くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

専門企業・専業がデジタル化で淘汰される社会

デジタル化の環境変化は、今では誰もが当たり前に受け入れていますが、その前およそ30年ほど前までは、デジタルとアナログなどと言う区別さえなかった時代に、デジタル時代の始まりを知らしめる大きな変化が起きました。

それは同時に、不動の地位であったアメリカ大企業でさえ、没落に追い込まれるというそれまでの常識を塗り替えるものでもありましたが、この変化で多くの人にデジタル化時代の到来を印象付けた出来事です。

 

それは写真業界で、フィルムで最もシェアを持っていた、米コダック社の業績不振の知らせで、当時デジタルカメラがそれまで主流だったフィルムカメラがとって変わった時代であり、シェア交代が起きてフィルム需要が激減した時代でした。

その後もコダック社は、フィルムメーカーにこだわった結果倒産の危機を迎えるのです、それと足並みを揃えるように、電話もデジタル回線を使った携帯電話が普及し、まもなくApple社がiPhoneを発表してデジタル化時代の幕開けを強烈に決定づけたのでした。

 

アメリカで起きた業界の逆転劇は日本でも例外でなく、むしろ日本製のデジカメが高性能で安かったために起きたことで、当時コダック社とシェア争いをしていたサクラや富士フィルムも淘汰されていきます。

この国内メーカー2社の方針の違いでその後運命は大きく分かれます、ご存知の通り富士フィルムは自社の技術を転用し、化粧品メーカーとして返り咲きますが、サクラは転業がままならず消えていきます。

 

この市場でのデジタル化商品の台頭で、この後もまさかと思うような逆転劇が一般化していきますが、今思えばこれらはアメリカが軍事技術だった、インターネットの民間転用の結果始まった、遠大なアメリカ経済優位化の計画の結果だったわけです。

その中で、コンピュータの進化とWEBの連携で、重要なシリコン製品の世界独占化に成功しPCのOSでも過半数を超えるシェアを取りますが、今ではその計画で進化したそれら国家機密級の技術は、流出してその恩恵をかすめとるように中国が大きく優位になりました。

 

こうした背景の中で、技術大国として世界に影響を与えていた日本はというと、デジタル化への対応に遅れ、技術力が自慢だった大手メーカーは、この世界市場の変化を掴み取れずに、低コスト化で埋め合わせすべく新興国へ生産ノウハウを流出させてしまいました。

ここでも安い人件費と引き換えに、日本の門外不出の高い技術が当時新興国だった中国に渡っていくわけですが、日米が犯した油断と愚行は皆さんもご承知の通り、その後の経済事情を大きく変えていく、つまり民主化の名を語るデフレ時代へ移って行くのです。

 

これらの経緯を振り返ると、アメリカが狙った世界のデジタル化によって、市場経済が急角度に方向を変えると同時に、国同士のパワーバランスも大きく変わるきっかけになっているのがわかりますが、企業の体制にも大きな課題が出てきます。

先に挙げた企業淘汰から抜け出すために、大企業と言えど体制の柔軟性や専業傾向の見直しが、どれほど徹底されているかが、どの業態でも社運を左右するとういう厳しい現実であり、フィルム業界で起きたことや、中国への技術流出の轍を二度と踏まないための戦略の有無が、日本企業の生き残りの鍵になるということです。

 

しかし、残念なことには国内の大企業であるほど、根本的な改革をせず中国依存の人件費削減で業績を維持しようとする傾向は絶えませんし、コロナによる市場の変化に躊躇してますます安定志向に固執すしているように見えます。

アメリカは、トランプ政権下で痛みを伴った中国依存と中国の計画からの脱却を実行して、情報産業のシェアはかろうじて死守できていますが、安倍政権では同様に試みようとしても、政治経済学会からの猛反発で打つべき対策が実現できていません。

 

この結果の差は、安易に政治責任に押し付けるのではなく、むしろ国内企業の体質による悪習が、足を引っ張っているのは明白ですし、リスク計算が不得意な日本人体質が極めて大きい推測できます、ここで開き直るか変えるべきは変えるか、特に中高年齢層の社会人サークルに問われています。

この先海外が仕掛けてきたDXやSDGsのプレッシャーは、より具体的に国内企業の柔軟性を困難にし束縛させていきます、その中でリスク計算によってどれ程のリスクをとって問題をクリアし、弱みに付け込まれることの無い行動が過去の轍を踏まな無い要点ですが、さて日本は無事切り抜けられるでしょうか。