家賃上げたら文句を言うか出ていくのは当然の行動:国家と企業の力関係
バイデン政権が莫大なインフラ投資への財源として掲げていた法人税率引き上げ方針を補完するものとして、5日イエレン財務長官が最低法人税率の設定目指すと、G20各国と最低税率で合意したと発表、過去30年に渡った法人税引き下げ競争に終止符を打ったとしていますが、米国の不利を緩和する狙いが見られます。
各国が強調して課税を強化することで危機に対する財源を確保でき、互いに企業の海外移転防ぐ狙いが理解されたということですが、日本も例外無く引き上げ実施をして、有能な企業の転出を防げるか注目です。
マネーが血液である資本社会で、その価値を上下させる企業への課税は、自由主義経済を最優先させてきた共和党主導ではタブーですが、民主党では是であり、日本でも民主党が政権をとった時期は、予算バラマキをしていました。
しかし、耳障りの良いマネーのバラマキは、経済にとっては、きちんと回収できる企業体力が伴わないと、落ち込むリスクを抱えますから米民主党の判断は、ウイルス特需を宛にできた分、ワクチン関連での収益が下がるのは、絶対避けなければなりません。
しかしいくらこの特需期間を延長できたとしても、常識的に見ればあと1年が限界でしょうし、それに変わる主役を立てないと予算を吸収できませんが…それが半導体チップがつなぎの特需期待され、すでにワクチン外交とセットでシェア争いは続いています。
日本はこれらの競争には、フェアに参加できにくくなっているというのが正直な感想で、マスクこそ中国製依存がピークで遅れたものの、ワクチン開発や注射器・感染判定技術は追い越した感さえありますが、冷凍設備機器販売は好調もファイザー製限定的で、そもそも高価な製品を導入できる国が圧倒的に少ないため、期待薄です。
注射器や判定機器においても売上期待は、今後未知数ですしその関連技術の転用で食いつなぐことになるでしょうから、すぐに特需に繋がりません、日本は確実性を重んじる分信頼性は上がっても、時間勝負の勝機を逃してしまうのです。
政府は、こうした日本企業の特性を見込んで計画実施の早期化を誘導すべきですが、政府は企業以上にリスクを避けたがるため、日本産業の生産性を高め企業価値を上げないといけませんが、政権交代が著しいため筋を通し難くなっています。
これら諸問題の足を引っ張っているのが、どこの政治団体かは今更語るまでもないですが、最近政権に食い込んでいる某党が親中態度を露骨に示しだしたのは、そろそろ中共がしびれを切らして、香港ウイグルのように強行措置を取り出していることからも、その証と見ていいでしょう。
その反自由経済派の共通スタンスは、理論的に言う共産主義の、根幹であるはずの資本経済否定はせず、圧力と情報操作という経済兵器を駆使して、自分たちの配下に強制的に追い込むのがトレンドのようで、資本主義のマネーという旨味はきっちり掴んで離しませんw
共産主義者でさえ認めるマネー経済において、企業に課税を増やせば、課税国から逃げるのは自然であり、本来は、国家の運営が企業の運営を下回ることは有り得ないはずでしたが、ごく一握りとは言え、このまま法人税回避する企業や、避税のため海外にペーパーカンパニーを設ける個人資産家を増やすのは、国の運営に支障が出ます。
今回の米イエレン財務長官の提言は、遅ればせながら必至の提言と取られ、各国の財務長官・大臣らに称賛を浴びていますが、IT関連企業がデジタルインフラの普及の中で、更に巨大化してそう遠くない時期には、国家を超える資産を抱える企業が増えていくでしょう。
すでに世の中は、マネー中心社会となった時点で、その仕組みを作り上げた資産家が、アメリカを超えているわけで、これを超えることは不可能です。
そのシステムの中で、世の中がよりマネーを媒介した格差社会に進むのは決定事項であり、国が法のもとで統治されていたのに対し、今後マネーのもとに形成される社会が近未来の姿だと思うと、複雑な思いはありますが、誰もがいずれ慣れていくんでしょうね。