くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

国内・外でも最大級、テストコースの存在価値

平成も極まる時期に国内外自動車大手トヨタ自動車トップが、大きな人事発表をしました。 

 その意味を、地域をまたぐ経済活性化の観点から考えます。

toyokeizai.net

豊田章男社長、「デンソー取締役就任」のなぜ | 経営 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 そもそも、トヨタ自動車デンソーは親子会社の関係があり、デンソーその後独立企業として他業種へも業績を上げてきましたが、ここに来てこの人事発表は原点回帰か経営不振への懸念とも言われますが、もちろんそうではないでしょう。

 あくまで筆者個人見解ですが、世界規模で影響を与える巨大サプライヤーとなったデンソーの、海外に比べ疲弊化傾向の国内企業としての価値を、双方再確認しながら海外資本からの影響力を最小限にする経営体制を、引き締める意図が大きいのではないかと考えます。

 

本来別企業への経営者介入は、ルノー日産の様なネガティブ要因が先走るのですが、このケースはむしろ日本企業の優位性を堅固にする意図が大きいのではないでしょうか。

 その意味で、ほぼ同時に公開された下記の巨大設備の話題は、トヨタ自動車が日本企業としてより優位性を担保するにふさわしい設備になり得ます。

 

autoprove.net

トヨタ 愛知県にニュルブルクリンク「テクニカルセンター・シモヤマ」開設 | オートプルーブ - Auto Prove

 

 これも筆者の憶測ですが、このテストコースの持つ意味は、単にトヨタ自動車だけが優位に立つためだけでなく、同業企業にとっても共有による優位性や、国内インフラなどの研究開発にも大きく貢献できる伸び代を持っています。

この先トヨタ自動車がこの設備を、どの程度開示して行くかはこの先を待たなければなりませんが、同社は「ハイブリッド技術パテント開示」など業界全体の活性化や、「交通システム事象実験主導」の生活基盤に関わる交通インフラ開発にまで積極的に貢献しており、この施設もその延長線上にあるように思えるのです。

 

この巨大企業は、その潤沢なる資本力によって自動車企業としてだけでなく、世界大手が狙う「次世代交通システム」市場をも、唯一国内企業で狙える日本でも稀有な冠企業として、その期待は日本産業そのものを象徴する立場にあります。

それゆえ、根幹的な役割をになうトヨタ自動車とそれを支えたデンソーの企業タッグは、是が非にも海外企業に侵食されてはならないし、世界市場への日本企業存続その象徴として、国内の他企業からも評価され、大いに後に続いてほしいものです。

 

 

余談ですが、同じトヨタとの深い関係を築いてきた大手アイシン精機も同じ立ち位置として注目すべきですが、一部情報では中国企業としての関連合弁会社について、中国に近づく同社を、アメリカ政府は要監視企業としてリストアップされているとの話もあり、このケースに限らずアメリカ市場との健全な関係維持には、中国市場との悩ましいジレンマや駆け引きも係るので、奥が深いですがその意味でも両者の連携は、注目していきたいですね。