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くろま流 × NAGOYA式 ブログ

名古屋在住者の視点から地域産業・観光を通した活躍を応援。

人口減による国内少子化対策を考える。「なも研7」 :二部作の①

 

 今回のなもなも研究所「なも研」は、日本経済・景気をうらなうのにとっても大切な、少子化対策のあれこれを考えます。

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 国内の人口減少が以前からも分かっていたにもかかわらず、数十年にわたって人口増加や、バランスを考えた雇用対策が消極的だったことが、ここにきて十年来景気の予想通りにはいかない低成長ぶりに、政府は目先の対策に走らざるを得ません。

 

 低成長ながら、一見このデフレを乗り切っているように見える景気は、皆さんがすでにお感じのように何か潤っているようには感じられない、という全うな感覚に反映さえている通り、それはある意味超崖っぷち日本の危機意識を持っても、言い過ぎではない状況なのかもしれません。

 

 この不思議な景気感覚は、比率としてはじりじりと減りつつある、かつての安定所得を享受する中間所得層が、景気統計の主流をなしているため、実際の全所得層のそれとはギャップがあるからだと考えられます。

 この見方を穿って考えると、全体としての景気は決して良いものではない事を、私たちは直視していくことから始めないと、本来の景気回復はかなわないような気がするのですが、いかがでしょうか。

 

 今の景気につながる流れは、1960年代のベビ―ブーム世代の若い爆発的な動きによって始まり、日本の景気や大きく社会を変えて来増したが、そのさらに子世代は今その動きを変えようとする起爆剤になっているようです。
NOを突きつけた若者の今

 何度かのベビーブームを経て一億数千万人を達成して以来、それを下回るじきが20年以上続く日本。
 今後の人口推移統計で、2060年には8600万人まで減少すると予測されているようで、日本の将来推計人口は現在から2050年には、

高齢者(65歳以上)3395万から3767万人
働く世代(15~64歳)は、7681万人から5001万人
(2012年、国立社会保障・人口問題研究所)

 昨年安倍政権は、子育て支援政策として希望出生率1,8%実現を掲げて、子どもの個性を伸ばす教育再生を目標提案するなど国内人材目減りによる国民への危機感を緩和するために、満を持して1億維持を戦後はじめて発表しました。

 たとえば子育ての処方箋としての、個人の自由へメスを入れる、超少子化を徹底検証
時代背景
合計特殊出産率でみると、

 

1947年第一次ベビーブーム(団塊世代)で4.32倍、

60年、70年は2倍で横ばい、その時期は人口抑制へ動く。

 

 第二次ベビーブーム(71~74年ピーク)で、その後徐々に下がり、1989年には、1,57ショックと呼ばれる超低出生率を記録することになります。

 この背景にはさまざま原因はありますが、女性社会進出で子育てと仕事の両立が困難になったり、生活に子どもを考慮しない者が増加傾向にあるのもその一つ、さらに抜本的な対策を取らない政府も大きな要因だったように思います。

 

 1992年ウエルカムベイビー政策を打ち出しますが、その後予算増えず出生率も低下、しかし世間の流れは好景気が継続している意識が高い割に経済格差の広がり・企業の海外進出や中小企業の経営悪化がつづいており、実際の景気はその思いを他所に低迷していたためか、多くの人が期待した第三次ベビーブームは起きませんでした。


 今では誰でも自覚している、経済悪化傾向で非正規雇用増加、共働きや結婚しない若者の問題は、惰性で続いた好景気の継続感も手伝って、問題化されてこなかったのがその対策に遅れが生じた原因とも言われます。

 出生率は2005年1.26まで低下し、当時の政府はやっと予算増加、その効果で多少増加するも期待値を下回り1,42にとどまっています。

 巷でも当時言われたゆとり世代・草食化する男子などのキーワードが顕著だった時期の、30代前半の未婚率男子47、3%女子34,5%に達したことが、負のイメージにつながったのかもしれませんが、2000年から2014年までで、1.5を上下するにとどまっていたようです。(人口動向統計、厚生労働省2015年)


 こうした少子化が進んだ理由として、世間が人の結婚・子作りにあれこれ言わなくなるなど周りからのプレッシャーの減少という社会的な風潮の変化や、仕事をやめなければ出産・子育てがままならない企業風土。

 核家族化で子育てに想定を上回る資金負担がのしかかるようになったり、好景気感覚が恋愛対象は高額収入男子のみ(300万年収以下では論外)など実質経済と釣り合わない歪んだ結婚観を生んだ事も一つ。


 周りからは生んでほしいと期待される一方で、若者に広がる 不安や古い慣習そのままの社会・経済的抑圧も重なるなど、実際は8割以上は結婚を希望しているにもかかわらず、現実は40%にとどまっています。

 大学までの教育費、生活費の重荷に2人以降の出産に躊躇する夫婦が多かったり、結果景気上昇の起爆剤として期待した第三次ベビーブームが来なかったことや、子どもを増やしたら報いるメリット感が目減りして、むしろ結婚するリスクの方が大きいという認識が、根付いてしまいました。

 

 昨年4月からこども子育て支援新制度(待機児童削減・3人以上子持ち世帯負担軽減)や、今年4月から親世代からの支援促進(3世代同居へ住宅改修費控除・結婚出産費一括贈与、対象拡大1000万円まで非課税)さらに、児童・家族関係給付費も2013年度では5,5兆円と増額し、現政府は具体的な対策を打ち出しました。

 しかし参院選の宣伝対策だと揶揄される向きもあるなど、今のところ私たちにはその意気込みや期待感が伝わってこないのも、まだまだ本格的に本腰を入れていないとの感覚から逃れられずに、一歩足を踏み出せないのが実情のようです。

