くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

通信環境も自由化をしないと、日本は終わりかねない

携帯端末大手のNTT docomoがNTTに100%出資で完全子会社化され、通信料値下げ商戦に向けて経営事業の統合をすると発表がありましたが、docomoは、携帯大手御三家でも最も売り上げが低く、本格的な対策を始めたと言えます。

そもそも携帯料金値下げは、政府筋の通達からはじまっており、今月総理大臣に就いた菅氏がおんどをとっていた目玉施策で、料金プランを複雑にするだけで値下げに繋がらない現状に、新規参入の楽天でカンフル剤になる目論見がありました。

 

しかし、楽天が通信設備の敷設に苦難して思ったほどの競争原理が働かなかったため、おそらく菅総理肝いりでdocomo経営統合を進めたと考えるのが妥当だと思いますが、政府が介入した市場は、健全に機能しないことは過去の事例からも見えています。

もちろん今回の値下げが成功するか否かは、やってみなければなんとも言えませんが、そもそも端末料金よりも、インフラ整備が不十分ではDXへの対応にはならないだけに、根本的な政府の指示による通信エリアの無料化と安定化無くして成功はありません。

 

もう何年も前から、隣国中国、韓国、台湾と比べてフリーWiFiエリアがあまりに限定的で、限られた店舗施設か、繁華街でしかWiFiが利用できないばかりか、それぞれの受信状態がバラバラで、お世辞にも快適とは言い難いものでした。

公共電波である携帯電話に割り当てられた電波帯を、本来無料で提供すべきものを3社の企業利益優先のために、半ば私益化していた背景には政府との複雑なしがらみが、透明感を阻んできたのも事実でしょう。

 

政府の中では、もう何十年も前から検討会研究会が開かれ、何度か改善の動きがありましたが、全てこれまで大きく動くことはありませんでしたので、総理大臣主導とはいえ通信権益の解放は反対勢力によって、簡単でないことは過去に準ってしまう懸念は大きいですね。

それでも短時間でここまで大きな動きが具体化していくところを見ると、通信料の透明化と端末価格の競争化はある程度変わるかもしれませんが、一部の経済アナリストには、通信料の大幅値下げは、業界の経済成長を損ねるとの意見も出ています。

 

それにしても、未だ世界の比較では日本のそれはかなり高価なのは事実であり、多くの国内ユーザーは根本的な値下げを期待しているのも間違いありませんし、通信料の大幅値下げと、フリーWiFiエリアの拡張はセットで進めるべき緊急課題でしょう。

これが実現しなければ、日本が来たるデジタルサービスを常習化させる、ニューノーマル時代への対応が先進国で最も遅れることになるでしょうし、通信精密機器を得意とする日本がさらに中国以外に国へ市場を求める際に示しがつかないでしょう。

 

これまで消極的過ぎたITサービスへのインフラ普及の遅れは、政府関係者のデジタル化への無関心が大きかったし、他人事のように扱っていたことが、世界との足並みを遅らせる原因にもなっていたし、今膨れるセキュリティ事件の増加につながっています。

通信端末は、今後最も進化して自動化されていく最先端の市場ですが、それを支えるインフラがお粗末では、多くの経済的チャンスを指をくわえて見送ることになりかねませんから、菅総理大臣の本気度を官民総出で汲み取る実行力がためされます。

 

政府としては、中国など情報ハッキングする国際戦略に晒される危機感から、及び腰になっているのでしょうが、ここでリスクを取ってでも法整備も含めて政府から具体的な、デジタル化の見本を示さなければ、通信企業はガラパゴス化し国策より企業利益を過剰に優先させるでしょう。

逆にこの日本人全体にデジタル化とネットセキュリティの意識を変えることができたなら、今からでも世界の最先端に返り咲くことも夢ではないかもしれませんし、少子化による人材不足をサポートする現実的な対策は、デジタル化しかありません。

 

未だ多くの人が、生理的にデジタル化やAIの介入を拒絶する傾向が強いのですが、ここの道を踏み誤ったり足踏みしていたら日本は間違い無く、世界の第一線から振り落とされ海外企業に技術だけが買い叩かれ、流出することになるでしょう。

そもそもこの難易度の高い課題を作ってしまったのは、中国依存と同じで私たちのコスパ意識にこだわりすぎたことと、企業利益優先の価格競争を当たり前にしたつけに他ならない以上、大きを変える重要な時期にあることを、1人1人の自覚が求められています。