くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

本末転倒なAIへの期待と依存度

AIの進化によって新しい仕事のカタチに関心が高まる中で、日本伝統の職人文化に大きな影響を与え、彼らの減少によって引き継ぎ手不在の中も、少しでもそのノウハウをAI活用で蓄積する試みは斬新です。 

 ただ筆者が心配なのは、この伝統の引き継ぎが進むに伴って、予期の日本の伝承文化が人によってされないことで、日本人の粘り強さや繊細さという独自の優位性が弱まっていかないようにしたいですし、職業選択や仕事そのものの在り方へのこだわりは今後も養って欲しいものです。

 

 さて、AIによる知財・技術の数値化された蓄積が、職人の減少問題に貢献していくとしても、そもそも継承すべき職人そのものが少なくなっている原因は、根本的な職業選択肢の偏りにあって、今でも技術伝承に憧れる若者は一定数いるようですが、職業の魅力の判断基準が、より収益や効率性に偏っていく傾向が強くなっているからです。

別の記事でも書きましたが、最近下火になりつつも「Youtuber」へのあこがれが子供達に浸透しているのは、子供でも参加できる職業の可能性を広げたこともありますが、すぐに結果を出したいという職業願望への現れ、と取れる点も無視できません。

 

www.sankeibiz.jp

AIが侵食、日本の労働人口49%代替予測 「熟練者の勘」必要性乏しく - SankeiBiz(サンケイビズ)

 

この職業が、現存の職業に危機感を与えるAI対策がほぼ皆無であり、むしろ既に盛り込まれた職種である点も伸び代が大きくなることかもしれませんが、この点でも新しい業態が「趣味」のこだわりや個性化の延長線上でできるにに対し、既存業態はむしろその逆で好きなことを排除しているケースが圧倒的に多いという、職業観の乖離があります。

大人なら経験則でそれを知っていますが、ネチズンといわれる子供たちは持ち前の感性で見抜いているようで、彼らの中から成功者が出るとすれば、経済的優位性を使って「好きなこと」にこだわり・伸ばせる子供たちということになるでしょう。

 

その成功には、才能や努力するスキルは私たち同様に求められますが、その過程で伝統技術や職人への憧れや魅力を持つ子供がふえる期待はあります。

その段階で、彼らの師匠が「人間」なのか「AI」なのかは知るすべはありませんが、こうした知恵の周知が順調にいけば、まだまだ日本独自の職業の伝承の可能性は明るいものになるでしょう。

 

こうした可能性を今後成熟させるために、単にIT企業が「商品サービス」の一環として提供するのではなく、かけがえのない伝統を持つ地域行政こそが、地域の福利厚生の武器として一般化する流れを作れれば、むしろ地方の優位性は高まるでしょう。

昨今はネットインフラ普及の恩恵で、発想さえあれば都市部との優位性の差は縮まることがわかってきていますから、今後はそれを補う物流施設や交通システムの向上をさらに高め、東京一極集中による効率悪化を見直し、生産性の日本全体で分散・分業に資源集中させる必然に備えて、仕事に関する行政の機能性アップや、ネットワーク化で課題解決の共有に、AIを進化させる動きは重要でしょう、期待したいですね。