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くろま流 × NAGOYA式 ブログ

名古屋在住者の視点から地域産業・観光を通した活躍を応援。

今、じわじわと話題の「保育園の義務教育化」をよく考えよう 

 

 子どもたちを安心して育てられる環境にできるかできないかは、その国の成熟度に比例しているように見えます、育児福祉の先進国であっても、この一見当たり前に思える保育の義務化が注目される今こそ考えたいです。

 

 

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  保育の義務教育化は筆者も普通に考えれば実現されていないのは腑に落ちないところですが、なぜそうならなかったのか? 様々な理由の中で最も現実な予算の話に振れたいと思います。

 同じ疑問を持った方の、教えて!gooでのQ&Aを探してみると、

 

Q:幼稚園と保育園はなぜ義務教育ではないのですか?

A: 幼児の数は3~5歳が317万人、0~2歳が316万人もいます。幼稚園や保育園を義務教育化すると、国からと地方自治体(市や町)からその義務教育費用を出す必要があって、毎月一人当たり仮に5万円かかるとしても3~5歳児を対象にすれば全国では1千6百億円もいります。年間では約2兆円です。それ以外にもインフラ(幼稚園・保育園の設立、園長や教諭の育成、送り迎えの車の用意)整備に必要なお金を考えると、途方もない金額になります。

 いま日本の財政は1千兆円と言う猛烈な借金(国債)があり(国民一人当たり8百万円!!)、しかも毎年40兆円も増えつつあって破たん寸前です(世界にこんな国はありません)。借金の利子を返すだけで青息吐息の状態なので、どのに支出する予算をどれだけ削るかが最大の関心事になっているほどです。
 消費税を20%にしてやっと財政を収支トントンにできるくらいの酷い状況です(いまの8%の消費税を10%にしても焼け石に水です)。

 もし幼稚園や保育園を義務教育化すると、消費税を20%にしても財政を収支トントンにはできないでしょうね。そんなことをすれば、消費税すら払えない人が続出するだけではなく、反対論者が大半になって実現しないと思いますよ。
 結局、便利にすればするほど、消費者にはそのツケが回ってくるのです。払うのは結局は自分になってくると思えば、賛成しにくいのでは?

 

 今の国の負債は異常な程でなのは周知の通りで、毎年そのツケを将来へ回す現状は安倍談話の趣旨とは相反している気もしますが、それでも負債の返済さえおぼつか無いのが現状のようです。
 また、日本だけが保育・幼稚園の義務化が出来ていないわけでもなさそうです。

A: アメリカ:州によって幼稚園が義務教育だったりそうでなかったりします。また、公立の幼稚園がなく、私立だけのところもあります。
カナダ:義務教育の年数は州によって異なるので、4歳以下から義務である場合もあり。
ドイツ:6歳からは義務教育ですが、それ以下の保育園および幼稚園は義務ではありません。
フランス:幼児過程は義務教育ではないが、公立幼稚園はフランス文部省の管轄で学費が無料。
イギリス:5歳から義務教育
オーストラリア:義務教育は6歳からで、それ以前の教育は義務ではない。ただほとんどの子供が5歳から小学校に併設された準備学級に入学し,教育を受け始める
シンガポール:義務教育は小学校から。保育園、幼稚園いずれも義務ではない。

と簡単にめぼしい国をピックアップしてもご質問のように、幼稚園と保育園を完全に義務教育にしている国の方が少ないのです。ですから日本が特に突出して遅れているとも思えないのですが、、


  しかし、その中でもここまで声高に「保育園の義務教育化」が叫ばれているのはどういう背景があるのでしょう。

 記事を探すと、ニュース記事などでは多くが、古市憲寿 氏の「保育園義務教育化」という本の反響に注目したインタビュー記事が由来になっているようです。

 

 もちろん親御さんの中には、以前から「なぜ?」という疑問と要望はあったと思いますがここに来て、子育てママさんの厳しい現状や、今の子育て福祉のアンバランスがクローズアップされるにつけて、あまりに全うな氏の提案に関心を大きくしたのかもしれません。

 アンバランスと言うのは、社会が未だ高度成長期以前の大家族の家社会の家族像が前提に動く社会、つまり社会の仕組みを進める政治・行政・立法のどれもが、今では大原則以外は通用しなくなった古い生活監修を基本に成り立っているからです。

 

 そういう私達も、それを否定して来なかったのも事実ですから大きな事は言えませんが、しかしその今まで見過ごしたツケが回り回って、いま若い子育て世代に強いられているという状態です。

  丁度その日本の姿は、弾力を失ったゴムみたいな状態で、本来もっと柔軟に今の社会状態に適応していなければいけない筈ですが、そうならなかった事はとても残念な事です。

 

 しかし今からでも根本的な見直しをする場合、福祉国家を目指すのなら保育園の義務化は最も時代の流れに合います。

 今、財政面で政府が進めようとしているのは、企業との連携を強めた市場の強化・拡大でと、日本経済を立て直しと事あるごとにうたっています。

 その結果はこれから出てくるので不透明な中、安倍政権子育て支援も積極的に行うと明言してはいるものの、景気の悪化を理由に教育福祉のテコ入れができないばかりか、抜本的な改正まで手が届かない可能性があります。

 

  保育の義務教育化は、法整備や大きな行政変革を伴う根本的な変更が要求される大事業ですが、上のQ&Aでもあるように国民の少なからず負担も強いられるものです。 

 この点で、国民の立場で賛否両論出てくるとは思いますが、ここまで大きな話題に取り上げられる「保育の義務教育化」なる良質の具体提言が出ているのですから、政府は継続的に議論すべきでしょう。

 

 子育てママさんが、幼い子供の権利を代行して主張している姿に、真摯に向き合って彼女たちに共感し、その背景を考える事は予算分配と同等に大切です。

 企業も、単に利潤追求と合理化だけでは解決しない問題が深刻になっていて、共感と共益に歩み寄った社会貢献は、成長の鍵になっていて、それを担う女性の能力に頼らなくては乗り切れない状態を肌で感じているのではないでしょうか。

 

 今をどうするかも大事な事ですが、後継ぎを育てられない現実を抱える日本の将来を憂うのであれば、私達は事あるごとに積極的に話題を持ち上げ、行政にアピールしていく姿勢を持つようにしたいものです。

 予算という現実的な問題はありますが「保育園の義務教育化」のトピックは、古い体質へのアンチテーゼとして、特に男性の立場で様々な方向から、よくよく見直してみるべきものです。