くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

「忖度文化」が利害につながる独特の社会

 精神論で問題解決ができるとは筆者は思っていませんが、話題の「忖度」が空気のように存在する我々日本人の性質は、今年も多くの問題解決に現れる精神論になるでしょう。

政界利権が絡む森友学園問題や、レスリング界のパワハラ疑惑、至ってはいじめ問題の裏には、空気を読まなければ生きられないという精神が根強く残っていて、日本人にはあまりに当たり前のために、問題解決の障害になる深刻さを目の当たりにしています

 

www.bloomberg.co.jp

安倍首相:「私も妻も関わっていない」-森友学園への国有地売却 - Bloomberg

 

これ以上は、なにかと政治臭が強くなるので踏み込みませんが、日本独特の本来すぐれているはずの慣習が歪みを生み出す背景には、このブログのテーマである街づくりに影を落としているので取り上げたのですが、何が問題なのかを考えて見たいと思います。

 今回はシャッター街化する地方の商店街を例にあげて、忖度文化に隠れた私たちにある依存する心理がハードルとなっていることを忘れてはなりません。

 

荒んだ風景が目立つことで、高齢化する住民の意識にも大いにマイナスになたらいている今は、私たち日本人の傾向としてある「依存性」に大きな原因があると思われますが、「政治と忖度」で話題になった忖度依存のメリットは無くなっていて、リスクをとった自発的な活動が求められる時代にはそぐわないものです。

では、依存から自発への転換が必要な時代に、一番必要なものは何でしょうか? それは若い世代の活躍ではなく、今主導権を握る高齢者世代の意識変化へのウェイトがとても大きく、若者の変革の力を上回るほどの影響力の方が深刻だったりします。

 

実は地域の街づくりには、人口比率の変形によって依存と改革のバランスが、変化しないことによって起こる問題を抱えていて、さらに若い力が生かされない現状が表面化しないのは、悪しき忖度問題より深刻なことです。

景気を上げてきた時代に生きてきた世代の、隠居による下の世代の生活水準の利食いと、それ以上の地域活性化を求める空気が、次の世代に課せられている現実を彼らはちゃんと知っていて、ネガティブな動きになっています。

 

それを解決していくには何が必要なのか、地域の街づくりには根っこにある依存性から自発性への転換がカギとなっていて、特に政治への依存が招いたさまざまな歪みを整理して、自発的に街づくりの考え方そのものを変えていかなければなりません。

その課題を踏まえた日本全体の街づくり、追い風になったのは東京オリンピックであり、それに連動したインバウンド観光客の増加なのですが、ここで私たちが間違えてはいけないのは東京への集中化の流れが、その逆をすすむ流れでであることです。

 

www.atpress.ne.jp

世界へ知られる岐阜へ。日本一の問屋街・復興プロジェクト TonyaEXPO~gifu&take~ 第1弾・世界の陣を2月10日~11日に開催!|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】

www.sakigake.jp

社説:東京一極集中 地方創生は置き去りか|秋田魁新報電子版

 

これは、上にあげた世代の利食いを助長する流れであって、次世代の将来性にマイナスになりかねない流れだと思いますが、この利食いは地方の同世代には全く届いていない都市部限定の特別な条件です。

街づくりの大基には、東京の高機能化や国際化に偏りすぎた政策があると言わざるをえませんが、その是正は政治の専門家がやることで、私たちにできるのは確実にその現実の依存から離れることと、少しづつリスクを負って自発的に何が出来るかを、身をもって表すということでしょう。

 

時代の流れで仕方がないという見方は、あくまで過去時代を作り上げた世代の見方であって、これから日本に生活する人々においては、なんの役にもたたないことですが、一時代を築いた昭和時代の地域活性化を今後どのように引き継いでいくかに、とても関心が高まるのは未来にとって有益なことです。

現実的に、昭和生まれの人工比率が圧倒的な現在において昭和の風情は、リニューアルされ日本の原風景のモデルとして見直されていますが、人材不足の中でコスパの高いまちおこしの試みが、活発になりつつあるのは良い傾向でしょう。

 

toyokeizai.net

「川越」が活性化のため投入した起爆剤の正体 | 街・住まい | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

その活動のきっかけになり原動力となっているのは、海外からの訪問者が増大している「インバウンド」対策 での需要増大ですが、地域の予算規模に関係なく変えていかなくてはならない現実に押されたケースが、多いように思えます。

必然性に押されたのがきっかけとは言え、前向きに捉えられだした観光を軸にした街おこしは、準備をしてきた地域ではより具体化する段階に入っているようです。

 

ただ、未だに若い人材不足でその対策から始めないといけない地域においては、これからの話にとどまっていますが、これはこれで海外からの個人観光者が日本の原風景を求めて、日本人が見飽きた風景の残る地方へと向かっているのは、救いかもしれません。

かねてからNHKの朝ドラで試みられてきた、地域にフォーカスした街の魅力づくりの影響を期待してきた、地域の街おこしスタイルを一歩前進させて、地域自らが企画して自発的な街おこしが、これからの地域の未来を左右するだけに、今からでも遅くはないので小さいながらも街の魅力を見直して、新しいタネを巻く動きを継続してほしいと思います。

 

その担い手が若者であっても高齢者であっても、その熱意は変わるものではありませんから、誰かが動くのを待つのではなく、少しづつでも自発的に出来ることから始めることが重要であるという意識を継続することです。

高齢者しか居ない地域でもその現実を受け止め、その中でどう変えていくかをこうした変化の中に、自分の地域らしさを発見する創造的な活動を真剣に考えてほしいですし、決して若者だけの特権ではないといことに早く気づいて、前向きな街づくりに生かすのは、年齢に関係なく全ての人の生き方を変えてくれる大切なヒントです。