国産初ジェット旅客機MRJは、ニッポンにどんな期待をもたらすのか?
前回の国内メーカー製、HONDAジェットとMRJについて、HONDAジェットを中心に記事りました、今回はMRJの魅力について書きたいと思います。
MRJの初飛行、写真で振り返る 航空科学博物館:朝日新聞デジタル
MRJは完成機の初飛行を無事終えて、さらに安全性や信用拡大のための飛行検証の準備を進めている最中ですが、発売の具体性が高まってから初飛行までに、何度も量産初号機の引き渡し予定日を延期した事で、周りに混乱をきたしている所があります。
しかし、海外の顧客は別として、国内の顧客である航空会社や、政府などのMRJサポーターは、様々な部分で量産機納入時期の向けて調整を進めているようです。
本来なら一見放されそうなものですが、MRJメーカーの努力をじっと見守る姿勢には、やはり国産初のジェット旅客機への期待が相当に大きい現れでしょう。
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そこで、筆者としては擁護するわけではないですが、まず基本レシプロ機(プロペラ機)製作の実績はあっても、ジェット旅客機の製造実績は無くゼロからの積み上げになりますので、その開発の苦労と言うのはHONDAジェット記事でも紹介したように、相当なものであるはずです。
HONDAジェットでも構想から30年かかっています、それより短い期間で完成機にまでこぎつけたのは、やはり日本の誇るべきところです。
むしろ問題があったとすれば、本来そのくらい困難な作業を正当に説明をして理解。
得ていないところにあるのかもしれません。
冷静に考えれば、コツコツではありますが順調に開発は進んでいますし、勇み足で引き渡し可能日を前倒してしまった点に反省すべき点はあったのでしょう。それは責められるべきものでは無いと言う認識は、国内の心情としてあるのは仕方のない事です。
ただ、日本国内の企業は理解が得られたにせよ、やはり海外企業・顧客には理解されない事が多いのは事実ですし、変な誤解を与えたことで、本来あり得なかった商機を失ったのは、残念でした。
営業面では、やはり老舗の海外メーカーの方が一枚も二枚も上ですので、今後どのようにアピールしていくかを練り直しも必要でしょう。
一番のアピールポイントだった燃費面では、ここのところの石油価格の下落で、航空念慮も下がっており、燃費メリットが薄くなってきたり、燃費改善された新型機も出るとの話もありますので、安全性を含む総合的なアピールが必要になると思われますので、営業面でも決して明るくはありません。
しかし、今後ジャパンクオリティが顧客の信頼に繫がるとと願いたいところです。
国内航空会社ジェイエアやANAも、MRJに大きな期待をかけて、量産機納入を待っていますが、その間には、様々な企業努力をしています。
http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201601/0008736396.shtml
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これらは、単にMRJの中継ぎという見方とは一概に言えませんが、現実的な選択として、臨機応変な企業努力によって、国内への需要については確保しようとしているという見方もできます。
これからの試験飛行の間にいかに、ジャパンクオリティの信頼を持続させ、販売につなげていくか、まだまだ予断は許されませんが、ぜひ今後も応援したい魅力は失っていないように思われます。