くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

都民ワースト!なぜ東京都が国内最悪の被害者になったのか?

日本のまちづくりを考える際に、東京都は常にお手本の中心に君臨していた絶対的日本の象徴として在るべきだと、東京都民でなくとも多くの国民がそう信じて疑わない時代が、戦後以来長く続いてきましたが、その一方でその奇跡的な成長に対して危機感を訴えてきた人も少なからずいたことは否定できません。

しかし、ここまで八方美人の都市は東京くらいでしょう、それくらい不自然に”何でも”揃っているという印象を持ってしまう程で、先進国どこの国でもそれほど才色兼備な都市は殆ど無いのではないでしょうか。

 

人口は最大で政治・経済・商業、皇居もありますし、何より企業の大半が本社を構える都市東京は、ポジティブに考えれば理想的な万能都市ですが、ここまで国を動かす機能がそろい過ぎているのは、都市機能・設計としてはあまりにリスクが大きい。

事実都内は既に交通網は超過密化しており、設備の老朽化も一気にピークを見変えていますし、コロナの感染リスクが飛びぬけて高いのも人口過密リスクからで、そして何より津波・河川氾濫や地震の危険性は、既に天文学的ともいえるレベルです。

 

もう誰もがその危うさは承知しているはずなのに、誰とも先にリスク分散を投げかけることを避けているかのようですが、それは最もで既に今更分散するには費用や労働力が足らなくて、手も足も出ないからでしょう。

まるで、いっそ大災害が起きたら国民総出で復興するくらいの、超投げやりの考えしか浮かんでこないほどで、いわゆる引っ込みがつかなくなっているようです。

 

あと何よりもどの年寄り、地価の高騰や企業・団体の利権を考えると、むしろ変えてもらっては都合が悪い人々が、都市経済を握っている以上、どうあっても価値を下げることなど、口にさえ出せなくさせている、という人災まがいの動機がまかり通っているのは、空恐ろしくさえ思えます。

おそらく、災害など最悪の事態で首都機能消失の際は、残された都市で機能分担できるようにはしてあるでしょうが、実際機能復帰は相当のタイムラグが発生し、近隣国が災害の影響がない場合、即侵略される結果は容易に見えています。

 

本来、せめて政治機能だけでも分散すべきなのでしょうが、天皇を京都から引っ張ってきた手前、それも恐れ多くてできないのかもしれませんが、その点は江戸時代の首都江戸の街は、御所を京都に置いて政治と行政がきれいに役割分担出来ていた点で、東京より優れた大都市だったと思うのですが、どうでしょう。

その江戸でさえ当時の家屋は木造で過密だったため、火災に大変弱い難点はありましたが、都市計画が優れていて区画や家屋配置を工夫したり、火をコントロールして延焼を食い止める策も決めてありました。

 

現代は、江戸時代の様に建物もつぶれたらすぐ再構築できるものではなくなっていますし、区画改良やインフラ整備も先に造ったものを避けざるを得ず、結果超複雑な構造になってコストも時間もかかってしまいます。

なにより、人口比率によってインフラ整備予算は比例して積み上げられるのが一般的なため、地方のインフラはおざなりにされやすくなってもいます。

 

日本の人口がどんどん減って、経済成長も悪化していく国内事情の中で、東京都の果たす役割は「日本のショーケース」から「最後の籠城都市」に変わっていく錯覚を、おぼえるのは筆者だけではないと思うのですが。

余力のあるうちに、政治機能とできれば経済機能を、可能な限り分散できるとまだ未来は安心感が増すのですが、そういった動きは露とも見えず、まるで目先の餌を追いかけるのに精いっぱいな、哀れな東京にしか見えないのは、かつての栄華を誇った東京を知っているからだけなのでしょうか。

 

コロナウイルスの被害が、ダントツにひどいのは誰もが当然と思っても、それが何によってもたらされたのかを、根本的に考え改善しようと言う声が聞こえてこないのは、異常とさえ感じてしまうのです。

筆者は東京都民では在りませんので、そこまでとやかく意見するのは正当かどうかは分かりませんが、感染対策でも他府県より評価に不評があったのは、単に政治や行政だけに責任があるだけではないような気がしてなりません。

 

他県から多くの人が移住して巨大な人口を成立させている特殊な事情で、地方都市の様に一枚岩になりにくい点は否めないでしょうが、それは今に始まったことでは無し、多くの思惑が複雑に絡んでいたとしても、それを理由に納得する都民は居ないでしょう。

これからの時代、人が移動したり大都市に居ないと不便と言う要素は、小さくなってくると言われる時代に、今までの様に過度に不動産に固執したり、連絡効率を重視する必要は無くなるだけに、価値基準の整理や見直しをもう始めるべきかもしれません。