海外進出企業の明暗から学びとる未来とチャンス
海外進出する日本企業は、もっとも近くもっとも巨大な市場の中国から撤退するところが、増えているようですが、ひとえに人件費の高騰が主な理由だそうです。
次に有望とされた東南アジアも近く高騰が予想されており、既にその先を見据える時期にもなっているようです。
そうなると、南米や中米、高リスク中東やアフリカが期待されますが、治安や距離の問題から、中国ほど進出が進んでいないとの事で、筆者が見た特集番組では、アフリカが有望視されていますが、成功と失敗例を紹介を通して、今後の海外進出に役立てようとしています。
2016年はアフリカ元年と銘打っており、TICAD(アフリカ開発会議)なる日本が主導するアフリカ経済諸国との議論が活発に行われているものですが、この会議はかつては5年に1度東京で会議が開かれたものを、次回より3年に1度アフリカでも行われる事も決まっていて、次回第5回は横浜で、その次の第6回はいよいよケニアで開催されると言っています。
かねてから経済復興を願うアフリカ諸国では、早く日本に来てその手腕に期待が寄せられているそうで、事実日本にとっても2040年には10億人市場を見込まれるアフリカマーケット。
既に中国が精力的に進出していることからも、成長は間違いないと言われていますが、日本企業の進出は出遅れており、日本が世界で89000店舗出店しているのに対して、アフリカ出店は300店舗程度と大変少ないのが現状。
逆に言えば、業種によっても独占的販売も見込める有望市場を見逃す手は無いと考える企業、特に中小企業は少なくないはずです。
そんなアフリカにあって、ケニアとウガンダという比較的西洋経済が進展している2国での、日本中小企業の成功と失敗に学んでみたいと思います。
ケニヤ、ナイロビで初出店の日本某有名製麺企業・トリドールが、ファストフードで出店し、チキン由来のファストフード激戦区に、昨年3月Teriyaki Japan1号店開店して1年その後の取材では、店内は賑わっており人気は衰えていませんでした。
現地化での成功のカギは、防犯対策が常識の概念が定着しており、警備員などを配置して、店舗内の安全を確保しており、テリヤキ風のチキン新商品や、弁当をバリエーションに加えて、現地ビジネスマンのニーズをしっかりつかんでいたようです。
またトピックとして、2号店出店時に24歳女性店長が意欲的に挑戦する姿が若さを遺憾なく発揮する姿は頼もしい限りでした。
新しい人材・次世代の才能を育てるのに、海外勤務はやはり有効な手段なのですが、筆者たちの世代などにくらべ、現在の傾向は新人世代であっても安定志向を好む傾向があるそうで、若さゆえの可能性を生かせないのは、実にもったいないですね。
さて、上記に対して残念ながら成功しなかった企業も紹介されました。
人気リサイクリ買い取り店、Eco・Ring。中東での成功に続いて、次期海外進出ではウガンダ・カンパラでの中古・古着の販売を目指しています。
出だしの大ヒットから1年、ところがその今は、既に倉庫は別の会社に代わっていました。成功しなかったのは、任せていた現地店員の商品持ち逃げで、運営困難に陥り撤退を余儀なくされとの事。
日本の常識は世界の鉄則でない、これがこの失敗が教えることです。この轍を敗退後はどのように生かしたのでしょうか?
実はアフリカ撤退後同社は先進国で挑み、フランス・パリで中古雑貨アニメ・ゲーム中古販売で成功したそうです。
フランスの中古買い取りレートは、日本に比べ2倍と高めでその点、利幅が期待できるようで、日本マーケットと世界マーケットの短長所生かした、商品流通を工夫して効率の良い中古商品の引き回しを可能にしました。
フランスでも、中古はにほんより高度なマニア文化のニーズが多く、また中古バッグ市場でも目が肥えているだけ、良い中古商品は高値で買い取られているようす。
フランスで買い取った中古・骨董雑貨は、アンティークとして日本では評価され、オシャレで提案次第で日本人顧客層を取り込めると見込んだようです。
昨年12月名古屋で開かれた骨董展示会では、高評価だったそうです。
EcoRingはヨーロッパで成功を遂げるか、期待される。
かと言って同社は決して先進国を断念した訳でなく、その可能性は評価しており、アフリカ・ベナンや南米ペルー進出を、3年後を目処に計画中とのことです、たくましいですね。
今回紹介した事例のほかに東テレ「ジパング」でコメンテーターをする方が学長を務める学習ベンチャーのその後も紹介されました。
未承認国家ソマリランド、1991年に独立宣言したものの未承認な国ですが、この中東の小国で、2年前に大学院の開校をめざしたビジネスは成功しているのか?
