くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

4年後目指して、急がれる地域の観光連合、実現の可能性は?

 

 リオデジャネイロ・オリンピック閉幕しました、数々の初ミラクルを見せてくれたり、結果から見れば日本はメダル獲得最大だそうで、閉会式でも無事新東京都知事にフラッグが渡され、次期東京オリンピックへ引き継がれました。
 国内では、その東京オリンピック開催に向けて好機ととらえて、地方創生の柱となる観光事業の強化が各地で進む中で、がぜん鼻息が荒いのは東京と京都などの既存観光メッカが相変わらずのようです。

   

 さて、筆者ようやくNHK大河ドラマで盛り上がる、話題である長野県の上田城をやっと見に行ったのですが、平日にも関わらずいまだにものすごい人で、NHK大河ドラマの記念館とかもあって結構見応えもありました。

 このようなTVメディアとタッグを組んで、大河放映中の一年間で知名度を上げようと街ぐるみで、盛り上げていてとても活気があって、本来もっとのどかな温泉や高原避暑地として、認識されていたであろう上田市は、歴史観光一色に染まっていました。

 

 上田市歴史観光地としての地域活性化は、とてもうまくいっているように見えます、オリンピックにしろTVや映画にしろ、こういったきっかけで観光事業が活性化するのは良く知られています。

 ただ、このままブームが去ると一気に客足が冷え込むのも、国内観光地の傾向でもあって、長い目で見ると必ずしも順調とは言えない場合も散見されます。

 

 あれだけ盛り上がる上田市でさえ、新興の観光化では冷え込むのは見えていますし、二の手・三の手とか、従来の主要の観光事業へのバトンタッチを進めて安定させられるかがカギです。

 この理屈はわかっている自治体は多いとは思いますが、実際には終わってみれば生かせなかった、なぜだろう? と後悔している自治体も少なくないのが実情で、この原因は、既得権益や本来向いていない事業に肩入れしすぎたり、さまざまあると思います。

 

 名古屋市でも、点としての観光・景勝地は多く持っていますが、その点と点をつなぐノウハウがうまくできていないようで、そのせで知名度がどうしても上がらないなどの課題がおおくあるようです。

 この流れは、そもそも地方で観光ノウハウを持っていない観光地がいかに多いかを示していますが、せっかく素晴らしい歴史的な史跡やユニークな慣習を持っているのに、盛り上げられないのはとても残念な話です。

 

 愛知県でも、歴史的に戦国時代の中心地であった経緯がきっかけになって歴史観光を極めようと、官民総出で取り組んでいますが、まずネックなのは地理的条件です。

 東京を起点とする日本の観光動線は北と西へ誘導されるようにはなっていると言われますが、その実効果が出ているのは始点の東京と終点の京都に集中して居ますので、そのため愛知のような途中の地域や、その動線から外れた地域は、たとえ人口が多く観光資源も豊富にそろっていても、その資源を活かすことが難しいのが現実です。

 

 やはり、何らかのブレイクスルーを考案するしかなさそうですが、一番合理的なのはテーマに特化した地域観光の連携です。

 一見連合を組むと、その強弱の差がネックになるとは思えますが、その組み合わせが、巨大なすごろくのような仕組みをもったものであれば、そのテーマにそって幾通りもの資源の併用が可能になりますので、後は各地域でのテーマの沿った店舗展開がしやすく、柔軟な観光地造りが可能になります。

 

 そのためには、海外から来る観光客にもひと目でわかるテーマを核にする必要がありますが、私達には幸いにもそのテーマが豊富に揃っていますよね、例えば戦国サムライ、ニンジャですか、聞いたところによるとフランスの名勝地「モン・サン・ミシェル」に侍の刀が土産に打っているとか。

 日本人の戦国歴史の認識と比べれば「そんなもの???」といった程度の認識しかないようですが、 何より幸いなのは海外からのバックパッカーからの、話題・つぶやきによって、日本の歴史文化慣習で思わぬ関心が持たれているのはとても幸運な状態と言えます。

 

