MRJを旗印に先行投資の優位性を探る、未来に向けて産官学で人材育成急ぐ
今年、日本製航空機の話題はMRJによって大きな話題になりましたがある意味、筆者のブログにたくさんの話題をくれ嬉しい限りで、実際に初飛行を偶然とは言えこの目で見れたことは良い思い出にもなりましたので、今回は関連航空産業のまとめです。
未だMRJ関連記事は、さまざま報道されているようですし、これからは認可取得に向け、アメリカでの飛行実績を地道に積んでいく期間ですが、その間にも如何にMRJを売り込みをしていかなくてはなりません。
ただ、MRJの話題があまりに大きかったために、実はもう一つ日本企業のジェット機が先行して販売体制にはいった事をご存知でしょうか。
ホンダジェット、「夢」を「現実」にした挑戦者
:日経ビジネスオンラインホンダ、セスナに挑む 米でジェット量産へ
: 日本経済新聞http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDZ10HUY_Q5A211C1TI1000/
そう、あの日本自動車界の伝説の人、本田宗一郎氏が本田技研創業前から、夢だったという航空機メーカーとしての夢は、アメリカで実現しすでにこちらは規定飛行時間をみたし、型式証明を取得しており、全国への販売が可能となっています。
日本人としてはMRJも外せませんが、HONDAジェットも注目していきたいですね。
さて、主題の国内での国産機についてはある意味実飛行に成功した事によって、様々な課題が、より具体的になってきています。
まずは販路拡大・ライバル企業との販売競争に晒されていくと言う事ですね。
日本と中国 次に航空機大国に仲間入りするのはどっちだ
| Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
http://forbesjapan.com/articles/detail/10362/ALL
まずはお隣中国が、MRJを完全にターゲットにコバンザメ戦略に出ています、MRJとうまく対比させて、中国国内だけの 安全基準をクリアしたとして先行販売を開始しています、その安全基準がどこまで満たしているモノかは非公開で判りませんが、コスパ優先でアフリカなど発展途上国中心に売り込みをかけています。
まずは、世界の市場が安全を取るのか、コスト安を取るかが注目されています。
また、MRJのポジションである中型旅客機の市場は、これからアジアを中心に需要拡大が期待されてはいるようですが、今まで大きなシェアを持っていた、カナダ航空大手:ボンバルディア社の経営不振の一方が入るなど、業界自体の危うさもささやかれていて、単に市場拡大だけを喜んでもいられなさそうです。
その間にも、MRJ主要工場がある愛知県は海外展示会に向けて、積極的に出展準備や、売り込み準備を進めているようです。
http://www.asahi.com/articles/ASHCF5V5LHCFOIPE02K.html
愛知県、シンガポール・エアショー出展企業を追加公募
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO94208830Z11C15A1L91000/
MRJで変わる航空人材の育成【連載】MRJ空へ(上・中・下)
MRJ部品メーカー育成 政投銀が100億円規模融資へ
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015111902000065.html
また、航空産業を将来地場の主産業にすべく、準備を進める愛知県を含む東海3県は、統計の側面でもその姿を証明しつつあり、今まで主産業を担ってきた自動車産業に加え、新たな工業産業の柱としています。
帝国データバンク統計で、中部3県(愛知、岐阜、三重)の航空機産業の動向調査結果を発表した。2014年度の航空機関連の企業数は愛知県が前年度比4社増の39社となり、東京都(36社)を抜いて初の全国トップとなった。
米ボーイングの旅客機「787」関連の受注増や、三菱航空機(愛知県豊山町)の国産ジェット旅客機「MRJ」の開発が進んだことが影響したとみられる。
自動車産業は、先の当ブログの過去記事でも紹介したように、トップ企業のトヨタ自動車でさえも、危機感を抱いており幾つかの布石を既に打っていまして、MRJ製造に関しても同社は出資していますし、関連事業として交通システムそのものを視野に入れたAI技術の研究開発のために、アメリカに大がかりな施設を開こうとしています。
こうした先行投資によって、来る未来の新しい産業と目される交通システムや、ロボット産業への足掛かりを築こうとしています。
こうしたダイナミックな構想によって、中部地方は近い将来新しい顔やイメージを持たれるようになるでしょう。
今後も日本中心に位置する地理的メリットを生かした産業都市とした準備を、着々と進めています。
この先行投資が見事に実って欲しいものです。しかし確実という事はありませんが、こういった攻めなければならなくなる時期は、遅かれ早かれどの地域にも来るでしょうから、先行した分後進の参考になればこの上ない事です。