くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

負の遺産では決して無い。四日市公害で学ぶ資料電子化保存へ

 

 三重県四日市市は、昭和の頃から日本でも屈指の工業地帯として、学校の教科書にも近代の社会・歴史で学んだと思いますが、三重県と言っても名古屋市から、車で50分程の近くにある、伊勢湾岸工業地域のひとつです。

(*´▽`*)/ビジュルで楽しみたい方はコチラに用意してます。

http://nagoyaegane.hatenablog.jp/entry/2016/02/28/221701

 ぜひ、合わせてどうぞ。

 みなさんも習われた通り、1960年から1972年頃に集中した、コンビナート工場群の工場から排出される薬品や、煙突から排出される化学物質で、大気や海水汚染が原因で、いわゆる「四日市ぜんそく」などの公害による訴訟が問題になりましたね。

四日市再生「公害市民塾」 四日市公害を忘れない

http://yokkaichi-kougai.www2.jp/

四日市公害と環境未来館 公式サイト|四日市市環境部環境保全課


 訴訟は法的には企業側敗訴ではありましたが、被害者は重度の病気や重い後遺症に苦しんでいます。こう言った「公害」は、他にも同時代1910年代から1970年代前半に富山県神通川流域や、1956年熊本県水俣湾、1964年新潟県阿賀野川流域でも起ったいわゆる「四大公害病」は一般的に知られています。
 もちろん、ほぼ同時期に高度成長に乗って日本の二次産業の発展で、光化学スモッグ、砒素公害、硫黄酸化物六価クロム被害、自動車排気ガスの大気汚染の被害が全国の工業地帯で問題になりましたし、最近では原子力発電所爆発事故による放射能汚染と、人は忘れたように自分自身を傷つけてきました。

 

 このような人害は二度と起こしてはなりませんが、これからも繰り返さないように、その記憶を後世に残す事は、戦争の記録を残すのと同じくらい価値のある事です。


 今、四日市の公害については、現存資料の電子化を進めているそうです。 

 四日市公害と環境未来館の岡田良浩副館長は、
「貴重な資料を半永久的に保存することで、公害の教訓をきちんと後世に伝えたい」と話しています。

www3.nhk.or.jp

 こうした動きは、望ましい事です。

 今、海外では古い資料を電子化で保存する場合と、そうしない方がいいと言う意見があるそうです。(電子データは何百年単位での長期保存に疑問が持たれている)

 単に紙などの資料削減に電子データへ変換すると言う選択肢は、保障は無く絶対的でないにしても、紙は紙の良し悪しや電子データはそれなりに、保存する目的によってうまく使い分けたり、両方で残したりできるようになるのは良いことです。

 紹介したような公害は、加害者はもちろん被害者にとっても決して都合の良いことではありません。

 しかし、人が行ったさまざまな事、良いことよりむしろ忘れたいような問題にこそ、残すべきで、人は常に学ばねば進化できない生き物ですから、電子データ化することでより多くの後世の人々に手軽に目に触れられるように、手間をかけるのは有益なものと思われます。