 彼らは、日本人より文化財などのお墨付きを重視せず、日本に来た以上は象徴的な「日本らしさ」と言う実利を求める傾向があって、そういう意味では「漢字」なんかも象徴的な「アイコン」として捉えられています。

 ただ、可能な限り低コストで便利に移動できるというファクターがネックで、今の所主要幹線上のメジャー観光地に行かざるを得ないばあい、いかにさり気なく魅力を伝えるのは、なかなか難しいのかもしれません。

 

 今の政府は民主党政権時代の名残からの公共事業工事予算削減による、鉄道や道路拡張などがひところと比べて、非常に難しくなっているために、今からその改善に動くのは現実的な選択肢にありません。

 このインフラ強化が難しい以上、既存のインフラを工夫してスムーズな流れをつくるしかありませんが、そうなるとできるで出来る事は限界があります。

 

 そこで地域連携により、不得手な部分を補完する策が浮上するるのですが、連携を叫んでいるだけでは、烏合の衆に終わりかねませんので、専門家の力を頼ることになるわけです。

 今でも各地域で観光の専門家によるプロデュースを受けて活性化を図ろうとするシーンを見かけますし、それはそれで良いのですが、そう言った策をとっても、運営ノウハウを持たない自治体では、結果的に失敗に終わるリスクを享受しなければなりませんでした。

 

 そのリスクを出来る限り減らすには、連携によりリスクもメリットも分かち合う方法が可能なら、それに越したことはありませんので、観光テーマに沿った地域の交流会や懇親会を通して、たがいが持つ得意不得意をさらけ出し、ある意味全体的に弱い地域は、強い地域に文化的には吸収させられる可能性はあるにしろ、せっかくの財産を全く生かせない現状からは、脱出出来る可能性が出てきます。

 

 このためには、それぞれの特に弱みをどこまでさらけ出せるかが鍵になりますが、そこまでしなくても多くのメリットを生む要素が多くあるのは,容易に想像できるのでは無いでしょうか。

 逆に愛知県の様な既に独自で進めている地域は、一見出し損になると腰が引けると考える向きもありますが、連携によって観光客の動線を、今の画一的な直球から変化球へ変えられる大きなきっかけに出来る事は、この発想の最大のメリットです。

 

 もちろん、これを成功させるにはEUの事例を待つまでもなく、共同出資でバランスを取る事の困難さはありますが、個々よりまとまった資金が集まる事で、逆にアドバイザーを海外や国内における優秀な人材をバランス良く雇う事も可能で、より視野を広げて国内に留まらない海外市場への対策効果も期待できます。

 関西国際空港が民間に売却されたあと、欧州の優秀なアドバイザーを得て、収益をV字回復をなし遂げたのは、記憶に新しいところですが、この例を見るようにいかに先手を打って、民間のスペシャリストとの連携を図る事がいかに重要なことかが、手に取るように判る事例ではないでしょうか。

 

 今、まさに現代版の観光・産業での戦国時代を迎えていますが、ただ昔の戦国時代とは違って幸いなのは、普及した情報網によって、自治体ごとにバラバラに戦う意味が無くなっているという事です。

 

 このメリットは最大限利用しない手は無いのでは無いでしょうか。

 狭い国土の中では、一見過当競争に陥りそうに見える観光ですが、そうでは無く、所詮世界の観光地の量から見れば、海外の観光客にとっては、日本単体で選択肢の一つに過ぎないのです。

 

 この視点に立つことが出来ていれば、小さな国土の陣取り合戦は健全なものではありません。

 既にオリンピック終了でさいは投げられています、少しでも早く連携して日本の観光をブランド化して、世界中のライバル観光国との戦いに準備しなくてはならないのではないでしょうか。

 

 観光客を効率よく対応するのには、ITが活躍するようになりましたが、下記のような仕組みで集客管理をサポートできるようになってきていたり、スマホを使って前売券で入場する客の本人認証を、瞬時に小型のセンサーやスキャナーで本人確認できるなど、おそらく東京オリンピックのチケット購入者の認証などに使われるんでしょうね。