くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

政府と企業連携の課題。純国産航空機の夢遠のいた事情

海外企業買収・改名で、純国産の色を薄くした元MRJが果たそうとする日本の夢とはなんだったんだろう、と最近の記事を読むにつれ思わざるを得ないです。 

当初より70年近くのギャップには、多くの試練が待っていたことはわかっていたはずで、その現実を乗り越える姿を見たかったという願望は浅はかだったとはいえ、現実的な落としどころはこんなところなのか、とねをあげても良い時期なのでしょうか。

 

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三菱スペースジェットが新展開、あえてボーイングの「虎の尾」を踏む理由 | Close-Up Enterprise | ダイヤモンド・オンライン

 

おそらく航空機市場においては、三菱重工が唯一突破口を開ける国内企業だったことは間違いないでしょうが、雲行きが怪しくなったあたりから政府の後押しも薄れていき、四面楚歌の中で孤軍奮闘する姿が続きました。

開発発表当初は国策級の待遇だったはずで、それが生産延期が続くうちにまるでなかったことのように政府の発言が減っていった経緯を見ると、そもそも本腰を入れてサポートするだけの覚悟がなかったのかもしれません。

 

それに加え自社の経営姿勢からもほころびが出てきたことで、いよいよ計画実現性が弱くなっていることからも、政府にとっても財閥企業の扱いの難しさが露呈した事案として歴史に残りそうです。

関連同業企業としては他にも、元中島飛行機のスバルや、機体・エンジン部品では川崎重工IHI、素材ではTEIJINなど世界にも誇れる企業があまたに存在しますが、日本はブランクの大きな市場参入に対して、単体企業でなくEUがよくやるような合弁企業として参入すべきだったのかもしれません。

 

後出しジャンケンなのかもしれませんが、その轍を踏まぬよう政府の関わり方や企業私益を超えたオールジャパン体制が、日の丸ジェット機として錦を飾るはずだったMRJプロジェクト難航によって、明るみになったように思います。

この結果は一方で、グローバル市場化するトレンドに合致する結果なのは言うまでもありませんが、今までの国内企業の皮算用は通用しなくなった現実をまざまざと見せつけているように見えます。

 

それを証明するように、例えば自動車業界のように最近ようやく業界提携の動きが見られるようになりましたが、これらは国際市場への危機意識の甘かった国内企業がついに危機感をあらわにした前向きな行動だと考えられます。

これまでの団塊世代中心の「イケイケドンドン」式の市場進出は通用しなくなった現実に対して、膨らみ細分化されすぎた「大手企業と中小企業とのヒエラルキー」のツケが避けられなくなっていおり、ようやくその認識された危機感が、今後国内企業再編成と政府の認識改めにどう反映されるか、次世代へのツケ回し回避とともに新世代の発想転換いかんにかかっていて、それは遅ればせながら今始まったばかりです。