MRJ工場「FINAL ASSEMBLY HANGER」日本の誇り
PokemonGo がブームを超えて、現象化していますし、いつも通勤途中にある鶴舞公園は「聖地」と言われ、すごい人が連日訪れてますが、ながらスマホが既成事実化しないよう願っています。
さて、当ブログの「MRJ」ネタですが、しばらく傍観していたために、だいぶん取り残された感が出ていますので、ここで一気に現状までのまとめをしたいと思いました。
第二次世界大戦後より日本の航空機製作の経緯は、日本復興の勢いを示すとともに、日本のお家芸「技術力」を象徴するものとしての誇るべき歴史を示しているとも言えますし、日本産業が海外進出する上での、先陣としての最高を占う大切な局面に立っているところです。
従来からアメリカ航空産業と政治の蜜月の関係は、日本再軍備化への警戒心と、冷戦による極東軍事配備の合理化と言う、アメリカ側の目論見のために、軍用機は無論のこと、国産旅客機の開発・産業化の進歩を遅らせることにつながりました。
日本国における新たな航空機(MV-22)に関する日米合同委員会合意
新しい懸念材料として、新しい世代への宿題となる。
新たな米国と日本の軍事提携の蜜月は起こっているのか?http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/goui_120919.html
こうした戦後の歴史背景の中でYS11以来久しぶりの国産旅客機が生産されるに至ったのは、とても明るい話題でした。
昨日夕方の地元ニュース番組でも特集放送されてました、イギリス航空ショーでの国産中型旅客機「MRJ」とブラジルのエンブラエル社の「E22」の同クラス販売合戦は熾烈を極めています。
三菱航空機、MRJの顧客サポートPR 英航空ショーで : 日本経済新聞
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLZO04577020X00C16A7L91000/
ニュースでは密着取材だったこともあって、航空ショーでの商談の緊迫感が伝わってきましたし、新たな事実としてE22は、20機受注の話題と、MRJと同じエンジンを積んだ実機を空港をショーに持ち込むという、MRJにライバル心むき出しに売り込みをかけてきたようですね。
昨年の今頃は、パリの航空ショーで受注ゼロという燦々たるスタートに、三菱航空機社長も蒼白な表情でしたが、今年はアメリカで先年末から試験飛行も始まっているうえに、国内の生産体制も整いつつあるので、ライバルがMRJと同じ20機受注の声を聴いても「以外に少ない」と余裕さえ感じられる様子。
ひところに比べてMRJのシェア獲得の道は、見通しがでてきたようですが、連日絶え間なく報道される内容には、まだまだ警戒感と緊張感の感じられる記事が、多いのも事実のようです。
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLZO04769950S6A710C1LX0000/
なによりライバルと違うのは、実機は存在するとはいえ、数機しかない飛べる実機全てを米で型式証明認を取るべく、証取得実験に投入しており、商談に持ち込める生産タイプは1機もないために、買う側としては「実績」の無さと、試乗できないというハンディは相変わらずで、MRJにあるのは「ジャパン・メイド」という日本製品の信頼性のみです。
三菱航空機は、疲労強度試験機による試験を開始していますが、実はMRJは基本設計は1種類ではありますが、席数や重量などで各国の仕様・規格に合わせなければならないルールがあって、結構これが難儀なことのようです。
航空機に専門知識のない筆者が、今までの記事などから参照するだけでも、相当数の問題が山積しています。
ここまで多くの課題をクリアするのには、国策での政府と製造産業という、日本一丸の体制で挑まないと、これから成長産業にするのはままならないでしょう。
MRJのエンジンは、海外製でここが純国産でない残念なところですが、MRJに搭載されている「PW1000G」は、Pratt & Whitney社が開発した小型機向けの次世代エンジンで、現在輸入されます。
長年エンジン開発をさせてもらえなかったブランクは、国産エンジンでないのは残念で設計は海外でも、製造技術はあるため三菱航空機のおひざ元の愛知県小牧市で、生産体制を組んで他航空会社のエンジン受注で、供給が追いつかなくならない体制も強化します。
生産が遅れた分メンテナンスへの関心も高まり、すでに故障した際の体制も考え出されています。
将来MRJが生産・販売されたあとの修理体制も、最初に納入が決まっているANAと、提携を表明し、緊急時に各他航空会社へ修理派遣も体制を考えている模様。
将来MRJが発着するであろう、中部国際空港セントレアと名古屋駅・栄を結ぶ空港アクセスバス「セントレアリムジン」を1日8往復へ増便 3月26日から便数を2倍へ増便したり、最終便に合わせた、名古屋駅への送迎バスも自称実験中で、将来のMRJとの相乗効果を、最大限生かす運営も整備されています。
また、地元産業の技術継承も考えています、愛知県小牧工業高に「航空産業科」新設し、技術者養成を積極的に行っていきます。
生産延期ニュースで、なかなか気を揉む「MRJ」の話題ですが、最後には何かと期待してしまうのは、筆者だけではないでしょう。
依然として、おとなり中国のライバル機の話題も、中国の技術力進化の速さを考えるとまだまだ油断なりませんし、先の地元ニュースのインタビューで、英航空ショーに参加した、三菱航空機の営業責任者は、
「ライバル社の2倍は販売努力を惜しまない」
と言う趣旨の、頼もしいコメントをしていました。
日本初の、国産ジェット旅客機「MRJ」は、これからも私たちに日本産業の海外進出の先駆けとして、シンボル的な注目を集めることでしょう。
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