最も優秀な国が受けられないこと
WHOがもう何年も前から、世界の加盟国に対して公正な機関では無くなっていることは、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、これは国連の常任理事国の一つである中国が台湾を、国家として認めていないことに由来していて、最近アメリカの「台湾を国家として対応する」発言は話題になりました。
台湾にとどまらず、合法的なこととは言え中国資本によってWHOは、ことさら中国に不利益な発言を避けており、今この時期において客観性・正当性を欠いたコメントが多く、中国公開のウイルス関連の統計情報と併せて、信ぴょう性の薄さを指摘している人も出ています。
台湾はなぜ、WHOにとって頭痛の種なのか? - BBCニュース
国連にしてもWHOにしても、日本にとっては貢献はしてもそれに対する見返りは「感謝」でしか返ってきませんし、台湾のWHO未加入同様に日本の国連への常任理事国再復帰は、見果てぬ夢でしかありません。
つまりどちらの組織も、日本にとってお付き合いでの義務的な関係であっても、実質上相互利益につながるとは思えない存在でしかないように見えます。
それゆえに、向こう側からみれば影響力のない小国であり、日本と台湾はその同位の立ち位置からしてもっと交流や関係を強化していいはずでしたが、日本政府がとった方針はアメリカや中国などの関係に偏った行動に始終しています。
未だに国連常任理事国に復帰できない日本は、結局国のパワーバランスにはじかれつつも、優秀な国だと自尊心をくすぐられて、金だけは出す国でしかないという事実を認められないのでしょうか。
台湾は、かつては日本に支持され国としての機能を維持してきた自治体ですが、今では自力で国民を感染から護り、国際団体に過度に依存せずとも結果を出そうとしているわけです。
日本は確かに優秀だと筆者は信じていますが、一方で戦争に走らされ挙句の果てにボロボロにされても、大国をリスペクトしつづけ、今でも中国市場に依存したがる愚かさを、70年以上続けています。
その間に、政府行政の一部は大国の傀儡化と、内部既得権益の巣窟と化して、本来の政治や行政を国民から遠ざかっている始末ですから、戦争当時の結束力も失い、空洞化した民主制にすがりながら、一部の企業だけが成長するゆがみを生みました。
優秀な日本が生み出した技術や研究成果は、もう過去のものならまだあきらめもつきますが、今でも日本はそれらのまともな遺伝子が受け継がれ、やればできる子となりうるだけに、教育を含めた弱体化の進行は残念でなりません。
どの立場においても、それぞれ弱体化をうながそうとするものと、従来通り向学心を緩めないもの、そのどちらも存在している今にあって、縦割り社会の悪癖を個人一人一人が良く考え、学び、行動する、この習慣化がこれからの日本復帰において、極めて重要なカギになる気がします。
台湾は日本の直ぐ近くに在って、歴史的にも深い関係がある国ですが、かれらの行動こそ今日本に欠けているものに見えてなりません。
その因果関係は、偶然でもたまたまでもなく、かつて優秀だった日本の知恵や精神が、タイムラグで台湾に現れたといったら、結構多くの人が納得していただけるのではないでしょうか。
台湾の人々は人種的には漢民族であり中国の一派ですが、一時期ではあるかもしれないですが、人種をこえた濃密な関係をもって協力してきた時代があったことが、今になって形になってきたと言えないでしょうか。
アメリカ式のビジネスが、窮地の日本をここまで成長させてきたのは事実ですし、その発展に広大な中国市場が支えになったのも現実ですが、日本はそのために自己の優れたアイデンティティを忘れてしまっていいのでしょうか。
経済成長は、今後も日本成長の大事な要素ですが、人口縮小化する日本はそれだけでは世界との関係は構築していけない段階を既に迎えている以上、アジアの小国との連携と協力による、小国ならではのフットワークとチームワークこそ、台湾からのラブコールから、日本がくみ取らなければならない「答え」ではないでしょうか。