ご当地キャラはつらいよ、「乙きゃら」華々しくも縁の下の力持ちたち
阿蘇にまた余震が起きて、くまモンも復帰どころではないですね、こういったマスコット・キャラクターは子供から大人まで、フレンドリーにイメージを伝えやすい筆者も大好きなものですが、今回は頑張るイメージリーダーの現状に触れます。
地域を盛り上げる方法はいくつかありますが、やっぱりわかりやすくて親しみも持ちやすいのは「ゆるキャラ」や「ご当地アイドル」ですけど、これがなかなか大変な世界だと言われています。
「ゆるキャラ」ブームもひところと比べ、作ればイケイケどんどんなアピール度も収まってきて、単にゆるキャラ作ればイメージアップというわけにいかなくなってますが、その分イメージキャラクターの役割が小さくなっているかと言えば、これが見る側の見方が慢性化した分より効果的な使い方をしないと、せっかく住民を巻き込んで作ったシンボルが台無しになる。
さらに現実的な話、中には人が入っていて、普通の俳優さんより過酷な労働? 条件になやまされるという話も聞くし、あのくまモンなんかあまりの人気で中の人ひとりじゃとても回らないだろう、って……心配になる。
ちなみに野球ファンならおなじみの「球団マスコット」これも地域・球団イメージアップに無くてはならないアイテムだが、例えば筆者地元の愛知では中日ドラゴンズの「ドアラ」がいる。
このドアらマニアさんに言わせると3代目だそうで、よく見ると微妙にデザインが変わっているらしいのですが、中身の人は変わっていないのだとか。
さすがに球場の晴れ舞台で、派手なバク転決めて目立ちに目立っているので、ちょっとした一挙一動をファンのみんなは許さないから、中が変わると判るらしい。
しかしあれだけの動きをしたら、中はサウナ状態だろうし、相当過酷な仕事だと思うし、人気のキャラは「ふなっしー」みたいに高額キャラも狙えるかもしれないけど、大半のマスコットは、全うに食っていけるほどの収入もらってないのだと思います。
こういった、民間のキャラでもこうなのだから、自治体で運営するご当地キャラは、推して知るべしで、ほとんどボランティアの住民さんか、市町村役場の職員とかが兼業で扮しているなんてのも少なからずなのは、察しがつきます。
岐阜市のなかで、柳ケ瀬限定の非公式キャラが一世を風靡しました「やなな」という女性アイドル風のゆる?キャラでしたが、結構お金かかってなさそうでしたが、素顔を絶対見せない秘密を持っているところがアイドル神秘性とダブって、ある意味ゆるキャラでは異色で好きでした。
人気がありましたが、任期が切れて継続はされませんでしたが、あの試みは画期的だったように覚えています。たしか彼女も100%ノーギャラだったはずです。
その後くらいから正統派ゆるキャラだけじゃなく、邪道派というか愛されるだけじゃない敢えて嫌われるキャラが、ラインナップされてゆるキャラ観光戦略も、より幅広くより複雑になっていきました。
これだけの努力をしてでも、継続する価値があるのか? と言ってしまえばそれまででしょうが、お金や効果だけでは出ない地域への思い入れやリアルに貢献しているという思いで、中の人は日夜頑張っていると思うと、ここは光を当てずにはいられません。
もうひとつ「ゆるキャラ」と同様に、観光客をのハートをわしづかみにしているのは「ご当地アイドル」ですね。
愛知県で「ニンジャ」名古屋じゃ「武将隊」、この地域は何度も紹介している通り、戦国時代の歴史がウリなので、結構積極的に一般採用方式で、はじめは一般人の雇用創出でイケメンさんを募集したのがきっかけでした。
その後入れ替わりをするうちに公募で俳優さんを充てて、イケメンブームの走りも手伝い、歌って踊れるショー形式のイベントが、史跡観光の興味のある女子観光者のニーズに合って、あらたな観光イメージアップに成功しました。
名古屋のおもてなし武将隊の織田信長と加藤清正が今年春に交代しましたが、愛知県観光の応援部隊である、徳川家康と忍者隊のニンジャも公募が春にあって、晴れてかねてよりニンジャにあこがれていた、ブラジルの青年がその熱意で採用を獲得されました。
彼は、決して潤沢ではない給与ですが愛知県の公務員として雇用され、大変なマイノリティではありますが、外国人雇用の一つの可能性を見せた、興味深い事例でしょう。
地元でも、トヨタや機械産業の下請け工場で大量に期間工として雇用された、外国人が多く、家族も一緒に住んでいますが、こうした演芸分野での採用は画期的なのではないでしょうか。
彼は、ニンジャへのあこがれがある限り、慣れないこの地で使命を果たしてくれるでしょうが、やはり楽な仕事ではないでしょうから、先にも挙げたゆるキャラや、ご当地アイドルと同様に、地域創生に対するモチベーションがすべてのお仕事です。
今では、全国戦国武将キャラとのタイアップや出張イベントで盛り上がるなど、面目躍如の快進撃です。
こういった、アイデアを地域同士出し合って切磋琢磨できるのは、本来の地方創生の方向性には合っているのではないでしょうか。
東京の自治体や政府が主導ではなく、町を自主的におこそうとうと奔走する地元愛あふれる「ゆるキャラ」「ご当地アイドル」の本気な姿は、観光に訪れる訪問客だけでなく、地域に住む地元民の心も一つにする何にも代えがたい、大きな町おこし効果が起きているからこそ、今までもそしてこれからも、親しまれてほしいです。