42年ぶりの懐かしい風景を。明智鉄道の願い
8月9日に行われる、岐阜県明智鉄道での機関車走行イベントに向けて、SL車両の復元作業が慎重に進められています。
現在、日本各地でSLを使った鉄道観光が人気を呼んでいますが、ついに中部地方にもその時が近づこうとしています。
最も現存率が高いC62型の車両を明智鉄道では他と異なった方法で復活中です。
異なった点は機関そのもので、他が従来通り石炭などで蒸気を生み出しているのに対して、圧縮機を搭載しその圧縮空気で動かすというものです。
「えっ、石炭燃やさないの?」
そうです、つまり煙突から煙は出ないことになりますが、実はその事によって、とっても環境に優しい訳です。
「ダメじゃん」
なんてがっかりしないでください、今のエコロジー時代において、これは切実な問題なのですから。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、つい数年前に名古屋観光の一環で名古屋市内のあおなみ鉄道で、蒸気機関車を走らせようと市長が提案した計画は、この石炭排煙が問題になって頓挫した経緯があります。
なので、SLを現代に復活させるには、排煙問題は避けられなくなっています。
排煙問題を配慮し(他にも幾つか事情は有ったと思いますが)駆動機関の改良に踏み切った明智鉄道の英断は、評価して良いのではないでしょうか。
古き良き部分を残すために、可能な限り今の事情に合わせるのは、残すべモノを現実的に将来に繋ぐ知恵であり、そこに深い思いがあって出来ることです。
煙は擬似的にも排煙する事は可能ですし、たとえ出ないにしても車窓から眺める風景は、特別なモノが在ります。
この結果次第で今後のSL観光は可能性を広げるかも知れないのです、煙にこだわって断念するよりも、安らぎの風景を提供する選択をした同社の判断は如何なるでしょうか?
彼らが選んだ選択に、いよいよその評価の結果が現れる日が近づいています。
明知鉄道、蒸気機関車C12形224号機が42年ぶり走行へ! 明智駅構内で8/9実施 | マイナビニュー
http://news.mynavi.jp/news/2015/07/12/017/