くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

高額医療制度などの福利厚生が、しあわせな国際化に繋がるために。

地方自治体が人口減により人材不足に外国人移民引き受けを匂わす動きが避けられなくなっている中、政府は入管難民法可決し、同法の課題積み残しのままで差し迫る企業からの要求に応える選択を優先しました。

 

私たちには切実な積み残し課題は多く、

概ね一時的受け入れとする移民扱いでは無いが、その具体的な定義は無く、曖昧。

国会の安倍たたきが主流になって、与野党とも国民不在の議論に始終。

この終わり方で、定義確定の議論無しの4月開始は、私たちに不安を残しました。

 

そもそも移民の是非を整理する必要もありますが、同法は移民は国民に不利とした前提で進められていて、実質移民を認めるとしないまでも一時入国有無に関係なく、所定の書類申告のみで長期滞在者と同等に保証が受けられるとされていて、地方自治体では、既存制度の改正はできないので、各自治体の担当者が当惑混乱しているように、今後少なからずトラブルの発生が起こるでしょう。

この法案可決によって大きな影響を与えると思われる福利厚生では、高度医療制度の納税者へのメリットとデメリットで、後者のツメが課題になりそうです。

 

かねてから、高度医療制度は世界でも類を見ない良質な福利厚生で、その突出した恩恵は海外でも注目されました。

アメリカでは、前大統領オバマ氏時代に同様の制度を導入させましたし、米企業も医療ビジネスに利用しようとしたこともありますし、現在でも中国人を主とした一時的な受給資格の偽装による、格安医療ツアー利用者が後を絶たないそうです。

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アメリカやアジアの一部の国のような国民寄りの行政に繋がった一方で、良質なサービスを悪用する動きも招いたことは、想定外の新たな課題を突きつけていて、社会保障の穴を利用した悪用が次々と明るみに出ていることは、こうした恩恵が広まる上で足かせになっているのは残念ですが、今こそ日本の行政の方向性や精度の根本見直しを断行すべき時期なのかもしれません。

本来海外人材の宛てがほぼ必要なかった日本の医療・人材制度は、日本人独自の性善説で構築されており、不正対策はノーマークといって良い状態で、ただでさえ何回な仕組みで問題が見えにくい上に、仕組み上想定外の課題をうわ増した結果となっており、行政組織の管轄内外とかの責任転嫁の常習化は、皆さんもニュースでご覧の通りです。

 

元来、国内には帰化した外国人、特に中国韓国人由来の人が当たり前のように居るのですが、彼らとの差別意識がさらに「保障が受けられない」という実害を伴ってさらに複雑なものになりますし、少なくとも今後移住する外国人への個別の福利厚生案だけでも示した上で実施すべきではなかったでしょうか。

 

海外からの不正事例としてあげただけでも。

 

10年以上納付で年金が貰える、在留資格が得られる。 

利用した5割が日本人じゃない例も。

中国では法の抜け穴を利用した旅行ツアーが存在する。

在留資格カードはローマ字表記マイナンバーカードは漢字表記で、本人確認に支障が出る場合ある。

比較的簡易な証明書偽造で受けられてしまう。

出生一時金制度でも、現場裁量が大きく判断の統一性に問題。

 

ざっとあげても、わけがわからなくなるほど見つかっているのです。

ここで、私たち国民を含めて外国人に対する認識を、改めておく必要があるのではないでしょうか。

例えばざっくりと観光者など訪問外国人には「おもてなし」が常であったのですが、全ての訪問外国人に当てはまらない事例が増える中で、法律や条例上の訪問・在住外国人の定義の再整理をし、新たな在来外国人受入れ・対応に最適な仕組みづくりを、優先させるべきです。

 

今回の見切り発車の最大の問題は、直接外国人と接する当事者の事情を鑑みずに、対外的印象向上優先した「優しいおもてなし行政」とされたことで、恩恵と弊害のどちらに分があるのか自明の理でしょうし、与党が見込む時と慣れが解決するほど甘いものではない事を自覚できていない、一部の官僚の甘い意識に大きな罪があるのかもしれません。

 支持率5割を前後する安定政権のメリットが影を見せつつある微妙な時期、政府の舵取りがより巧みになるなかで、まずは私たちの意識から「行政の性善説の恩恵」から決別し、すでに入っている国際化時代に見合った行政や福利厚生実現に向けて、痛みを恐れずメスを入れる責任と自覚の姿勢は不可欠でしょう。

 

この改革で大切なことは、どの国でも当たり前の国民優先の福利厚生をはっきりさせることで、まず国民主体の前提があって、加えて外国人へのメリット・デメリットも明確にする、ちゃんと内外へも曖昧で無なく明確な根拠をしめした上で、対外的にバランスをとった「国際対応型の国民に手厚い福利厚生」がキモになります。

性善説を前提にして日本的に曖昧な精度との決別は、私たちの国際化への姿勢を示す大きなターンニング・ポイントになると同時に、世界で誇るべき日本流の国民優先の福利厚生の実例として、世界における日本の評価を上げる絶好のチャンスになり得るわけで、そう捉えれば、対外的にも政府側は大手を振ってアピールできるかもしれないですね。

あとは国内企業の負担をどう下げていけるかが課題になりますが、こうした「大義」はその課題上回ってでも実行しうる原動力になるんじゃないでしょうか?