くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

マスクさえ作れない国の現実と自給力

 今年拡大した歴史上でも類を見ない国難によって、私たちは大きな意識転換をせざるを得なくなったようです。

一つは生活必需品の自給率の見直しと、二つ目は新しい仕組みを短期に受け入れる覚悟ですが、今回は前者の自給率について考え、私たちはそれを実現するためにある程度の忍耐を強いられることになるかもしれません。

 

ウイルスが拡大し数か月後に、ようやく国産のマスクをシャープが増産し、低品質で政治利用された中華製のリスクから逃れることができる体制が取れるようになりました。

これまでカイゼンと高い技術力を武器に、世界の工場として柔軟に貢献してきた日本が、日本の危機を救う医療マスクさえ作れない現実には、焦燥し開いた口がふさがらない思いでした。 

 

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使い捨てマスク国産回帰、年産能力1億枚に引き上げる名古屋の企業とは|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 

 「まあ、遅れたけど、本気を出せばこんなものでしょ」

とうそぶくことはできますが、台湾のように国産マスクを即増産かすることができなかった時点で、日本が抱える深刻な問題がさらされてしまいました。

マスク、されどマスクで、実際にマスクを増産するのにこれだけの時間を擁してしまったのには、日本が長い間見て見ぬふりをしてきた、採るべきリスクを避けてきたことが大きな原因です。

 

マスクを例にとれば、その生産に必要な原料、製造機器、製造ノウハウその全てを日本は中国に丸投げしていました、その管理さえもしないまま。

これは日本国内の物価とコストのバランスを考えれば、低価格品の製造は無条件に人件費の安い中国だけにべったり依存し、万が一の際の準備や他国の製造ラインの選択肢をほぼ持たなかったことが問題でした。

 

この流れは、事前に想定できていましたし、一部ではそれは対策の声が出てはいましたが、コストアップを嫌い今の生活物価水準を手放したくないがために、誰一人としてこうなるまで対策を一切しませんでした。

中国共産党は、この弱点を利用し武器を使わずして貿易外交で、易々と他国より優位に立てる戦略を実行できたわけです。

 

 中国は、どんな製品でも世界最小のコストでどの要求にも易々と応え、世界の製品サプライヤーとしての一級品の仕事をやってのけているのです。

日本はこの立ち位置に並ぶことは、もうできなくなったと言われてはいますが、それにしても衣食住に不可欠な製品の自給率は確保できなければならないはずです。

 

今後、ビジネスのグローバル化において、中国共産党がとった戦略のようなリスクは、多くの国で見直されていくでしょうし、日本も例外ではあり得ないはずです。

日本は技術はあっても、その生かしたが下手だとよく言われますが、過去の食物自給率の極端な低さに見られた、コスパ最優先の生産システムを、政府・企業・国民すべてが省みて、物価に対する認識を再構築する段階に来ています。

 

私達の意識の中に、得意分野に胡坐をかいて不得手なことは単に丸投げする性癖の様なものは、大きく見直していく必要がありますが、きっと今回の災難での政府の理不尽な要求に耐えられた私達なら、政府への正当なカイゼン要求や、多少の物価高にも耐えて乗り越えられる気がします。

その実現には、私たち国民がまず政府に要求を丸投げすることを止め、企業に厳しく突き付けたクレームを、政府・行政にも積極的にクレームを出し、改善を求める行動を一般化させなくてはならないでしょう。

 

今回の災難により、私たちは政府が出来ることと政府さえ動かしがたい官庁が存在することを知ることができましたが、政府が脆弱になった今にあって、直接国民が踏み込めない行政人事に対し、働きかける行動が突破口を開くと期待したいです。

より具体的な要求は、正しい国の政治・行政の仕組みをネットで共有しながら、連携で圧力をかけていくスキルが不可欠であり、この実行如何によって自給力を含めた衣食住の安定供給を現実化するためにも、支え合わなければならないでしょう。