混乱の時代に私志を貫いた「杉原千畝」今こそ省みる意味。
筆者は歴史が大好きですが、思い返せばその歴史上で実在した特定人物について語ったことは、ほとんどありませんでした。
その理由を普段まじまじと反芻したことは無かったのですが、こうした機会に考えてみると、歴史は人が作るものではあるものの、歴史は過半数の無名な人々が作ってきた軌跡だと考えているフシがあって、特定の人物のフォーカスを重要視していなかったことに気づきました。
そんな筆者が今回あえて「杉原千畝」氏について書くきっかけは、自宅近くの高校に彼のメモリアル展示施設ができたのを知ったからでしたが、知人の協力もあってこの施設訪問を通して、今更ながらではありますが、氏と彼が生きた時代を記事ります。
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まず歴史とは、人が歩んだ時代の軌跡を編んだ記録ですが、現在教科書や一般に語られる歴史でも例外なく、あくまで編纂した者の都合が少なからず含まれる宿命があるため、その記録の一遍一遍にある隙間に思わぬ事実が見え隠れしています。
杉原千畝氏が生きた時代は現代から見ても時代が近く、太古の歴史に比べ事実の記録が残っているだけに、より時代背景や登場人物らの経緯がいろんな角度で楽しめるので、太古の歴史もロマンがありますが、近代日本の時代はより身近でリアリティが感じられるだけに、珍しい屋外展示場ということもあって、パネルでの展示資料を気軽に楽しめて、一般公開初日の秋ならではの快晴だったのは幸運でした。
一般に言われている基本的な話題はあえてここでは書きませんが、おそらく多くの方のように筆者の氏の初見・イメージは、地元(岐阜県出身)の有名人であり、同盟国ドイツが弾圧する多くのユダヤ人捕虜を、組織の枠に囚われない人道の立場を貫いて、難民援助を実施した人物だったと理解していました。
当然ながら、氏の行動は多くの人の未来をつないだ点で、大きな意味を持っています。
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この施設ができて、意外に名古屋市に縁ある人物とも知って見学に至ったのですが、こうした歴史的有名人が身近に感じられる機会に出会えたことはラッキーでした。
展示物は語るより写真をご覧いただくとして、規模は小さいですが屋外展示型で、高校敷地の校門すぐ横なので、初日も散歩がてら来場されている方が多く見受けられましたし、この気軽さはとても大事だなと思います。
会場(常設)は名古屋市瑞穂区北原町2、地下鉄「瑞穂区役所」下車西へ10分程にある瑞陵高校敷地内の、校門右手にあって、いつでも入れるようです。
車はさすが無理ですが公共機関なら、地下鉄で最寄駅から徒歩10分程でしょうか、市バスなら停車徒歩数分です。
筆者も市内で近所なこともあって、頑張って自転車でけましたし、学校なのである程度の駐輪場もあって、徒歩より気軽さがあります。
校門横にオープンスペースとして展示されています、ざっとこんな感じです。
展示場は一般公開初日の土日は室内展示もありましたが、筆者は知らずに見おとししてしまい、知人が訪問した際の写真を借用しています。(室内:現在は見れません)
小説家の江戸川乱歩氏と近しかったとは知りませんでした(室内)
引き受けたユダヤ人の全リストが見れたり等身大の千畝氏像があったり(屋外)とコンパクトな場内な割に、内容が濃く凝縮されてるのも好感が持てました。
各展示コーナー風景
杉原氏によって救われたうち著名人の説明です。これとは別に、その他の収容者で救われた方々のリストが全員分展示されていました。
これが全リストですが、1P当たり80人程掲載されてるので、ざっとでも2000人御超え……ものすごい人数ですね!
杉原氏と会場となっている瑞陵高校とのなれそめについて。
展示場の中央には、等身大のブロンズ像。
ご覧いただいた通り、それほど大きい規模ではありませんので、気軽に見れますしざっくり見て10分くらい、じっくり読み込むと1時間くらいでしょうか。
杉原千畝氏がお好きな方や、名古屋観光の機会があればぜひ一度覗いてみてはどうでしょうか、瑞穂区には「名古屋市博物館」(同地下鉄で一つ手前の「桜山」駅出口2分程)もありますので、併せて訪問されても良いでしょう。
杉原氏縁の展示施設は岐阜県八百津が有名ですが、名古屋も縁の地としてご記憶にとどめていただければ幸いです。
参考までに、パブリシティサイトをリンクしておきます、正確なアクセスや関連情報をご確認ください。
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こうした戦時・戦後に多くの人を助けたり、国の発展に貢献した偉人は、杉原千畝氏にだけではなく近代にも身近な有志は多くいて、例えば台湾でダム工事に貢献した日本人、八田与一氏なども、台湾の治水事業に生涯をかけた人ですが、台湾の人々は未だ彼の恩義を忘れないそうです。
地元で神的な信奉の厚い実在の人物が多いのは、私たち日本ん人にとってとても誇らしく、これからのグローバル化する未来に希望とモチベーションを与えてくれます。
機会があれば、積極的に折に触れていただければ、大きな気づきや人生の転換点になるのではないかと、実感できるイベント体験でした。