姫路城『天空の白鷺』修理に貢献?地元の伝統技術
兵庫県姫路市にそびえたつ、白鷺(しらさぎ)に例えられる、日本の名城。
姫路城(別称:白鷺城)
5年の長きの末、姫路城大天守 保存修理工事が完了し、今までその姿を巨大なドームに囲われていましたが、遂にその白き姿を見事によみがえらせて、今年3月27日の大天守のグランドオープンに先駆けて、修復ドームが取り除かれましたが、
その姿はーーーーーー。
白っつ!
の一語に尽きるほど。
『白鷺城』と呼ばれるとは言え、ここまで白いのか?と言葉を失うほどの美しさを私たちの前に現しました。
名古屋城とどうしても比較してしまうのですが、やっぱり素晴らしいですね。
終戦時に姫路市が米軍の空襲にあって壊滅したのに、お城は見事に残ったそうで羨ましいお話ですが、名古屋城も焼けずに残っていたら……と思うと。
それはさておき、その名城の修理工事の際に思わず愛知の伝統の技が役立ったと聞いて記事るにいたりました。
修復の規模を調査するに当たって、ことのほか城壁の傷みが進んでいたらしく、壁の躯体から作り直しになったそうですが、修理はあくまでも当時の工法にこだわったために、その土壁の骨組みに必要な材料の調達に相当困られたそうです。
それは『粗朶(そだ)』と呼ばれる材料で、昔の壁の下地には当たり前の様に使われていた細い堅木の枝を格子状に組んで、壁土を付きやすくするのに使います。
愛知県や、岐阜県ではこの工法が残されており、壁ではないのですが河川の氾濫や整地のための護岸工事の際に、この粗朶(そだ)=堅木の枝を使った木組みの柵(今のテトラポッドの様な役割)を川岸に敷き詰めることで、川が氾濫するのを防ぐ知恵を受け継いできたそうです。
(粗朶)材料(左)と、それが使われた外壁の施工遠景(右):鹿島建設HPより
現在では、そういった粗朶に使用する細い乾木がなかなか無いそうで、お城の工事関係者は思わぬ材料調達に奔走したそうですが、何とか愛知県の業者から粗朶に使用している乾木を大量に入手できたそうです。
思わぬところで、地元の材料が役に立ったと知ってちょっと誇らしい話だと思いました。
粗朶に関するわかりやすい記事はこちらを是非。
姫路城修理を担当した鹿島建設の工事の紹介はこちら。(粗朶工事説明あり)
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