くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

地域産業の前向きなリスクの取り方、野菜農産物

 

 日本の地域を、より健全に発展させるには、偏った産業だけに頼って成長しても、長い目で見て中途半端と言わざるを得ません。今回は今もっとも成長が危ぶまれる地域農業のこれからを考えます。 

 

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 長い間、日本国内では高度成長によって、二次・三次産業と中心となる産業は移っていきました。その結果一次産業である林農業人口は減らされて、明らかにバランスを欠いていて、かつ若者にも不人気な職業と言うイメージは否めません。

 

 しかしながら、最近は逆に若い世代の中から不人気だったはずの、自然の中での仕事や生活を選択する動きが目立ちつつあるようです。

 ただしもろ手を挙げて喜べるほど増えているわけではなく、やはり自然相手の不安定な職業だけに、初心者からはなかなか敷居の高い職業であるために、やる気だけではなかなか取り掛かれないという課題がネックにはなっているようです。

 

 一例では、従来農家のケースですが、注目されるものもあります。

 兼業農家の父親は、ほうれん草を栽培し、農協へ治めているという典型的な従来の農家で、一般的な野菜ですし生産時のリスクは少ないですが、農協しばりと言いますか商品価格の決定権が農協にあります。つまり、ライバルが多い作物なので競争が激しく、価格も生産側には値決めが出来ず、利益率はどんどん下がっていました。

 それに輪をかけ野菜価格の下落も、一般野菜生産のメリットは小さくなっていて、これが職業としての旨み現象・不人気に拍車をかけてしまいます。

 

 一方同じ敷地の休遊地で、息子が別の野菜を生産を始めます。サボイキャベツ=ヨーロッパの野菜で、イタリアの高級野菜だそうです。

 同じ国内・同じ畑で、全く異なる野菜を作って土地の無駄をなくす方法は昔からされてきた方法ですが、違うのは高負荷価値野菜に注目した事だそうです。

 息子は高付加価値野菜を目指します。生産した野菜の卸は業者と直接交渉できるため、価格決定に関われて従来より高い収入が得られると言います。

 さらに、同郷の若者同業者で、さいたまヨーロッパ野菜研究会を設け、勉強会・法人化で年間3000万円を上げており、次には1.2億円をめざしていると言う頼もしい話まで出る勢いです。

 この例は、高付加価値のイタリアの高級野菜に目を付けた点で、近郊の首都圏に近い事から、これまで海外輸入していた野菜が、新鮮でしかも近隣で手に入るメリットに、高級レストランのオーナーは絶賛しています。

 筆者もあまり聞いたことがない名前の野菜ばかりですが、ロマネスコ、プランタレッラなど、イタリアンレストラン埼玉県内で1000店、全国で120店舗と契約しており、配送まで手掛けているとのことです。

 

 このケースでは、今まで日本では作れない、または作る必要を感じなかったのかもしれませんが、高機能野菜は最近注目される健康嗜好もあって、少々高めでも関心を持ってもらえ、売れる野菜があるという事に気付いて、研究してみると意外に栽培可能なものは結構あるという事です。

 その他にも、需要を調べれば今まで注目されなかった高ニーズで高機能の野菜はまだまだあるはずです。

 安定需要の野菜を見つければ、あとは如何に国内環境で作れるかの技術的な問題だけになる、チャンスとしては大きいのではないか、という話なのです。

 

 いままで、使われなくなった農地・休遊地を持て余している場合や、競争力の小さい野菜を造るだけの現状で、何かの変革をお考えの農家では、作付を変えてみる選択も、良い意味でのリスクの取り方ではないでしょうか。