震災での自動車産業・道路交通網のピンチはチャンスになる?
東北震災から6年、新たに九州中央で震災を加えて、交通網の確保がなかなか出来ずに、支援物資の運搬などの復興作業に支障をきたしていますが、今後の希望を見出すためにもインフラ整備を前向きに考えます。
今当に直面している九州中央部の地震が未だ連続している中でも、住民の今の生活を支えるべく、様々な方面からの支援が始まっているそうですが、東北震災時にも浮き彫りになった、支援物資のスムーズな搬入が困難な状況は、九州震災にも起こっているようです。
熊本地震、なぜサプライヤー寸断が再び起きた:
日経ビジネスオンライン
亡くなられている方もでていて、負傷されている方や無事な方々も雨風をしのいで、当に今をしのがなければならない姿は、東北震災の時にも目の当りにしています。
実際、過去の轍を踏まないように改善はされていても、実際はなかなか思うようにはかどらないようですが、日本の地形的な条件で山間部などがネックで、支援物資運搬車の通れない道路復旧を待つしかありませんので、どうしてもこの点をクリアするのは難問なためです。
余震過去最多、熊本地震 県内避難者18万人超
名古屋市は、太平洋戦争のさなか三河で起きた大地震や、終戦間際の空襲で焼け野原の絶望の中、逆転の発想で焼け野原ゆえ自由な区画整理ができ、道路を整理したことで、地場産業の自動車産業が発展した実績があります。
土木史研究 Vol. 11 (1991) P 327-333
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalhs1990/11/0/11_0_327/_article/-char/ja/
こう言った現状で、復旧の課題は地場の主幹産業・企業にもしわ寄せが来ていて、今では九州でも重要な産業となっている自動車産業のダメージを伝えるニュースが目立ちます。
とくに元々震災などのリスク分散のために九州に主幹工場を建設した、トヨタやホンダの工場が操業停止になるなど、地域住民は生活と仕事の確保の課題を抱えます。
今回の九州でも操業停止の被害を受けていますが、今後いかに地域が復興していくかは、一見重く悩ましいものではありますが、逆転の発想や再整備できるチャンスととらえられるかどうかで、モチベーションの持ちようが変わってっくるかもしれません。
トヨタ自動車や、自動車大手本田技研工業は大きな課題をかかえつつ、人口減少などのあおりで自動車販売数が減る中で、様々なカイゼンを計って生き残ってきました。
"どん底"のトヨタ社長を支えた、あるテストドライバーの「遺言」〜人を鍛え、クルマを鍛えよ トヨタ再生の物語
愛知製鋼、復旧2週間前倒し 来週にも試験生産
東京新聞:愛知製鋼が21日に生産再開 知多工場爆発事故から2カ月半:経済(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016031701001531.html
本田技研社長が語る「創業者神話はもういらない。時代に即したモノづくり」 本田技研工業 代表取締役社長執行役員 八郷隆弘 インタビュー
今は、それどころではありませんが、近い将来の復興される希望を持つのには、全てが絶望でなく一から根本的に創りなおすチャンスととらえられる日が早く来るよう、構想を進めておきたいものです。
交通網の応急処置が終わった際に、主幹都市間の物流網を整備する発想は有意義で、復興後の大型産業に使われる物資・製造された製品を最寄りの空港や港へ効率よく運搬できる動脈としての働きを兼用できるようになります。
かつて、ドイツのアウトバーンが造られるときの目的が、まさに自動車王国を想定した国内の動脈としての役割と、非常時の航空機発着賂としての目的を兼用すべく設計開発されたと言います。
この事例は、前提に軍国化を前提としていたところもあるので、全てを参考にはできませんが、こう言った合理化策はコストを圧縮する効果が期待できますから、大いに参考にしていいものです。
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<奈良公園>トラックだらけ 名古屋-大阪間割安ルートで (毎日新聞) Y!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160327-00000005-mai-soci
その他でも、現存する交通網をより合理化する考えも有効ですし、現実的で即効性があります。高速道路の料金体制の見直しや、緊急時にバイパスできる一般道との連携した道路網の計画は、より交通網の多様性を促進します。
整備された道路は、一般道より頑丈で緊急時の避難場所・避難経路として併用されますし、一般道も道の駅を連結する事で、より汎用性を高められます。
今のところ、これらの発想は絵に描いた餅で、今現在の問題を解決するものではありませんが、限りなく近い将来に復興時に役に立つ発想だと思います。
こうした発想は、災害経験者だからこそ親身に考えられることであり、その場所に住むからこそより良くしたい気持ちを期待できるものです。
絶望だけでは人の心は長続きしませんし、モチベーションを持ち続けるには、こうした将来の姿を描く創造力も必要です。
生きるには確かに食べものやお金などの支援が必要ですが、この部分は国内外から支援が進んでいますが、この支援の有効な導きはどこがするのでしょうか。
政府や自治体は、被災でその日暮らしで精いっぱいでいるこういうときこそ、住民の分まで俯瞰的な目を忘れず、地域をより良くするチャンスを逃さないように導いてほしいと思います。