くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

ものづくりに必要な労働力・技術力不足と外国人ニーズの違和感

 今日も暑かったですが、6/1は名古屋城本丸御殿の「対面所」の一般公開の日でした、今一歩天守閣に続く中継ぎの施設の完成です。

 さて、本題は前回の一次産業の現状に触れたにの続いて、私たちの生活の糧である職業、特に二次産業の今についてですが、日本もデトロイトのようになってしまうのでしょうか……。

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  かつて、世界の向上と言われた中国は、特に日本の企業の精密な技術力を学び・吸収してしれを身に着け、独自の製品開発力を発揮して、オリジナル製品を世界に販売するまでになりました。

 

「我々の技術はすでに日本のそれを超えています。」

 今や、日本のメディアのインタビューに対して豪語するまでに成長しています。

 

 最も誇りとしていた技術力やノウハウを、労働力コスト削減という目先の問題を回避するつもりで海外進出を図った企業や、躊躇なく国内生産の下請け業者を見放して、中国などに大半の生産拠点を移した大手メーカーは、新たな問題に直面しています。

 はじめは、労働力の多さと人件費安さが魅力だった、中国を中心としたアジアの下請け工場は、景気が良くなる一方で人件費も高騰し、かつてのメリットがなくなりつつあります。

 

 日本小規模メーカーや、新興メーカーには中国の技術力を持った下請け工場は、成功のチャンスをつかむきっかけとして注目されています。

 カシオから独立して、UPQ社を起業した女性企業家の話が有名ですが、彼女もたぐいまれなアイデアを製品化するのに、中国特に最近注目される工業都市、深圳(しんせん)の工場を使うことで、一人で家電メーカーを成立させるに至っています。

 

 このようなシンデレラストーリーも話題になる中、既存の大手にメーカーが労働力高騰によって取り出した方針転換は、大きく二手に分かれているようで、一つはさらに人件費の安い東南アジア新興国へ、工場移転をすすめていく刈り取り式を取る企業と、国内生産に主力を戻す国内貢献式を取る企業です。

 前者は今後も人件費コストとの兼ね合いを基準に次々に安い人件費を求めて、主要工場を変えていくのでしょうし、これがもっともリスクの少ない方法だと考えているようですが、一方後者の企業が国内回帰に求めるものは、生産管理リスクが人件費と労働人口との戦いになることを、予想できていなかったようです。

 

 ガイヤの夜明けで、TWINBIRD社(新潟県燕市)や、Knot社(神奈川県横浜市)の国内生産回帰の特集を放映していましたが、まさに後者の典型で、かつて存在した優秀なメイドインジャパンの技術力の、衰退と復活の戦いが企業に課せられたのです。

 国内の大規模工場は、家電メーカーのそれはニュースで示す通り、海外企業買収や縮小の憂き目にあっている中で、国内回帰をめざす企業は中小か、新興の小規模メーカが多く、国内メーカー全体の取り組みとして見ると、まだまだ成功したという印象が小さい状況ではあるのですが、日本企業の一つの未来ではあります。

 これは業態にもよりますが、国内市場に何が求められていくかによって、メイドインジャパンの行方を占うものです。

 

 さて、海外に相変わらず、コストカット頼みをするメーカーはそれはそれでいいとして、筆者が今回関心を抱いたのは、注目するのは国内の生産者を探し求める企業です。

 先にも書きましたが、今やじり貧になった国内の製品開発・生産力と人材は、日本人の人口減少による労働人口の現象と、次を担う若手労働者の三次産業へのシフトの流れで、かつての生産技術世界ナンバーワンだった、匠の国の面影はすでに無いといっても過言でない状態にまで悪化しています。

 

  今後、日本はかつてのように技術大国日本の栄冠を、再び取り戻すことができるのでしょうか? もしそれを目指すのであれば、労働力の確保は急務ですし、技術者・職人を育て上げるのはさらに多くの時間がかかるでしょう。

 また、その栄光を捨てて、培ったノウハウを保存できれば、今後新興国への技術力を活用して、ノウハウの販売をする道を選ぶこともできるかもしれません。

 しかしながら、今の日本の海外での交渉力をうかがってみても、決して優位な立場に立った販売交渉をしているようには見えません。

 

 今、外国人労働力の国内有効活用が、注目されています。

 名古屋市のある愛知県でも、自動車など機会部品生産が盛んで、昔から外人労働力の恩恵を受けてきましたし、観光面でも次のような話題もあって、注目されています。

 

 このような、WinーWinの関係は珍しいのかもしれません。まだまだアジア新興国の人から見た日本は、学ぶべきところが多分にある魅力的な国に映っているようですが、実際にの移住者から見れば、過酷な労働条件の下で不足する日本人の代替えとして働いているのが現状です。

 一方で、受け入れる側の日本ではさらに外国人慣れしていないことから、あまり積極的に海外隣人との同居を好まない傾向があるようで、手続きの煩雑さもありますが思うように雇用者としての受け入れが進んでいないようです。

 政府が、積極的に海外人材の雇用受け入れを促進するとは言ってはいますが、本筋の政策や国民の反応が薄いせいもあって、文字通り積極的に進めているようには見えません。

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3820.html

 

 人口の減少と少子化の波は、間違いなく日本国内に海外からの移住者を増加させることになるでしょうし、もっと早くもっと多くの外国人の呼び込みをするべきだったかもしれません。

 

  最近人型ロボットや、労働補助装置の話題が、サービス業界や医療介護業界のトピックになっていますが、現実はその本格的な実現はまだ先であり、むしろそのロボットも人が造らななければ普及しないものです。

 人材を集めるには、魅力あり何かがなければ集まらないのは、私たちも肌で感じていることですが、今いる人材で今ある問題を解決するには、ないものねだりをしている時ではありません。

 

 日本が抱える生産産業人口の確保や、医療・保育・介護人材の今ある不足問題を、国内労働力だけで賄うのが困難な今、海外人材の確保は政府にとって今スグ動くべき最重要事項であるはずです。

 その時に、私たちが向き合うのは、文化や宗教・慣習の異なる人々との交流であり、信頼であるのは間違いないでしょう。

 

 昨日、安倍総理の消費増税再延期の記者会見でも、参院選に向けての政府の地六身として、産業・福利厚生事業への人材確保などの決意コメントしていたた通り、政府が積極的に動くのも重要な約束ですが、消費増税を予定通り実施できなかったアベノミクスにこだわることなく、原因の理解と修正対策を真摯に実施してほしいものです。

 

 経済成長すらままならない中でも、成長を刺激する工夫の継続は、地味ながらも雇用創出の仕方に大きく左右されるものです。

 ただ、国内雇用環境を整備するためには、かつて日本を捨てた企業の国内生産化の見直しと、私たち市民も隣人と共存する心がける前向きな理解無しには、成立しないことを忘たくないものです。