豊田章男氏、魅せるミラクル経営はトヨタを原点に戻せたか?
ここ半年を見ますと自動車の販売台数からして、リーマン・ショックより低迷した景気によって、これまで売れていた軽自動車に変わって、普通車の売れ行きが回復する動きを見せています。
こうした面からも、少しづつでも景気対策の効果が浸透しているのかも知れません。
さてそんな中、先週ー今週の三連休に好評の内に閉幕した第19回名古屋モーターショーで、注目されるコンセプトカーが紹介されていましたが、中でも注目が集まっていたのは、トヨタ「S-FR」と言うスポーツタイプの車だったそうで、車好きには「ヨタ8」の再来に見えたでしょうし、若い世代にも「カワイイ遊び車」と映ったのでしょう。
多くの来場者から市販可の問い合わせが多かったそうな。
こういう状況を見るにつけ、トヨタ自動車は本当に変わったんだなぁ、としみじみ思います。
正直、筆者は地元であってもトヨタ車は嫌いで、車は何台も乗り継ぎましたが、AE86以外は乗った事がありませんでした。
理由は多く語りませんが、同じ気持ちの人は少なからず居たと思います。
しかし社長が現、豊田章男氏になって以来、明らかに経営体質にも「カイゼン」が施されたことで、販売される車もユーザー目線に立ってきたようです。
豊田章男社長の「カイゼン」は社風にも及び、トヨタイズムを単に製造システム・販売網だけにとどまらない、トップメーカーとしてのこだわりを随所に示して、今も様々なサプライズを連投しています。
明らかに風通しの良くなったトヨタ自動車は、かつて筆者が嫌いだった会社から、地元大好き人間の筆者が真に誇れる文字通りの大企業となったのは、余りに嬉しい誤算でした。
地元のヒーロー「イチロー」とタッグを組んで、東京モーターショーに現れたパフォーマンスは、素晴らしいの一言ですし、積極的に国内の新交通システムに開発から投資したり、AI開発のマーケティング拠点を米シリコンバレーに置くなど、ここ数年のトヨタ自動車の動きから目が話せなくなってます。かつての、ただ大きいだけで重々しいファット・カンパニーは、大企業病ダイエットに成功したかのように見えます。
豊田章男氏には、軽々としたフットワークで、これからも世界に向けて革新的な風穴を開けてくれると期待したいです。
豊田章男はなぜ顔の見える経営者になったか
「前に出る男」が体現するトヨタ創業家の本質
2015年11月14日