くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

ファストフードと家電量販店、庶民にも気になる成熟企業の明と暗

 

 ファストフードの今年の話題では、マクドナルドのチキン肉の偽装問題であれだけ浸透していただけに、その反響も大きくイッキに窮地に追い込まれ、トップ交代となりました。

 

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 同社はトップを入れ替え早急な対策を講じましたが、信用失墜はま逃れず店舗数も激減してしまいましたが、その店舗跡地を巡って間を置かない動きが起こっています。

 

 マクドナルドは押しも押されぬ巨艦店、その跡地を巡るバーガーショップ企業のし烈な闘いが展開されています。

 当然ですね、同店の出店エリアは同業者にとってはのどから手が出るほど欲しい場所で、そもそも入手が困難な場所が多いだけでなく、新規で購入すれば莫大な資金が必要ですが、まずは角地と雛客しやすい立地が確実に取れる事、次に跡地に入れば賃借料は同じにしても、出店調査も不要で空き店舗の設備を最大限利用できるのですから、ほっとくはずがありません。

 空き物件を扱う不動産会社では、マクドナルド跡地の問合せが殺到しているとか。

  そんな好物件が、経営不振によって11月までに134店舗、年内に24店舗閉店予定で今年中に140店閉店が決まっていますが、その跡地を巡って、今日店舗数を増やしているファーストキッチンが出店攻勢、出店に踏み切ったカギは店舗立地(角地)出展コストが半分にできる目論見があるとか。

 

  同業では、マクドナルドより単価が高いがボリュームたっぷりのバーガーキングが、2017年度内に200店舗出店を目指していて、顧客の範囲が広いマクドナルドに対し、同業他店は絞り込みによる生き残りをしており消極的なのに対して、バーガーキングはこの空き物件をフルに活用して逆転攻勢に出る模様です。

 テーブルはリニューアル、床や空調を再利用、働いていた店員も原則引き継ぐことで人材不足も回避できる。あとは、内装や什器は専用仕様のため総入れ替えしても3割コスト割安になるそう。

 ファストフードのマストブランド、マクドナルド衰退見逃さない、ファーストキッチンの攻めは来年に向けて勢いが増しそうです。

 バーガーキングは来年多くの町でお目見えしそうですね。

 

 もう一つは大手家電店ヤマダ電機の、思わぬライバル販社との闘いです。

 同社は、低価格・大量販売で今期1000億をはじめて達成するも、今年に入って店舗を次々と縮小する動きを見せ、1年足らずで閉店する店も出るなど、業界の風雲児に陰りが見えたなど、話題になりました。

 しかし同社は、規模拡大にこだわった方針に限界を感じるとしながらも、業界2位のビックカメラにもシェアで2倍の売上するなど、相変わらずトップを走るヤマダ電機ですが、トップゆえの危機意識を感じており、従来の規模拡大でない成長戦略へ舵を切り替えているそうです。

 

 既に、東京駅前の八重洲に高級家電専門店を開店、高級家電サンプルもを揃え、高級店ならではのショールーム的な役割を持たせた新店舗のようです。

 立地は限られますが、高級家電ニーズは定数まとまった数が見込めるため、東京などの地のりの良い場所では採算がとれると踏んだようです。
 もちろん業界では初の試みで、トップ企業のリスクを取って市場を先導する意気込みが垣間見られます。

 

 また、従来通りの郊外出店においても、エリアに合わせた細かい商品展開でより利便性や親密さを出す工夫を忘れていないようです。

 一例では茨城の新店舗。住宅リフォームコーナー新設家電量販店では意外と穴だったようです。また地味に子孫をトリガーにすべく、子供向けおもちゃ売り場も取り入れ、純利益を上げて業界を驚かせているようです。

 

 これらの工夫は、同店・同業量販店に対してというより、意外なライバルである、ネット業販大手アマゾンや楽天などとの差別化を視野に入れていると言われています。

 

  ヤマダ電機の3つの逆風、家電量販店が生き残るカギとは何でしょうか。それは既にある定数の人には知られている事ですが、ネット通販の増加で、実店舗の量販店はショールーム化しているとまで言われ、商品チェックだけして購入はネットでと言うシーンは珍しくありません。

 店舗をもたない某企業の売上向上の事実は無視できないところまで来ており、じりじり量販店の売り上げを圧迫しているのが周知の事実。

 次に、今まで力を入れていた地方の客の購買意欲が下がっている事、つまり地方経済そのものが長いデフレで低迷して久しく、必要な商品そのものにかかる費用以外は節約しようとする消費者意識が、そのまま量販店の売り上げ低下に反映しています。

 また、インバウンド(主に訪日客)の増加で、免税対策などの準備が万全でないなどの面で他店に外人客を取られる一面もあったようです。

 

 アマゾンは、実店舗を持たずネットの即販性を武器に流通網を充実させて、実店舗の様にほぼ翌日に商品入手可能にした事で、量販店業界の脅威になっていましたが、あくまで委託販売であり独自に販売しておらず、量販店の調達力には及ばない点でアドバンテージはまだまだ及ばないと自信を見せます。

 実店舗競争でも、いわゆる爆買いなどで知られるインバウンドの増加の問題に、淀橋ビックに外国人客を取られ、その改善・新店舗には人気な商品を取り揃えるなどの対抗策を打ち出す動きをしているようです。

 

  WBSのコメンテーターは、ヤマダ電機の攻勢はみとめるものの、ネット販売と比較してどうしても収益は落ちる点などを指摘、対抗するための課題として、人員不測の昨今に如何に熟練した販売店員教育を進めるか、また今あるアフターサービスを差別化として如何に強化出来るかがカギと分析されていました(熊谷亮丸氏)

 

  家電製品や、それに関連する什器インテリア製品は、一旦購入するとしばらくは買い替えはされないので、如何に末永く気に入ってもらえるかが長い目で見れば大事なのでしょうが、攻めるトップ量販店の動きは、そのまま私達消費者にダイレクトな恩恵を受けるところだけに、これからクリスマス・年末年始のセールには、果たして量販店はどのような展開を見せてくれるか、気になります。

 

 そしてこの動きによる余韻が、来年の国内景気の気分的な動きを占う重要なカギにもなるだけに、消費者目線の景気のいい動きを期待したいところですね。