くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

日本の企業は優秀な筈なんだけど、メジャーに扱われない

かつて日本のお家芸とまで言われ、今でも世界の最先端・トップの販売台数を誇る自動車製造業は、この場に来て脱炭素化の流れが世界共通のノーマル化されれば、相当な勢いで追い詰められてしまいますし、今もうすでにその足音は迫っているのが現状のようです。

地球温暖化問題視として、数十年前から準備されてきたCO2削減目標を、いかにクリアしていくがが、この流れでは世界共通…いや人類共通の危機意識として、莫大な費用をかけて、標準意識化されてきましたが、コロナ禍を契機にその動きはより具体化し始めています。

 

コロナ禍以前は、あくまでEUが始めた一ムーブメントにすぎず、アメリカ・中国などの大国も本格的な参入はなかったのですが、ウイルスのパンデミックで世界経済が大きく悪化したことで、大きな復興手段が急遽必要になった背景は、ニューノーマル社会実現の旗頭に“脱炭素”による経済活性化を打ち出し始めたということです。

しかしながら、皆さんが薄々お気づきのように、この動きは現在の地球環境の状態を一部課題評価し、本来緊急性のない課題を性急に問題化したものである、という科学者の意見はまだまだ多いものにもかかわらず、EUプランであったローカル定義を国連を通して、世界規模のそれにしてしまったのではないか。

 

事実、アメリカもバイデン政権に代わって、トランプ政策を根絶やしにするべく民主党が脱炭素に乗っかった経緯があったり、中国が世界市場をアメリカが先んじようとしていたIT・AIテクノロジーの強奪によって掌握しようとする動きに対応せざるを得ない事情だったりで、世界を統制してきたアメリカの弱体化で生じた市場の隙間を中国・EU三つ巴…いやインドも含めて、パイの奪い合いを始めてしまったというところでしょうか。

これから急成長を期待する資本家層の思惑通りに、脱炭素市場の盛り上がりはコロナパニックに乗じて、株価を爆上げさせる原動力になり、一旦ついた勢いを下げる隙も認めらない空気の中で、自動車産業はその象徴として中心に置かれ、そこから広がる関連産業へ投資が拡大する流れで、バブルの足音は高まりつつあります。

 

考えればこの状況は、不確実な状況で大量の先行投資が次々に流し込まれ、異常と言って問題ないのにも関わらず、メディアはインフレ懸念やバブル時期の予想など話題に上がるものの、株価の順調な上昇からは抜けられずに、成すがままになっているのは、冷静なら相当ヤバい状態なはずです。

そのヤバさを覆い隠すように、コロナ禍の難問課題は次から次へと降って沸いてきますが、FRBや日本で言えば日銀など世界の中央銀行長期金利コントロールは、蜘蛛の糸を渡るようなハイリスクな様相を呈しているはずです。

 

さて、そんな中で着々と進んでいるのは、トヨタ自動車をはじめとする日本自動車業界の優位な市場を再編成する動きは、この一年でどこも露骨になってきていて、昨年豊田章男氏が日本政府に警告した脱炭素化への致命的な課題を、ついには日本政府もどの国もあざ笑うかのように無視して、数字目標達成に盲信し出してしまいました。

今月、独VWフォルクスワーゲン)社は、自らの莫大な資本投資によってヨーロッパ内に、EV電池工場を増産するプラントを建設、EV車用の充電インフラの拡張を具体的に発表しましたが、この2度とないチャンスに同社は見切り発車を始めてしまいました。

 

この実行動によって、EU勢が米中より先んじようとする本気度が十分伝わり、莫大なリスクを背負ったことで、後戻りできない覚悟で世界への脱炭素ビジネスの普及を、不動のものにする手に出ました。

既に高効率なEV車用電池開発・大量生産は、中国が高いシェアを握っていて、加えて今後DX化や交通インフラの脱炭素化に不可欠な高精細な汎用チップの開発・生産のシェアも、中国台湾勢で握っている状態ですので、大胆な行動に出たEU勢でもどこまで食い下がれるか微妙な時期ではあります。

 

その中にあって先日、現在の自動車世界販売トップのトヨタが発表した、EU市場向けの戦略小型車の仕様が物議を醸し出していて、自動車マニアの諸氏によってはニュースを見てガッカリした人も見えるかもしれませんが、この世界が突き進むEV車狭小の最中、ガソリン車限定の新車を出すと発表したのです。

この小型車は前情報では、ほとんどの情報筋はトヨタ初のEV戦略車だと噂されていたもののようで、それが蓋を開けたら今更のガゾリン車でお得意のハイブリッドや水素仕様も出さないと明言されているシロモノだったわけです。

 

この一見時代錯誤な、ブームを完全無視した新型車によって、トヨタ自動車は何を仕掛けるつもりなのか?多くの関連筋は別の関心を持ち出しましたが、同社曰く先の脱炭素化への限界と、むしろ大きな問題を抱えることになると、アンチテーゼをしているというのです。

トヨタ自動車が試算したところ、このままの生きおいで全自動車がEV化されると、深刻な電力供給不足と、発電に関わる施設や資源が根本的に足らないというわけです、同社のスタンスは、全車指定席EV化への達成目標をもっと長期化し従来のレシプロ車・HV車などを混ぜながら実生活や経済活動に支障のない配慮をしながら、最終的に目標達成すべきだと主張しているのです。

 

さあ、皆さんはこの主張をどう受け止めますか?日本の人なら、周到により隙のない車作りをする同社の凄みは理解されていると思いますが、その世界企業が世界が一丸となって取り組もうとするEV車化計画に、楯突いたのですから気でも狂ったのか?とか海外では反発が相当出ているようです。

それに、今思い返せばこのアンチテーゼと同様の行動をしていた、有名人がいたりしますが、しれはトランプ前大統領ですね、彼は在任中エネルギー開発には脱炭素よりエネルギーミックスを推奨していましたし、自動車もEV化には殆ど支持していませんでしたね、単なる無監視なだけと言われたりもしましたが、トヨタと同じ推測はできていたと言っても不思議ではありません。

 

そのトランプ氏は、世界レベルの民主左派勢力によって、計画的にアメリカの政治から引き下ろされて、凶弾され悪者扱いされてしまいますが、冷静に考えても彼の政策は後になって正当に評価され、日本でもアジア安保の安定化には支持者も多かったのですから、日本人としてはこの先エネルギーの在り方での2極化を、単なる流行に身を任せるだけでいいものでしょうか。

話を戻すと、未来のエネルギー事情を客観的に説いたトヨタ自動車が、今は世界のこの流れを扇動する対象から抹殺されようとしていたのですから、この一撃が今後どう波紋を投げかけどこまで評価されるのか、日本人としては例え車に関心がなくとも、日本企業に対して世界の目がどう見ているかを確かめる、注目すべき課題ではないでしょうか。