若者がキーマンになり単身、政府に国の教育精度確立を直談判していました、しかし過激な反対組織アルシャバブの妨害脅迫など、戦々恐々の中での開校、昨年スタートでした。
その後一期生は今年2月に卒業式を予定していたが、やはりアルシャバブに阻まれ、学長渡航はできずでしたがが、無事Skiypeを介してコンタクトをとって終了したそうです。
その新しい才能を期待される卒業生は、既に独自の現地化されたビジネスモデルを実施に移しており、大学院の成果を現しているようです。
チキンファーム、現地には無かった段ボールでの引っ越し、さらに素晴らしいのは、ピンクタクシーのビジネスモデル:女性が運転し女性限定の移動手段、女性の治安の悪い地域の特性を生かした発想などだそうです。
アフリカの数ある諸国での生活環境は、ケニアとウガンダで同じ首都でも、ナイロビの方が豊かで発展している印象で、広いアフリカ大陸でも地域的な差は大きく、出店計画にはこの地域性をどう読むかは、結果に大きく差が出る要因になるのでしょう。
先行する中国に後れをとってはいますが、焼け野原から発展した日本と、今のアフリカ・中東の共通点をベースに、現地の常識を上手く絡めて、日本はこれからも貢献と発展に尽力するでしょう。
アフリカなどの発展途上国で知られる、失敗に学ぶマーケット・ビジネスの鉄則とは、
靴は片方展示、雇うのは友達、お金は自分で管理。の三原則だそうです。
端的に発展国の事情を現していますね。
このように、今回は東テレの番組で紹介された実例を基に海外進出のヒントを見てきましたが、今の時代困難な挑戦で、あえて火中のクリを拾うことで、将来に繋ごうとする試みを評価してきました。
たしかに、大手の海外進出ならまだしも、小規模企業の海外進出はとてもリスクが大きいように思えますが、一方で日本や先進国のような高度な要求も少なく、何より設備費・人件費の相場の低い発展途上の国の市場は、とても魅力でもあります。
海外進出した先達の事例をみると、やはり最も重要なのはローカライズ(現地化)がいかにできているかに尽きるかもしれません。
新規開拓の大変さは国内以上にあるように思える海外市場への進出は、国内に無いリスクとしては、ローカライズ失敗による「馴染めない企業」になったためと考えられます。
海外へ出る以上、逃避的な進出は論外ではありますが、現地の特徴や慣習をよくsら下手上で、現地の人材を活かしたビジネスを地道に行う事が、もっとも成功の早道のようです。
特に食品関連や、中古市場は利幅を稼ぎやすい傾向があるようなので、効率の良い原材料の仕入れや、商品の使いまわしの工夫によって、人件費・設備費安のメリットはさらに拡大できるチャンスが在ります。
国内での競争に限界を感じる企業には、かつて中国進出で現地生産を実施したのと同じように、海外で生産・販売を実現をめざすのは、業績の起死回生に繫がると期待されています。
ただ、ギリギリになって検討したのでは、先にも書いたローカライズのための十分な現地調査が、不十分では成功のチャンスは極度に低くなりますので、多くの機会で必要となる英語の取得は最低でも望ましいと思われます。そして、季節に関連しなければ最低でも1年、できれば数年から5年の調査期間はあった方が安全かもしれません。
今のところ、こういった特徴を挙げてみましたが、今後も追っていきたいと思っています。