くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

産業改革・電力問題どうするの? わずか10年先の未来

 大きく変わろうとしている、私たちの生活上欠かせない移動手段である、自動車業界について、つい数年前まではドイツ日本アメリカの3大自動車生産輸出国が、当然のように、規模を拡大していた時代はすでに過去のものとして、中国やインドなど新興国を巻き込んで、再編成が加速し自動車そのものが変わろうとしています。

 自動車は私たちの生活に不可欠なだけでなく、さまざまな業種で活用されており、その変化を見通すことはとても重要なものですが、下の記事はその流れや問題点を上手にまとめています。

 

トヨタとマツダが資本提携に踏み切った「やむに止まれぬ事情」(町田 徹) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

gendai.ismedia.jp

 

  こうした自動車にまつわる課題は、当筆者のブログでも数多く取り上げていて、自動車産業が主軸の東海地方の関心事として提案もあげていますが、今回のトヨタマツダ資本提携強化でもお分かりの通り、世界の業界トレンドが電気自動車へと強制転換する流れで、かつてのトップ3国は一気に引き摺り下ろされようとしているという事実です。

 

 しかし上記事は指摘しているように、性急な電気自動車へのシフトの動きは、同時に急激な電気需要の増大と、そのインフラ整備の課題に目をつぶった動きであり、エネルギー需要の解消という世界共通の課題をもたらしています。

 

 日本はこの課題に対し、ようやく原子力発電を整理しだした状態で、国策的には全くこの課題解決の動きを持ててさえいない状態で、電気自動車へのシフトはおそらく10年スパン程度では、実現不可能かと思われます。

 

 その間に世界の電気自動車シェアがどの程度になるかは、実例が無いので不透明ですが、明らかに先進国に比べて中国やインドなどの途上国の方が、国策でインフラ整備が進めやすい分有利に進め易いことから、IoT企業の目論見通り自動運転ベースの電気自動車産業が主力化すれば、日本は一気に遅れを取ることになります。

 

 この流れの実現性は、事例が無いだけに一見低く見られがちですが、少なくとも日本の自動車産業には既存の国内で解決しないといけない、技術力や派生産業ノウハウの転用や裾野産業化している雇用の仕組みも含めた改革が残されていて、人口減少しているとは言え、解決の目途をつけるには国の行政改革や、転用技術の具体化などにそれなりに時間を要する分、変化はゆるいほうが有利ですが、果たしてそれまで待ってくれるのでしょうか?

 

 紹介した記事の当面の課題もさることながら、それを超えると同時に既に始まっている、エネルギー問題と国内雇用再編成の課題は、今後2次産業への関心が下がっていくこれからの時代において、大きな落とし穴が待ち受けていることを、国や企業はしっかり見据えて一歩一歩でも着実に結果を出していく必要がある、ということです。

 

 そのためにも、従来のタテのつながりを今すぐ断って、官民連携のヨコのつながりを強めた、オールジャパン化の動きを世界にアピールすることは、丁度東京オリンピックのタイミングともマッチしており、世界における小国のブランド性を植え付ける、絶好のチャンスでもあるんですけれど。

 

 果たしてこの10年のうちに、私たちはどれだけの成果を示せるのでしょうか。