MRJはどうなの?初飛行から半年、第4四半期編
MRJは今年に入って、世界標準の米安全基準に適合をするために、試験飛行をアメリカや国内で始めました。今はその試験飛行が始まったばかりですが、昨年第3四半期に初飛行を終えた、国産ジェット旅客機の第4四半期を記事ります。
MRJは、今年初号機の納入を18年に延期を決めましたが、4月どしょっぱつのニュースでは、今秋にも初号機の納入を目指して量産準備を始めるという朗報も聞こえてきました。それまでの紆余曲折をまとめます。
この期で最大のトピックはこれでしょう。
危ういながらも、国を挙げて無事初飛行を成功させたものの、まだまだ予断を許さないMRJ事業化の成功のカギを、評論する記事を紹介します。
未だ、初飛行を済ませただけで、完成品の初号機さえ納入できていないMRJを、日本企業の一般的な信頼性だけを担保に、受注していくのは至難の業です。
先行してビジネスジェットを販売開始したHONDAでさえ、ここまで漕ぎ付けるのに20年を要していますので、その過酷さは私たちが考えるより険しい道であり、これからの試験飛行でも、綱渡りのようなシビアさが要求されていきます。
その中で、下の記事にあるように米大手リース会社からの大型受注があったのは、今後の受注競争には幸いでした。
MRJに迫るライバル機、エンブラエルとボンバルディアの攻勢は相変わらずで、ひと時ボンバルディアの新型機販売苦戦で加政府が支援へ動くという事もあったようですが、大勢ではMRJにはプレッシャーなのは変わらず、これ以上製造スケジュールを遅らせる事は、大幅な受注機会減に繫がるなど、厳しい中の試験飛行開始となりました。
MRJ初飛行に沸いた国内はトピック作りや、昨年今年にかけて一般向けのイベントも開催されていて、知名度あげる試みも進められています。
MRJ、3月に能登空港(石川県)でも試験飛行
伊丹空港、リニューアル開業20年8月に 到着口集約、MRJ桟橋新設。
モノレール駅と到着ロビー直結、MRJにも対応。三菱「MRJ」体感を 実物大模型を公開|神奈川新聞ニュース
MRJシミュレーターが難易度アップ 三菱みなとみらい技術館、航空宇宙ゾーン刷新
MRJ開発貢献の印 加藤製作所、模型を中津川市に寄贈:岐阜:中日新聞
複合材の新採用で軽量化など、IHI製航空機エンジンは航空機メーカーでは定評があり、国内エンジン大手三菱重工も、IHI社と提携した新会社を立ち上げるなど、技術開発の準備も順調で、国内の部品サプライヤーも安定した評価を得ていますし、東海地方での地場産業が盛り上がる中で、地元の期以降でも話題作りは続いています。
日本特殊陶業、愛知・小牧にプラグ部品工場 3割増産へ : 日本経済新聞
航空機産業へ就職促す 愛知労働局、支援訓練に専用コース
航空産業の即戦力、職業訓練で育成 愛知労働局、4月から :日本経済新聞
昨年からのニュース見出しで見る限り、国内航空機産業の生産体制は、切れ目が無いほど頻繁に紙面に出ない日が無いほど話題に事欠きませんでした。
MRJを福島に 東邦銀が地域航空ネット加入 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201603/20160319_62024.html
東邦銀行、MRJ活用地域航空ネットワークの構築を推進する「次世代地域航空ネットワーク検討協議会」に参加 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
http://www.traicy.com/20160321-nranc
愛知県、小牧工業高に「航空産業科」新設へ
http://www.asahi.com/articles/ASJ244HZHJ24OIPE00V.html
MRJを活用し 福島空港の活性化へ | NNNニュース
http://www.nkt-tv.co.jp/sp-news/news86510390.html
ゼロから基幹産業へ、不屈の執念が産んだ「国産旅客機」 (2016/1/13)
航空機、広がる日本製部品 ナブテスコやIHIが増産 (2015/9/30)
変わる瀬戸内工業地帯 呉臨海部、航空機へDNA脈々 (2015/12/9)三菱レイヨン、炭素繊維生産5割増強 150億円投資 (2015/11/7)
日機装、航空機の騒音低減部品 20億円投じ新生産ライン (2015/9/9)
日立金属、航空機向け部材の生産設備増強 150億円投資(2015/9/2)
今年の試算では、MRJ開発費は計画遅れもたたって3300億円に膨れ上がっており当初の2倍超に上るようですが、金融機関の地産支援を、「MRJ支援で部品メーカーに融資枠活用」として、UFJの副頭取が発表してバックアップも怠っていません。
一方で、MRJも初号機納入延期を表明しており、その間に旅客機開発に必要な技術者育成にも力を入れ出しています。
三菱航空機社長:MRJ開発体制強化 外部技術者20人 - 毎日新聞
2017年4〜6月期に予定していた全日空への初号機納入を18年半ばに延期した。森本社長は「不足気味の人材の補充を含め、今年は今の計画を進める上で重要な年になる」と指摘した。重工は自衛隊向けステルス実証機の開発計画が一段落することもあり、「旅客機開発とつながる技術を持つ人材を活用したい」と話した。
今年2月に開かれた、シンガポール航空ショーで、MRJの直接の国産旅客機ライバル2社は、商談戦では相変わらず安定した受注数を獲得しているようです。
昨年5月にも当ブログでデビュー前のパリ航空ショーでの苦渋の状況を上げましたが、昨年末11月に実機の初フライトにこぎつけたものの、小型ジェット機市場の最新動向は、試験飛行中のMRJにとってまだまだ厳しい事は変わりありません。
ジェット旅客機の巨頭ボーイング社や、カテゴリーで直接のライバルとなるエンブラエル社やボンバルディア社と、リアルでガチな勝負が待ってます。
日本は、ようやくMRJで国産旅客機機で復帰です、
航空機の進化は最も未来を感じやすいですね、アメリカでは音の静かな音速機をあの泣く子も黙るNASAが計画中なのだそう。
中国の国産小型旅客機ARJ21もあるけど、世界標準安全規格クリアをめざす日本のMRJと競合は、今のところ考えられませんが、中国の強かさには注意が必要です。
ざっと今まで収集してきた記事をまとめてみましたが、これだけでもかなり割愛した記事も多く、雑感としては国内でこれだけの話題をおたらしているMRJの期待がいかに大きいかはご理解いただけたかと思います。
4月以降もすでにたくさんのニュースが発表されていて、これからも期待を持って見守っていきたですね。