令和新時代の「トラック野郎」と未来物流
ドイツのアウトバーンでeハイウェイの実証実験始まる…架線からトラックに給電[動画] | レスポンス(Response.jp)
ITインフラをより快適に利用できるように整備する中で、意外にもネット環境とは異なるリアルな物流環境がどれほど重要かは、今世界中で進められる事象実験などを見れば、その大きさが計り知れます。
現在、アメリカで始まったばかりの新時代の大型トラックによる事象実験に注目して私たちの国が抱える切迫したモノを動かす課題を垣間見たいと思います。
この事象実験例は、日本の環境と異なる部分はあっても差し迫る国内交通事情とかぶるところは大きく大きなヒントになるもので、国内でもトラック物流の自動運転化は進められていますが、アメリカのそれは巨大な国土の遠距離をつなぐものとして、また鉄道より自動車が発達した風土も、その規模の違いはあれど差し迫る課題は日本と共通しています。
日本の交通環境では、従来の物流問題である人不足とネット購買者の激増による物流増と、観光ブームによって一般ドライバーなどの交通量が増えるというダブルパンチへ、いま整備されている交通網が追いつかないことが予想されていますが、この解決には鉄道を使った物流システムは柔軟性がないため限界があることから、トラックに物流の改善が急ピッチですすめられています。
その改善イメージとして、高速道路で隊列を組んで運ぶ連携は、鉄道貨物と同等、それ以上の大量運送を実現するもので、できるだけ一般車両への影響を下げつつ物流量を確保するために、アメリカ式の「コンボイ」なるトラックドライバーの連携方式の採用は、日本にも有効な手段になるでしょう。
高速という専用自動車網では集団で、一般道に降りたあとはより一般者の占有率は高まるため、それぞれの目的地へは別れて単走する仕組みは合理的で、既存の交通トラフィックへの影響を少なくできるかもしれません。
さらに、すでに討議されている物流企業の業者間での、人材や設備に対する協業や連携のメリットは大きくなるでしょうから、合わせ技によって結構な問題緩和に貢献するでしょう。
今後もこうした事象実験を続けることで現実との課題を洗い出し、新しい技術とのすり合わせを進めることで、今後さらに期待される経済効果がスポイルされないよう期待されます。
ほぼ自動で走るトラックの「隊列走行」、テストに同乗して見えた利点と課題|WIRED.jp
あと、トラックにも採用される自動運転車と同時に、語らなければならないのが電動車に不可欠な電池の開発はどうかと見てみると、日本は先行する中国に必死に追いつこうと国内でも改善が加速しています。
日本の車載電池が「排ガス規制で受ける恩恵」 | 電動化 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
一時期は巨大市場と人材による低コスト大量受注で、伸びた中国製の電池需要はここに来て停滞していると言いますが、日本国内でも遅ればせながら先行した米テスラ社の電気自動車で培ったPanasonic社の電池技術や、地味に国内販売の小型車に採用され実績を積んできた東芝製のレシプロエンジンと併用するハイブリッド車に採用された補助型電池のノウハウが、ここに来てようやく国内の電池事業を大きくさせる原動力として働き出しています。
今後、新時代の物流産業や電池需要、ITインフラへも遅れをとった日本の市場参入の挑戦が始まったことは、とても前向きなことです。
コンピュータやスマホに不可欠な、ICチップや液晶開発・事業には思いがけない多難な時代を踏んできましたが、その轍を踏まない日本産業の果敢な猛追に、かつてのアメリカに追いつけ追い越せという、日本流ハングリー精神を新たに見た思いです。