くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

ライフスタイルの多様化と史跡・観光施設のユニバーサル化

パラリンピックの注目とともに、より見直される動きが大きくなる公共施設のユニバーサルデザイン導入の流れは、ここ数年ニュースで良く目にするようになりましたが、名古屋城木造復元でも、名古屋市内で導入への賛否が活発になっています。

福祉団体やそれに携わる市民からは、5月の方針決定に向けて河村市長が一度エレベーター導入無しの見解を出した後、導入への嘆願集会などエレベーター設置派の動きがありましたが、改めて河村市長は導入無しの見解を出しました。

城の木造復元には、史跡価値の維持と観光ひの利便性のジレンマがどうしても伴いますので、その落とし所をどこにするかは今後も、国内さまざまな史跡で悩ましき課題になることでしょう。

その先陣を切ったようなタイミングで、この「エレベーター」問題は始まっていて、名古屋市は、明確な答えが出しにくくても期限の迫る課題にどう結論をだしたのでしょうか。

 

www.huffingtonpost.jp

名古屋城の新天守閣、エレベーター無し方針に障害者団体が抗議 「一緒に上がりたい」

 

名古屋市のある愛知県周辺は、質実剛健だったことで知られる徳川家康のお膝元でもあり、その気質が引き継がれているのか、実利的で堅実なものの見方をする傾向がある土地柄なので、なおさらのことこのジレンマはとても悩ましい問題になっていると感じます。

本来観光のような娯楽に他県とくらべ無頓着なところもあって、しかしながら名古屋城には並々ならぬ思い入れもある、最近こそ他県からの移住者も増えており、その傾向は薄まっている気配はあるとは言え、ご当地意識はそれなりにありますので、出来る限りベストな落としどころを求めたいところですが、さて。

 

こうした実例をあげて、これからますます盛り上がるであろう歴史遺産の注目度に対して、少なからず国内どの地域においても同じ悩みを抱えていくのは、自明の理でありリアリティをとても感じています。

この課題は個々の案件ごとに答えを出すことは、無理からぬものであって国内の同様の課題を抱える、都道府県同士の連携が重要な鍵を握っているのではないかと思いますが、実際のところその連携までも至っていないのが現実です。

 

 日本は小国とは言え、世界の縮図と比喩しても過言でないほど歴史的に「クニ」意識が多様で、それぞれの特色を切磋琢磨し、モチベーションにして発展してきた経緯を持っており、他県同士の十分な協業の障壁になっているとも取れます。

競い合う意識は、進化にはとても大事な要素なのは違いないのですが、その一方で「チーム・ジャパン」でまとまるという起用さも、今後グローバル社会への船出にはとても大事なスキルとして求められるだけに、まだまだこの点で不器用な私たちは、競争と協業という二刀流の技を、これから磨いていかなければなりません。

 

さて名古屋の話に戻すとして、名古屋市は地方都市としては、戦後古くから国際交流を積極的に進めてきた土地柄でもありますので、その個性をより鮮明にアピールできるこの観光ムーブメントに対しての答えの行方を、筆者は前向きに見守りたいと思います。

ちなみに、先日歴史好きの知人との史跡巡りをしてきた筆者は、その話題でも意見交換しましたが、設計図など証拠の残る部分は階段も含め、可能な限りリアルに再現すし、利用者限定の条件で昇降機コーナーを“城内”に設けるのがベスト、との個人意見を申し上げておきますが、名古屋市と中央官庁はどれだけ柔軟な判断を下ろしてくれるでしょうか。