城観光でやってはイケない事?or NOT ?
耐震性不足 による修復で、入場制限のかかる名古屋城ですが、木造復元の完成時期でもめており、市長が提案した2020年で経済効果MAXだったにもかかわらず、名古屋市議の反対と自公民の物言いが益々足かせになりそうです。
名古屋城天守閣の木造復元事業の設計費を盛り込んだ補正予算案は、名古屋市議会で継続審査になる見通しになった。自民、民進、公明の3会派が事業費の算定根拠があいまいなどとして6日朝、継続審査にする方針を決定。同日午後の市議会経済水道委員会で採決される。7日の本会議で継続審査が決まれば3度目となる。
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タイミングを逸するような保守的姿勢が、市政や 市の経済効果の足を引っ張った形になっているのは、至極残念ですね。
名古屋も大阪も後悔してる?してない?
ちょうど名古屋城関連記事の製作中に上の問題がでて、筆者としては想定内ではあったものの、 河村市長と名古屋市議との当城の物議のねじれの深刻さは、尋常でないと感じていました。
この工事について、市民に対して市長が区ごとに説明会を行ったのが、まもなく1年も前になるこの時期に未だに決着のつかないと言うのは、問題の未決によって東京で先延ばしにされる、豊洲市場運営開始の頓挫と同様の問題を根っこに抱えていないでしょうか?
「市民不在の空論による遅延」
と言う点で、やるやらない以前に議員同士の思惑駆け引きに市民は傍観する構図そのもので、かと言って市民が大通りを練り歩く運動で意思表示をするような問題でも無く、市民不在を良いことにイタズラに時間を浪費に明け暮れる。
こういった問題解決の場に往々にして見受けられるのが、事なかれ主義の空気を撒き散らすやり取りで、攻めるも防ぐもお互いリスク回避を最優先して、責任ある 意見交換をしていない時点で、もはや単なる時間つぶしでしかありません。
かつてこのような保守戦術で「牛歩戦術」が国会で展開されたのを、ご記憶の方もいらっしゃるでしょうが、本来中国・日本での戦国の命を張った時代の、真っ当な作戦だったものを、単なる責任回避の道具にまで貶めた国内政治家・議員の功罪は言うにきりがありません ね。
さて、むりくり話を歴史に持っていきましたが、国内に数多く在る城や史跡は地域自治体にとって重要な観光資源ですし、これから期待される外国人観光客の激増が見込まれる中では、 今の内から可能な限り準備強化を計りたいところです。
ただ行うにしても、予算はモチロン観光施設としての利便性と、歴史財産としての性格とのバランスを どう打ち出すかは、国より 地方自治体の方がより神経を使う部分ですよね。
先の名古屋城の例で言うと、史跡として天守閣は立派で申し分なさそうですが、エレベーターがあったり中身は実質鉄骨ベースのビルと同じだったり、熊本城や松山城のような、純粋な史跡建造物とは言えない側面があります。
大阪城も、この前訪れて思わず吹いてしまいましたが張りぼて城で、名古屋城と同じ 課題を負っていたんですよ。ただお堀などの敷地自体は残っているエリアだけでも広大で、それだけでも十分歴史価値を 残しています。
こうした観光効果と歴史価値とのバランスと言う課題を、常にはらむ城観光は海外観光客にはどのように映っているんでしょうか? 観光地に住む住民は、地元の価値とは別に様々な視点で、今こそ史跡財産の運用や価値を見直す大切な転換期ではないでしょうか。
武将はどこまで地域観光に貢献できるか?
今回は愛知・名古屋観光の、今後中核を成すであろう総力戦ともいえる一大イベントを例に、ガチで歴史観光 を切り ます。
以前こき下ろした(言い過ぎ)名鉄主体にの「昇竜道」や、名古屋の城木造化事業、愛知県の武将忍者コラボレーション企画 など、枚挙がありませんが、 伝統のイベント名古屋の「三英傑」と並ぶ柱イベントに 育てる勢いの ある、今回紹介のイベント。
歴史に詳しい人には閉口もの、どちらかというと、「歴史事実は、多少目をつぶって……」一般客向けのカジュアルなイベント。
ただ、ご当地の戦国名将 形振り構わぬ、オールスターキャスティングは、お祭り好きにはたまらないイベントでしょう。
城観光と産業の連携には、こういう事例もあります。
康くんロボ披露 浜松本拠の4社が製作
愛知県と名古屋市は、かねてから二重行政による公益の重複がみられますが、二重行政が続く自治体は、主役がぼけて予算効率が悪いばかりか、力関係が拮抗し過ぎてトラブルが増える。 東京以外は現実的に成立しにくいですが。
それでも手堅い大村さん、過激な河村さん。本来両人が中央に見切りをつけて、地元に戻って、できなかったことを実現するためにタッグを組んだはずです、だからこそお互いに利点を活かす地方再生は可能性が高まるし、方向性は同じなのだから、それぞれのキャラクターはとても大事な個性になっているのですね。
愛知県は名古屋市も他の市町村も含めて、余りに堅実に排他的に地場の文化産業を保持してきた結果、豊かな住まいう満足度をどの地域より高められたように思いますが、その分地域の魅力を創屈する積極性を、あえて抑えてきた点も否めません。
だからと言って地方創生に「歴史観光だ」と取って付けたパフォーマンスだけでは、長い目で見て一時的なお祭りで終わってしまいかねません。
しかしだからと言って、地域を盛り上げるという作業でコワイのは、やるべきタイミングを逸してしまうのが最もしてはいけない事でもあります。
それだけ地域を活性化させるには、新しい血を入れて人やお金の流れをとどまらせないようにするのが、もっとも大事なことですから、大村知事や河村市長のクリエイティビティにもう少し市民は耳を傾けてもいいと思っています。