くろま流 × NAGOYA式 ブログ

地域産業・観光を広い目線から、東海・名古屋あるあるをリサーチ。

UR賃貸の近居家族への提案は一極集中抑止のヒントにも

 

 東京都への政治経済・企業の一極集中は留まるどころか、今後も続く傾向にありますが、同時に圧倒的な利便性が生じたために、若い世代の人口集中も加速しています。

 

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 万が一関東湾岸で災害が発生した場合の国家機能の停止については、かなり前から問題視されて分散化が提案もされましたし、今世紀初頭には首都移転の機運も高まりましたが、小泉政権郵政民営化の政策で立ち消えにもなったり、結局実現されることはなかったようです。

  現在でも、理由はさまざまにしても東京一極集中の是非を問われれば、地方分散の声の方が多いだろうことは、容易に想像がつきます。しかし現実は「寄らば大樹の陰」と言わんばかりの東京転入超過となっています。

東京一極集中はなぜなおらないのですか 教えて! goo

回答一部抜粋:世の中を動かす立場の経営者とか、お役所の高級官僚といった人たちはそれこそ会議・会議で頻繁に移動するのです。
そういう人たちが決定権を握っているのですから、正直移動の時間が少ない首都集中の方に自然と考えが流れます。
ただ、地震のリスクが東日本大震災で明白になったので、首都機能の分散はやはり必要ですし、そうなった場合はリニアも新幹線も、もっと多く作らなければならないでしょう。

 

密集市街地、3年で2割減 大阪・愛知は解消進まず

 また密集市街地解消については、災害時の問題が隠れていますが、結局土地の再利用価値の高くなる京浜の市街地にしか、改善がみられません。

 この記事からでも十分わかるのは、経済効果の高いところでないと市場効果が薄く、政治の中心が東京にある限り、このままでは経済効果の流れを作っている人の流れは、この先も極端に言えば東京で滞留することになりかねません。

 これで差支えないと考える方はこの問題を考える必要は無いのでしょうが、少なくともこの先数十年後には、日本の人口現象+都内高齢化が進む東京は今に比べて全てにおいて停滞していくと考えられます。

 これは、首都の停滞すなわち日本全体の停滞化につながるという事です。

 上記の時点で、地方でカバーが出来なくなっていた場合、日本は世界どころかアジアでも見向きもされなくなるでしょう。

 東京一極集中と地方の衰退は無関係と言われるのは、それぞれの問題は別なのでたしかにその通りなので、真正面ら地方活性化だけに問題を絞って考えた方が、誤解はおこらないかも知れません。

 

 インターネットが普及したことで、東京にい居なくても同じように仕事ができると言われますが、これも実は上の話の様に誤解(もしくは論点がズレてる)であって、そもそも全く土俵の異なる問題です。

 例として、ネットワークの普及は会社の仕事をノマドワークといって、社外で済ますことと同じで、あくまで会社の近くでできなければ、今のところメリットがないわけです。単に隙間時間を有効に使う程度の効果しかありません。

 地方衰退の原因の一つは、本来あるべきお金の流れの自給自足とでも言いますか、自治体の中で経済的な自給自足ができていない事が問題だと思われます。

 作って、売って、消費するという基本サイクルを確立できて始めて自立できる筈です。これは街も人間と同じで、洗濯も掃除も料理もできて自活できるのと似ています。 

 こうしたサイクルが内製できていないと、問題も浮き彫りになりませんし、得意分野も見えてこない気がしますが、この問題を見ずに大都市と地方都市を比較しても意味がありませんし、そもそも東京に地方が経済などで勝という時点でズレてますよね。

 それを踏まえての「地域活性化」には、人を引き込むための交通インフラ利便性と、その結果得た地域の収支を増加支出を留保するかに尽きます。
 根拠はシンプルで、自治体の運営も会社の経営と基本的に変わらないからです。

 そして、留保した資金で内製サイクルを補強していくことが、地域活性化の近道だと思っています。

 近年、このことに危機感を感じている、中規模都市をもつ地方自治体の幾つかは、既にその内製化に取り組み始めているようですから、その結果を見守りたいと思います。

 

