼び込みは不可欠ですし、世界中の先進国では一般的なものになっている以上、早いうちから徐々に受け入れ態勢を、自治体単位でも取り決める必要があるでしょう。
外人就労者の募集は、その地域の主産業が、観光なのか産業なのかで話題性や募集手段は様々になりますし、習慣の違いの問題にかなりナーバスになりがちな土地柄もあって、否定するのは仕方ない所もありますが、必要ならばリスクを含めて前向きにリスクを受け入れていく「こころの準備」が一番の課題なのかもしれません。