くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

名古屋城天守木造復元への道⑦タウンミーティング参加

 

 名古屋城天守閣木造化の市民へのタウンミーティングが、昨年から始まり筆者も追ってきましたが、今回は在住区のタウンミーティングに参加してきた記事です。

 

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 まず私事ですが「名古屋城天守閣木造復元への道」とタイトルを統一して、文化・観光施設である当ブログの名古屋城特集記事を、シリーズ化を昨年触れましたが、記事を見直したら前回までで⑥と判りましたので、シリアルナンバーを今年から修正いたします、ご了承ください。

 

 さて、本題はこのミーティングも、中盤に差し掛かってきたタイミングで、筆者も参加してきました。参加と言っても発言する時間があまりに短く、あくまで確認してきたレベルの話になりますが、自分ばかり主張しても仕方ないので、意見は他の方にお任せしました。

 それでも、出席するのとの重要性は重きを感じていて、場の雰囲気や出た意見でどの程度、議論が習熟しているか、この目と耳で確かめられました。


 配布された資料はこんな感じです。f:id:kromaryu:20160110191833j:plain

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 昨年紹介した、ミーティング議事録として、筆者が参考にしているサイト

名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/

 を読んでいましたので、かなり河村市長が追いつめられるのでは?と思ったのですが、10人ほどの市民からの意見の場では、初番は反対意見風のものも出ましたが、多くは条件付き賛成・賛成の意見が多かったのは意外でした。(反対派は既に諦め?)

 筆者は、前に何度も書いていますが賛成派で、前向きに工夫してでも木造化してほしい立場なのですが、逆にまっとうな反対意見が少なかったのは心配になりました。

 賛成意見の発言者は、主に歴史的価値・地域遺産として賛成する方、あくまで観光産業の目玉としての価値を強調する方、地元愛が強くて確固たるシンボルを求める方におおむね別れると思われます。

 反対派の方は今回の中で少数ですが、上のサイト議事録も踏まえると、市民の生活安定優先の方、計画がずさん過ぎ・急ぎ過ぎと懸念する方、全く価値を見出さない・認めない方、など主たるポイントは経済的・計画的に無謀だとする点のようです。

 このテーマについて筆者は市民の一人として、できる限り偏らない記事を書きたいと考えていますが、今回のミーティングに参加した感触は、賛成派が息を吹き返した感じはしました。

 

 丁度筆者が座った席が、前方右端で隣に退席時の控え席があって、直ぐ近くで河村市長が見えましたが、概要説明の最中はずっと目を閉じこれからの厳しい意見を覚悟されているかのように、厳しい顔をされていましたが、質疑が始まると思わぬ好印象な意見に、気を良くされていました。

 

 ただ、です。

 説明を聞いていると、賛成派の筆者でも「ん?」と感じる雰囲気がありました。
それは、純木造にする際の資材確保と人材不足で計画は無理があるとの、意見が出てからでした。

 市長からのその回答も含め要約すると、

東京の「江戸城天守閣」の復元の話題を引き合いに出した上で、今なら確保が可能。
ただ東京のそれも純木造を考えており、それが来る東京オリンピック迄に完成させる計画である事。
規模を考えると、工期の時期が重なる名古屋城用の資材人材が確保ができなくなる。
だから、今決断しなければ実現は難しいだろう。
 という説明でした。

「ん?」と感じたのは、市民の意見とその回答を並べると、あまりにスムーズ過ぎる展開なんですが、加えて市長はダメ押しをするように、財政確保済+市民債で江戸城・姫路城の予算比較から問題ないと訴え、名古屋市が孫代々まで残す資産だと結論付けています。


 ミーティングが終わった直後は、そのんなものかなぁ位に思っていましたが、あまりに反対意見が目立たなかったのも少し物足りず、急かされただけの気がするのです。

 言いたいことは一つ、最初の方で意見された40代の方が代弁してくださったのですが、観光産業を見据えた収益性の確保された計画を筆者も望んでいて、シンボルとして重要性・価値は理解しますが、単なる文化財に多額な市税を投入する気はありません。

 あとやはり参加者は圧倒的に男性(しかも多くは高齢者)が多かったのは残念で、市民の半分は(それ以上?)女性なのですから、もっと女性の意見も反映できるミーティングだと良いと思いました。(アンケートに追記しましたが)

 また、唯一一人当てられた女性(恐らく40代位)の方は、生きているうちに、その城を見てみたいと心情を訴えてらっしゃいました。

 あと、別の方がおっしゃった、慌てる必要はない、時間をかけてでもいいものをつくろうという意見も大事だと思います。

  それゆえに、だからと言って東京で始まると言われる江戸城復元とチキンレースするのもどうかとは思います。

 

 名古屋では本丸御殿の再現工事が進んでおり、25年に玄関・表書院は公開済で、今年28年6月に対面所公開、30年に上洛殿公開で全工事完成となる予定です。
 この本丸御殿に対して天守閣の価値が見直されると言う意味では、純木造の天守閣がふさわしいのですが、単に現状修復に比べて純木造だと予算で10倍の差がありますから、しりごみするのもやむ得ません。


 筆者としては、あまり江戸城を引き合いに、名古屋城木造復元が進むのはどうかと思うのですが、今年ゼネコンの入札候補が決まれば、より具体的な部分が見えてきますから、対局はそれまで待ちしかないようです。

 筆者も江戸城復元は当案件に重要なカギを握っているように思います。あながち他人事ではなさそうなので、併せて追っていきたいと思っています。