 

 他国と出生率関連統計を比較すると、GDP比で半分、3分の一のケースもあるようで、GDPとのバランスの悪さが特徴のようです。
 フランスでは、1990年代半ばに、1.66が最低を記録後、大胆な対策を講じた
2010年の15年程で1980年代以前の水準以上の2.02まで向上させたそうで、政府の対策は見事成功しています。

 

 その成功例の制度をみてみると、徹底的なお金の支援を掲げており、出産手当に始まり3歳迄基礎手当、9月に貰える新学期手当で2人目だと家族手当追加。

 子ども二十歳までの減税含め手当は、1人で600万円、2人では1900万円、3人で3900万円と、フランスが子を増やすのに積極的な国だとわかります。


 今の日本の税収面などの制度は、子どもを持たない人には不公平で、だからと言って個人に責任を持てと若者に押し付けるのはおかしな話ですし、人口比率の高い団塊世代を中心とする高齢者層が、福利厚生の面で若者層への分配を減らしていて、負担も大きくなっています。


 中長期的な国民の意向を反映させているとは言いますが、実際は1990年から29兆円だった高齢者関係の社会保障給付費(児童の医療費除く)の推移は急激に増加していて、2013年までに75兆円まで膨らむ(社会保障費用統計)(国立社会保障・人口問題研究所2013を基にNHK作成)

 高齢者関係の75兆6千億円に比べ、児童・家族手当は数兆円レベルで殆ど増加していない(2013年で5,48兆円)とバランスの悪いのが実情なのは、驚くばかりですが、これに対し2015年11月に「第1子に1000万円支給」といった現金給付が提案され、50万人が増えると見込んだようです。

 ただ、これはいわゆるバラマキでうんざりする人も多いと思いますが、即効性を認める意見もあって、意見の分かれるところ。

 国内の子だくさんの町、26年速報値で合計特殊出生率2.81を実現した人口6千余りの町、岡山県奈義町の事例。
 2年前60人のこども誕生、2005年には1.41まで低下したものの、2013年急上昇して2.81達成したそうです。
 秘訣は、子育て世代の徹底したリサーチとサポート。
 保育料割引保育料・幼稚園授業料(所得制限無)子ども2人目半額、3人目以降無料

 医療費無料:子ども高校卒業まで町負担、予防接種全額無料(ロタ・B型肝炎ワクチン・流行性耳下線炎など)おたふく・水疱瘡も全額補助。一部助成(インフルエンザ)
 住まいも、40歳未満夫婦3LDK家賃5万円/月、3割安
 子育てへの精神的サポート、子育て支援センター(利用無料年齢制限無)アドバイザーが常駐と子どもとママの寄り合う場所に。

 その他雇用促進、不妊・不育治療費助成など。

 

 これだけの補助をそろえたのは他に類を見ないもので、この街の強みですね。
おかげで3人でもいいかな、という安心の雰囲気が生まれたと言いますが、この空気が国内にないのが、大きいです。 
 同町では、世帯の半数が3人以上子持ちが占める5人子持ち世帯もいて、自治体は通常2倍の8700万円かかる予算を、徹底した経費削減でねん出していると言う。

 役場の職員数は、同規模自治体比較で20人ほど少なく、平均給与も30万円下回る同規模とは6万円の差がある。
 公共事業には高齢者町民ボランティア参加で人件費削減などの努力した結果との事。

 どこでも実施している、施策を幅広く実施
結婚、出産、子育て支援を地道に行う自治体が勝つ
財源は、合併をぜず、福祉節減の対象から外し、ムードヅくりに成功した事例は大いに参考になりますが、本来政府が実施すべきことで、この温度差はとても受け入れがたいものですね。

 ここ定着しつつあるイクメンブームで意識は高くなっているが、現実は効果が出ていないです。
 お金以外にも課題が、夫の家事・育児時間別、第2子以降出生状況では、
出生率は、無し:9,8%、2時間未満:30%、4時間未満:67%、
6時間未満:76%、6時間以上で84.5%
(21世紀成年者縦断調査、厚生労働省2015年)

 夫の1日の家事・育児時間
日本:67分、英米独スエ:軒並み150~201分と歴然(少子化社会対策白書 内閣府2015年)

 男性の育児休業取得率
日本:2.3%(2020年までに13%目標)、イギリス12%、ドイツ28%、スエーデン88%

(21世紀成年者縦断調査、厚生労働省2015年)(今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会・資料、厚生労働省2015年を基に作成※各国事の制度が異なる為、厳密に比較できません)

 育児休暇取得する空気が全く無い、利用できない企業体質(一種の搾取)
重要な地位の大人は、育児経験が無く感覚がつかめていない、高度成長期に育児に関われなかった父親は不幸だったと言う空気に変われば意識も変わるかも。
 超長時間労働の禁止、インターバル規制(勤務終了から次の勤務までの休息時間の保障)で労働時間の削減効果として、マイナーチェンジにもなります。
 これは、休暇しても給料保障されるスエーデンだからできることではあるかもしれません。

 人口回復は、本気で考えるには何が求められるのか? 育児は社会で育てる意識、日本全体の問題との意識をもっと高める教育や報道をすべきでしょう。
 フランスの家族政策・強化であって、日本では少子化というマイナスイメージが強いのは、政府・企業がしてきたもので、改善責任はかせられるべきでしょう。
 専門の省庁をおいて、有力政治家・敏腕政策者を措くべきとの意見も出てきてしかるべきです。
 過去の慣習に引きずられた男女の役割分担意識の障壁の見直しは基より、住民全体で本気度が試される先送りできない問題だけに、待ったなしのこの問題を将来の日本の向上のために共有していきたいですね。