くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

今年は種まき、来年は成長見込める年に出来るか林業

 

 日本は樹木が豊富にあって、林業が昔から発達していた話は以前に記事りましたが、植樹祭などのいくつか話題をしょうかしているものの、日本全国地方創生とはいいながら、地方山間部の主産業である林業は他の産業に比べて盛り上がりません。

 

f:id:kromaryu:20151227205149j:plain

 

 それでも、いくら売れるからと言って、主産業を変えてしまうのは無理がありますし、その地域の特色を無視した産業では、せっかくの特色が褪せてしまいかねません。

 このブログでは地方創生をテーマに追ってきましたが、正直不本意な地方創生については疑問もありました。

 その地域の主産業が主役になるべき施策ですが、往々にして発展優先・もうけ主義に走らざるを得ないとしたら、あまりに本末顛倒なのも事実ですから、その点流行る地域に比べて厳しい面も多い、農林産業はじっくり地域総出で育てていかないといけないのでしょう。

 そんな状況でも、光や巧妙はあって、それをヒントに企業や小規模地域の枠を超えての共同開発など、過去の定石の枠にとらわれない発想が必要なのかもしれません。

 

 例えば、最近の大規模建築物には、当然のようにRC(鉄筋コンクリート)躯体だったものが、公共建築辺りから木材を前面に押し出した象徴的な建物が見直されるようになっています。

 来る東京オリンピックのメイン会場となる競技場のデザインコンペやり直しで、木造デザイン案が採用されたのは、木を積極的に使う木材を見直す動きがみられるという事です。

 筆者が追っている、名古屋城木造復元においても財政面を度外視すれば、前向きにみられる事象です。

 

 愛知県でも主に東北部は森林が多く、山間部の主産業は林業であるのは変わらないのですが、他県との技術提携などの企業努力を進めていますし、古くから名古屋城増築時に堀川などの運河が発達し、木曽ヒノキなどの銘木を含む材木の流通が盛んにおこなわれて、材木商が中川区など中心に多く存在していますので、結構木材産業は重要な産業だったわけです。

 そんな材木商の新たな挑戦も、今年TVで紹介されました。

 香りとぬくもりが伝わる、曲がる木の製品(杉材)一旦圧縮すると、バネの様な性質を持つ、特殊技術で空洞を造ることで、柔軟性を持たせる。

 薬品は不使用のため、木の香りとぬくもりがそのまま楽しめる「癒しの製品」製品の開発に成功している。

 名古屋木材 商品開発室 竹田博室長 木一筋20年

 木を殺さないぎりぎりのところで圧縮するため、固くならずに柔軟性だけを引き出せるとの事。

 圧縮木をスライスし、薄くした木片は、シート状にすることで、厚紙と同じステーショナリーの素材に利用可能、ブックカバー、メガネケースなどを紹介。

 驚きのぞ材の紹介に、多様な商品展開の可能性を大きく感じる。

 

 また、その近隣であるJR金山総合駅前に木工技術を学べる体験施設が夏にオープンし、当ブログでも紹介いたしました。

トキワランバテック、名古屋の金山駅前にものづくり体験施設
「cre8 BASE KANAYAMA」オープン 
https://fabcross.jp/news/2015/07/20150703_cre8_base_kanayama.html

 

  また高山や岐阜、愛知の尾張地方には、昔からからくり人形を見せ場とする山車の出る祭りが有名で、その山車の木工技術は世界でも注目されているそうです。

愛知)「山車日本一」宣言 オール愛知で盛り上げ
嶋田圭一郎2015年12月15日

http://digital.asahi.com/articles/ASHDG2R4KHDGOIPE001.html?rm=421

 

 愛知・岐阜・三重は古くからの史跡や社殿・城も残って居たり有名な木造建築が散在している、歴史色濃い地位でもありますので、今市民と名古屋市がアツいミーティングバトルを繰り広げている通り、河村市長が名古屋城を木造化をして、地元の木造建築にこだわる気持ちはわかる気がするのです。

 ただ、日本の木材は海外産の安い木材に圧されて、どうしても利潤を優先するばかりだと、安い方へ流れて国内木材の衰退を許さなければならない現状も、胸のイタイはなしではあります。

 せっかく日本の環境になじんだ木材が大量にあるのに、利益が上がらないがために廃業していった現状に待ったをかけようと、今年尽力された業界関係者の方たちには、苦しい一年だったと思います。

 

 来年以降、上向くかどうか見えているわけではありませんが、日本の森林を効率よく育て有効に使う日本技術は一朝一夕では出来ないだけに、残すのはもちろんですが、国産木材の積極的な活用は、これからの自然共生の時代には向いてきているのではないかと、ひそかに期待しているのです。

 

 できれば、この地域でなくてもいいですから、どこかの地方で木材活用の成功事例がでれば、起爆剤になり得るのですが、果たしてどうなるか。

 今年様々な努力を惜しまなかった人たちは、来年いよいよ成長が見込める年になるか、いまから楽しみです。

 今年の漢字は「安」でしたが、来年は「跳」などの飛躍に関する漢字が選ばれる年になると良いですね。