嫉妬? 東京オリンピックと大阪万博を、素直によろこべない事情
東京オリンピック開催ネタも冷めやらないうちに、2025年のオリンピック大阪招致も決定しましたね、たった5年の違いだけで実質連チャンの世界的イベント開催の日本って……どうなっちゃうんでしょうか? ワクワクしますね。
っと、言いながら今回はそれにアンチするような表題ですが、一体どういうことなんでしょうか???
先行して実施されるドバイ万博において、日本側は大阪万博に向けて招致準備を進める意向を発表しました、着々と進む万博開催の準備のなかで、この先国内の景気は上向きになっていくことを願っています。
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さて、名古屋在住の筆者の立場として、名古屋で開催された「愛・地球博」万博の成功があるだけに、大阪万博の再来は妬ましいものに映りそうですが、素直に喜んでいますよー、ええ。
お祭り騒ぎであろう大阪の人々のアゲアゲ気分がこれからという時に、書くのも如何なものかとは思いながら、この図式を見て直感的に感じたのが表題の思いだったんです、ええ。
もしかしたら、日本にとってこの二匹目のドジョウをあまり期待していなかったひとって、本音で言って嫉妬でなく少なからず居たんじゃないかって思ったんですね。
もちろん心情的には地域創生の立場として「盛り上げなきゃ」という、大阪への気持ちはあると思うんですが、何となく日本の重荷にならなければいいな、とも思うんです。
日本人はお祭り好きで頑張り屋さんだから、イベントは多いほど素直に喜べるし、良いものにしなきゃって、張り切って協力し合うんだと思うんですが、実際のところ先日の東京オリンピックのボランティア募集で、即満員御礼にならずに半分しか集まらなかったそうですね。
これって、東京都が提示した条件が一方的すぎなのもありますが、参加したくても参加できない事情が大きくなっていることを示す暗示なんじゃないかって、思えませんか?
2大イベントに限らない、他でも例えば東海リニア新幹線にしてもそうで、国民や市民の多くがこうした施策に「建前と本音」を持たなければならなくなっているのではないかという懸念です。
その背景には、実質の経済成長に伴う国民への還元が先送りされ、私たちから見て企業成長優先によって起こるはずの、景気に見合った還元の実感が伴っていない事実があるからでしょう。
この景気向上と還元のバランスが取れていない空気は、本来素直に喜びたいはずの市民のモチベーションを気づかないうちに低下させていて、いざ参加となったら「あれ?」と違和感あって、そこで覚めてしまう。
また、多くの市民だけでなく行政に携わる立場でも解っていながら、指数化・証明できずうやむやになっているところに次々と大イベント招致が決定し、嬉しさ半分それにかかる負担や問題が先送り得ざるを得ない予算工面の現実との葛藤。
東京オリンピックでも大阪万博決定でも、大喜びする関係者には正直見ていて羨ましくも思うのですが、その熱がそう遠くない未来に冷めて冷静になった時に、あの東京都知事や豊洲市場問題と絡んだことや、大阪都構想に盛り上がった後のように課題が山積した悪夢が蘇らなければ良いと、堅実主義の名古屋人は心配してしまうのです。
基本筆者は、全国は基より地方が活性化する施策は積極的に進めるべきだと考えますので本意ではないのですが、狭い国土で相応の限られた懐事情や人材資源を考えると、利益を偏らせる大イベントは長い目で見て局所的な還元になりがちだし、なにより行政側の「やりきった満足」で国民不在の憂き目にあわないかが、とても気になってしまうのです。
真剣に地方都市を含むまちおこしを総合的に考えた時に、こうした国際的なイベントやお祭りは、将来の日本にとって幸せをもたらしてくれるのでしょうか。
今回の大阪万博には地元の得意とする「日本の商い」「日本の歴史遺産」において、後世に残せる「何か」をしっかり残してほしいですね。
特に次世代を担う子供や若者たちには真剣に考えてほしいし、彼らこそその恩恵を受けるべき国民・市民なのですから、私たちは先輩は単なるお祭り騒ぎで終わらないように、彼らに少しでも多くの価値ある遺産を残すよう心を砕かなければなりませんね。