くろま流 × NAGOYA式 ブログ

東海・名古屋からまちおこしヒント探し始めて、結局国際経済のしくみに行きついた

TPP政策大綱を決定① 合意で地方は変わり、地域ブランドで活路を生み出すカギは?

 

 政府は、海外展開成功率を上げる目標を掲げ、新輸出大国を打ち出して、そのメリットを今まで大企業だけだった範囲を、中小企業へも広げる動きを始めました。
 このテーマについて今回と次回2回に分けて記事りたいと思います。

 

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 今回取り上げる農業分野では、安倍総理がTPP総合対策本部コメの対策として、米を備蓄米として国が買い上げを発表、牛肉は、国産牛肉の競争がますます厳しくなる事が予想されていますが、既に海外ステーキ店が東京へ、BLTステーキ六本木などの新規参入企業も出てきて競争に晒されています。


 牛肉をはじめ、果物などは既に安いアメリカ産のものがシェアを占めており、一見メリットがなさそうに見えますが、今回拡大された中小企業にあたる、小規模経営農家が作る、日本の果物や牛肉の方が美味しいと言われ、改良努力を惜しまない業者は、高額取引をされるなど、生き残りを計っている所が今後注目されていくと考えられます。

 牛肉のブランド化は実施されて久しいですが、ブランドの確立を小規模単位で行うのではなく、ある程度の特産地域ごとの集合によって、新たな海外販売企業体が構築されていけば、リスク低減やコスト合理化に役立ち、地域ごとの結集も可能となります。

 農業界の大手であるJAが、TPPに反対を示していたことで、日本農産物ブランドの海外進出は一からの構築となって、他業種に比べてハードルは高くなっているきらいがありますが、手を返せば小規模でも海外への販路拡大のチャンスとの見方も可能です。

 市場を海外に移すことで、その多様性に対応していく努力は必要ですが、今最もアジアやアメリカで需要を高めているイスラム教徒への食材提供は、熱い注目を集めていますので、こういった多様性・国民性の違いがまたとない販売拡大やビジネスチャンスにつながる事も、事実です。

 まだ、農業分野による成功例は、まだ少ないようですが、規模の小さをフットワークの良さに変えて、創意工夫が大事ではないでしょうか。

 

 経済的にもTPP合意への効果は生まれつつあります。

 貿易総額:日韓で9兆円、日中で32.6兆円のため、日本にとっては第2、3位の貿易関係国となるため、経団連は、日中韓FTA早期妥結の要請を政府に要請するなど、近隣アジア諸国とのバランスに神経をとがらせています。

 

 農業分野での政府対策としては、耕作放棄地の税金対策による遊農地に更なる課税アップで整理をはかる動きもあり、今後農業用地に大きな動きが出てきそうです。

耕作放棄地の課税1.8倍に 移転促し農地集約 : 日本経済新聞

http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASFS10H6Q_Q5A111C1MM8000/ 

 

 そもそも、TPP参加を日本が進めた経緯には、中国が進めるアジア商圏掌握の動きに合わせた、歯止めの意図も服有れており、極めて政治的な要素を含んでいるのですが、例えば、アメリカの発表した声明文では、

ホワイトハウス声明文

≫”中国のような国”に経済ルールを作らせることはできない

メガFTA:巨大なアジア貿易圏を誰がつかむか、中国に握らせない構え

流通プラットフォームを日米で進められるメリットの次は、これに加えてアジアでの主導権をつかむきっかけにと鼻息が荒い。

 という側面がある事も、忘れてはなりません。

 

 ただ 6日、経団連の会談では、景気上向きの期待にご機嫌な話しが出ているのも事実のようで、

①TPP大筋合意で関連株上昇

②日本人ノーベル医学生理学賞の受賞者

マラリア治療薬開発ベンチャー株価ストップ高

 といった、地味な効果もあったとか。

 さらに、相場の転機25日移動平均線(日経平均終値で比較)が、8月下旬から、平均線より日経平均が反転する(=景気上向きしやすい)と言う1か月半ぶりの反転現象も見られるなど、相場の転機とも言われているそうです。

一方で減速要因としては、中国景気減速で米企業500社減速(トムソン・ロイター調)による日本への波及は? 警戒されていて、ただ政府は輸出はプラス働くと分析して、年明けからTPP煮詰め予定しているそうです。

 

  益々、複雑になる東南アジアから、環太平洋諸国にまたがる商圏競争ではありますが、激変する動きにいかに柔軟に対応していけるかは、得意とする地域同士での結束が重要なカギになるような気がします。