くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

自動運転技術の標準化で見える、壮大で不可欠な姿勢

少し前にWBSで放映された、中国の大型ビルマンション工事が長期に放置されているニュースは、一時の中国繁栄の勢いに水を挿すように映りました。

多くの識者の見方が、社会主義国の利点と巨大な人材を武器にした中国の、トライアンドエラーでリスクを度外視して爆進できた優位性を、疑問視側に傾いたことの示唆かもしれません。

 

それでも、中国はひるむことなくトライアンドエラーを繰り返しながら、世界の技術力や経済力に負けない近未来を目指しており、この自動運転システムを核にした管理社会・都市の実現を2035年を念頭に実行しています。

これを自転車操業とみるか、壮大な未来への挑戦と見るかは、今しばらく経緯をまたなくてはならないと共に、一つの未来創造への道としての選択肢を私たちは考えなくてはなりません。

 

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中国のハイテク都市「雄安」は何がスゴいのか | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

なにより説得力があるのは、この実行ありきの姿勢はかつてどの国でもなし得なかった事実と、その話題に対しての経済効果は、世界トップのアメリカでも脅威になるレベルであり、これからの歴史を塗り替えるほどの凄みがあります。

大方の識者は、長続きしない暴走と捉えていてかつての大日本帝国のそれとさほど違わないと見ているようですが、かれらは決して反乱をおこしているわけではないので、中国を仮想敵国に仕立て上げるにはやや無理があるなど、欧米のお決まりストーリーの仕立てにはまらない展開は、ある意味東洋国として小気味良い面も無くはないです。

 

その分、西洋化された先進国にとっては馴染み難い(認め難い?)面は、経済国家としていかにしてWinWinの関係に持ち込むかで、試行錯誤や少なくないリスクを取らざるをえないのも悩ましいものです。

ここで私たちが注意しておきたいのは、単にアメリカの貿易・知財での中国攻撃に加担するだけでは日本の立場を危うくするだけで、よりバランスのとれた社会主義国との関係の見直しと経済・技術協力を模索していかなければならないという現実でしょう。

 

別の側面でみれば、素直に近未来都市を具現化して見せてくれている中国の行動を評価すべきでしょうし、日本も思考段階をそろそろ卒業し、国内全土での具体的な行動を世界に示して、モデル地区の印象を強める戦略は急務とも言えます。

私たち日本の産業は、これまであまりにも技術力向上のみに偏ってきたことに、その実現の限界を感じてきています。

 

こうした多くの人の生活を巻き込んだグローバル視点での課題処理能力は、日本の職人的才能だけでは実行できない、ある意味不得意分野と言えるでしょう。

一子相伝的な閉鎖性と特定な技術向上に特化した日本の進化ノウハウは、同業者の協業や同じ課題にコミュニケーション力で取り組んでいくという、ネットワーク社会においては欠くことのでいない絶対条件を満たせずにいます。

 

そもそも日本の親玉であるアメリカ合衆国は、一般の定義上では「国家」として扱われますが、歴史的経緯から見てその本質は国ではなく「巨大カンパニー」としての存在力のほうが圧倒的に大きい、極めて特殊な国です。

その前例からしても、その対抗馬に躍り出た中国の方針は理にかなっているとも見れるわけで、日本は対処的な視点とは異なった国家づくりのマネージメントスキルを高めていかなければならないでしょう。

 

そのための人材育成にはまだまだ不足といって過言でなく、今の日本において教育と開発姿勢ににたいして、アメリカへの見方を変え、中国の姿勢に素直に行動できる広い視野が求められていると考えます。

その上で、今後日本の選択肢として世界規模視点で国そのもが企業体化し、オールジャパン・カンパニーとしての実行力は、とても魅力的で有益な選択になり得るのではないでしょうか。