 最後に一歩具体的な話題に踏み込んでみたいと思います。最近のニュースで見た話題ですが、UR賃貸住宅が始めた「近居割(WIDE)」の仕組みについて考えます。

 ニュースによると、少子高齢化や、都市部の人口一極集中による待機児童問題と、地方部の介護の担い手不足の問題を抱えている現状で、親世帯と子世帯が近居することで互いに支え合う場合、家賃最大で5年間20%減額の精度を実施する新しい賃貸住宅融資を始めたらしいのです。

 親世帯子世帯が、半径2キロ圏内のUR団地に住むこと。
 所得制限や3親等内の親族だること。
 どちらかの世帯が、子育て世代または60歳以上の世帯

が利用条件で、申し込み可能だそうです。

 全国60万世帯で試験導入しており、東京郊外を中心全国512万世帯にまで拡大するとの事です。

 巷は少子化・人口減少で賃貸の空き物件が目立っているそうですから、優良物件であるUR賃貸物件でも空きが目立っているのでしょう。

 

 このニュースを見て思ったのですが、核家族化で親世帯と子世帯が様々な事情が合わずに別居しているケースは、珍しくありません。

 昨今の都内・近郊都市での子育て・介護支援親世帯と子世帯の近居の現状を、若い人を郊外に連れてくる起爆剤にしようとするこの試みは、地方においても核家族化の解消の助けになると期待する試みです。

 さらに、家族の交流が活発化するだけでなく、団地からその街、地域も活発化する効果も期待できるのであれば、地方でも行われている空き物件に移住を縁の無い人を呼び込み方法より理に叶っています。

 おそらくUR賃貸の意図は、単に都市部の不動産物件の有効活用の手段にすぎないと思いますが、URに限らず全国の空き不動産物件においても、二世帯家族の再構築は地方の人材集積の方法として応用がききそうです。

 ただ、このブログでも何度か取り上げていますが、介護と子育てでせっかく一緒になったにもかかわらず、家族同士の負担が増えるという悪循環の無いように、改めて家族同士の役割分担を確認する必要があります。

 それに加えて、自治体はその役割分担のいくらかは長期居住を条件に、税負担や施設提供など何らかの補助を約束しなければなりません。

 新たに複数世帯家族化を促進して、集まった人でコミュニティの集積化を図り、適度な人口密度による住みよさ、安心感を地域内で内製化できるメリットをアピールできるようになると良いんですがねー。

 URが試みる仕組みが、単に公団だけに利益をもたらすもので終わってしまわないように、各自治体の公団と、地域企業が加わって、新しいコミュニティひとつづつ確実に育てていければ、おのずと働く場所や商店も集まってくるので、地方活性化の手段としては面白い、試みだと思います。

 この仕組みをきっかけに全国であたらしいコミュニティづくりのきっかけになる事を期待したいし、各地方自治体は公団や市営住宅を新築改築する計画時には、単に住宅だけを考えるのではなく、地域の職や、家族構成にも配慮した計画を、限られた予算の中でいかに知恵を絞れるかがカギになるんでしょうね。

  ただ、まずは一部の政治家を覗いて一極集中思考を一刻も是正してしてもらうのが何より優先すべきと感じますが、無理なんでしょうかね。

石破氏、一極集中解消へ「最後のチャンス」

 石破茂・地方創生担当相は今年1月に大阪市内で開かれた講演で、地方創生の意義について「日本経済の在り方をどのように変えていくか。今が地方と東京との関係を変える最後の機会」と述べ、東京一極集中の解消を掲げる政府方針への理解を求めた。
 また石破氏は日本経済の約7割が地方経済で支えられており、「東京以外の経済をいかに伸ばすかが課題」とも指摘。財政難などを背景に、今後は公共事業や大企業の工場誘致による地方活性化が見込めないとして「(各地域が)農業や林業、観光や医療福祉分野などに新しい成長モデルを見いだすべきだ」と主張した。

■「地方創生」の背景と論点(平成26年9月全国知事会毎日新聞論説委員 人羅格)