くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

通信料値下げが国民の総意というより、権利を行使する狼煙でありたい

新政権の公約の一つに、デジタル化に向けて通信料の値下げを、これまで以上に通信大手へ意識づけさせる強い意向を示していますが、これは国民の総意として日本の携帯電話料金が高いと言う、意識に応える取り組みと考えられます。

それを受けて民間専門家やメディアからは、国民の総意とまではいかず今の通信料で納得する者も多く、むしろ値下げを強要すれば、通信大手がインフラ整備の負担増につながるとして、政府が値下げ誘導するのはどうかという意見も出ています。

 

事務手続きのデジタル化とか生活家電などのIoT化によって、作業効率や経費合理化を加速させ、創出される時間をもっと有益な経済活動につなげるためには、日本ではそもそも通信コストの負担意識を考え直す必要が出てくるということではないでしょうか。

すでに実施が開始されている5G通信可能な環境を、まず主要都市から整備しながら、さらに世界に先手を取るための6G通信環境を併走して準備していくことになりますが、これを世界のスピードに合わせていくとなると、膨大な経費が必要です。

 

そもそも通信インフラ整備を短期で行う上で、国や通信企業だけで費用を賄うのは限界があり、これら設備を利用する一般企業との出資連携が不可欠であり、国内の全企業が必要とする設備規模を、洗い出した上でコスト負担や利用の優先順位を計画的に整備すると言うことです。

企業と客とか政府と通信企業がバラバラに整備するのでなく、バラバラだった取引を既存ネットワークで連携させ、無駄なコストや手間暇を減らすことを、官民総出で作っていくといことで、不透明な周波数帯価値を整理し、国民に最適な通信資産の見直しは同時に整備すべきでしょう。

 

また、この負担を全企業を対象とした法人税とするか、個人も含めファウンディングによる確保もアリですし、設備普及の目処が立つまでの期間限定特別税とするか、ウイルスリスクで投資先を失った余剰投資への新しい手段としても良いでしょう。

ただいずれも前例のない新習慣であり、多くの専門家を交えた論議は不可欠ですが、加えて日本では前例主義者や既得権益にとって都合が悪く、抵抗される可能性も含めて極めて実行に多くのハードルがあります。

 

加えて、企業が健全に稼いだ収益や国民の税金が、戦後の経済急成長で歪みを生み、日本独自の商習慣や業界ルールが、秘匿性や既得団体の利害と絡んで、正当な政策や企業投資を阻んできた黒歴史が、今のIT化やDXの転換を遅らせてきたわけです。

せっかく海外で仕入れた経済合理性を生かす努力が、これら超えられない壁からの、立て直しは大きなハンディーですが、それだけデジタルインフラの普及が日本の経済復興に欠かせなくなった今、それを乗り越えなくては生きていけなくなるのです。

 

これらを実行する上で、ウイルスリスクによる既存経済構造が、根本から揺るがされる現実を、可能な限りDXで乗り切ろうと政府も腹を括ったのかもしれませんが、ようやく本腰を入れた、その象徴がデジタル庁なのでしょう。

今後DXを旗印に半ば強制的に、既得権益の恩恵を少なくとも受けている者に、相応のリスクを負わせてでも、根本的な改革にようやく手をつけ出したということかもしれませんが、大いに期待したいものです。

 

しかし、義理に拘る菅総理がどこまで義理のしがらみを割り切って、業界の既得権益や不要な協定を改革できるかやや疑問が残りますが、通すべき義理とお座なりの義理を清算する強い意志と実行力が試されている、大事な局面だけに是非断行して欲しい。

政治・行政からうみを出す試みとして、DXへの投資は具体的な構造改革を容易にしやすい一種の建前になるもので、この意識改革によってこれまで前例主義側の常識を、論破しながら新しい政府への脱皮に弾みをつける狙いは歓迎できます。

 

一方国民も、無意識に高いものは負担増を考慮し抑制してしまうので、人によっては利用できないとか、通信の使用に消極的になりがちな状態が当たり前に起きている現状が、日本のIT環境整備そのものも消極的にさせているのも深刻です。

日本人は元来から節約意識がが働き、提示されている額に見合わなければ、利用を控えているだけで本来使いたいはずで、先進国で進むネットワーク構築の恩恵に預かれていない人が多いのが現状です。

 

政府が始めた通信料値下げ改革は、まず国内独自の通信料コストの常識をリセットさせ、見た目上公共通信インフラ整備強化によって、割安感を再認識させるところから変えていかなければなりません。

IT先進国の中国韓国台湾などは、通信料の負担感を国民から払拭したうえで、国民自ら自由な通信インフラを活用する経済活動が、できる環境を構築できていますから、新しい発想のビジネスや生活利便性が生まれ始めています。

 

10年以上の通信環境のギャップが、日本では本来持っている筈の経済活動ポテンシャルを発揮できずその損失は莫大であり、その現状をまず通信企業に意識づけさせる狙いを持っていると考えられ、まずはその意識改革を促そうということです。

通信料の負担を直接エンドユーザーだけに負わせれば、通信料が高価になるのは当然で、これを他企業にも今後IoT化で爆増するであろう電波帯の資産価値をコストとして負担させるのは合理的ではないでしょうか。

 

それを現状企業は、この手のコスト増を嫌って企業単体の負担とする意識を変えないまま、通信企業に押しつけているのが現状であり、企業も含め利用者が最大限通信インフラを享受できる権利を有するとすれば、負担は全てに義務であるべきだと思うのです。

 通信料にはインフラ整備コストも含まれるため、NTTから積極的にコスト負担を国民だけでなく企業からもさせる仕組みがあれば、結果的には通信料は最終的にエンドユーザーが払うにしても、これまでよりも負担意識よりも満足度の方が高くなり、通信利用を積極的にする様になるでしょう。

 

総合的に日本で通信の自由度を生かしたビジネスモデルが、企業全体に意識づけされれば、エンドユーザーである国民の積極的利用につながり、この意識を定着させるため通信提供企業と被企業との連携が、IOTの促進拡大への鍵になるでしょう。

政府がこれを狙って、今回の通信料値下げを促進しようとしたのかは定かではありませんが、今後世界的で同時進行するヒトモノ全てのネットワーク化に連携・参画するには、独自化に走りやすい日本の課題と並行して解決するしかないでしょう。