くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

「なも研3」 子育てママの行動が変えるか、保育環境のカイゼン

  なもなも研究所、略して「なも研」3回目は、育児環境を超真面目に考えますよ。

 

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 合言葉にもなりつつあるのか「保育園落ちた日本死ね!!!」の子育てママの叫びは、今までの訴えとは違った影響を与えているようで、本来からさまざまなカイゼンや工夫の動きがどういい意味での変化をもたらすか、まだまだ予断を許しませんが、楽しみでもあります。

奨学金で保育士増やす入社すれば返済不要 保育所運営最大手が来月から

イオンモール 保育所 託児所の経営

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 保育関連の雇用状況は決して安定しているわけではなく、京都市の病院併設の保育所で、ベテランの契約保育員が全員雇い止めという事態も起こっています。

 保育介護公共工事などサービス・過酷な労働は、効率化コスト削減のしわ寄せによるもので、これは2012年の笹子トンネル崩落事故がキッカケで、当時過度のコスト削減で熟練労働者の不足が予想されるようになったと言われます。

 キツイ仕事、当時3Kなどど言われて、なかなか担い手がつかず、労働現場の作業員の高齢化が顕著で、さらに労働環境の未改善・作業手順の非効率や、なかには税金の無駄との市民の目が厳しくなった事も、労働条件や公共工事の縮小を招いたとも言われています。

 このような自治体が関連した公共の工事やサービスの分野で、福祉分野では介護や保育のサービスにも例外なく影響して、これらの職種の今日見るような結末は、労働条件改善がされなかった結果と言えます。

 夜勤仕事もこなし子育てをするシングルマザー、保育所に預けながら働くも、ある時娘の異変に気付きます。その我が子の円形脱毛の原因は、急に保育員が総入れ替えされた結果、その変化についていけない幼いこどもの現実を現しています。

 解雇された元保育員達は、不当解雇に反対運動をしますが、病院は独立行政法人化、併設保育所も民営に委託した結果、新方針で2、3割カット正職員から非正規職員へ変更され、待遇悪化や生活困難を理由に離職に繫がっていきます。

 さらに追い打ちをかけるように、契約満了により競争入札された末に、病院設備はさらに3割安い提示額で落札されることに。結果、新法人の意向で保育人員の総入れ替えとなった。

 先ほどの円形脱毛症の原因は、このような経緯があったためで、保護者からも、子どもと保護者のストレスにしかならない。保育員も13万円の手取りという現状で、担い手を育てるゆとりもなくなった。

 委託元の京都市は、委託先の決める事であり、実地監査で適正と判断しており、定期監査を続けるとだけ回答にとどまった。

 

 かつて小泉政権の時代、2001年以降構造改革がトリガーになった労働条件の合理化で、厚生労働省は保育分野で公営保育所の賃金が高いとの指摘もあったとか。結果、1万2000以上あった施設は1万を切り、一万5000近くの保育所が民営化された結果、保育士平均賃金もとても子どもを養える金額ではなく、保育の職業は単独では困難と言われるようになりました。

 これは当に保育産業の危機、今政府が謳う見解とは、現状が逆行しているように見えますし、保育サービスの低下、子育て・女性労働環境整備に障害になります。

 若い人が定着しない職業、熟練者の育成急務にかかわらず、カイゼンできていないのは、何が起こったかを考える必要あります。

 地方公務員の非正規化が進み、3人に1人が非正規で月給

12万円以下が、14.3%

12~16万円、44.9%

16~20万円、28.2%
20万円以上は、たった12.6%
全日本自治団体労働組合調べ)

 つまり、過半数が年収200万円以下で、ワーキングプアを作り出している現状で人員の増加は期待できませんし、社会全体の職業として魅力あるものとは決して言えません。この結果、保育員現象、保育所も稼働不能、その結果利用希望者からの「保育園落ちた日本死ね!!!」の止むに止まれぬ話に繫がったのです。

 

 その一方で適正な賃金とは、維持できる額を模索する自治体も出てきているようで、
財政負担は増えるものの、自治体にとって保育環境充実のアピールは、人口減少歯止めの切り札になり得ます。

 地方もタテ社会を捨てヨコ社会の発想で、公共福祉などの特徴を打ち出す独自方策を実行すべき時期ではないかと、ようやく気付きだしているのだと思います。

 行き過ぎた市場・民営化を監視し、提供する側と働く側との適正な労働条件と、公共サービスの質やバランスを、市民が積極的に参加して決めていく時代に入っています。


 高齢者福祉でも、米でリビングウェイジが賃金水準の実現に効果を出しているそうです。適正な賃金なのかどうか、最低賃金を考え直す必要があるのではないか? を見つめ直されています。まずはどの程度の要望があって、子育て・労働保証をどこまで必要かを、官民合わせて話し合うべきでしょう。

 公共事業としての保育・介護福祉は、競争が無かった故に低価格化の暴走が起こり、民営化されたで産業競争力の低下を招くリスクを背負いました。

 しかし、こうした技能・ノウハウの蓄積は、今後海外での同様な少子高齢化のながれが起こった時に、先行した日本は見返りを期待できるものですし、長期雇用にも影響するものです。技能に見合った対価を保障するのが、日本が得意とする技術保存のカギになるのではないかと、期待しています。

 雇用劣化を生み出した結果の負の遺産は、私たちに「労働担い手を人として尊重しない世界の未来はない」と言われているようなものです。
 ぜひとも、努力を正統に評価する職場作りを今後も構築される事を期待したいです。

 

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