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くろま流 × NAGOYA式 ブログ

名古屋在住者の視点から地域産業・観光を通した活躍を応援。

市民のための図書館へ。民間委託企業との図書館戦争、勃発?

生活住まい 企業 ビジネス 街づくり

 

ツタヤとの関係解消へ - 図書館流通センター
共同通信ニュース

 各地の公共図書館で指定管理者として業務を請け負っている民間企業、図書館流通センター(TRC)の谷一文子会長は26日、レンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)との図書館事業について「今後、新たに共同で事業を行うことはない」と述べ、関係を解消する考えを表明した。

 2社が指定管理者となっている神奈川県海老名市の図書館は当面このまま運営を続けるが、市などとの協議次第で、TRCだけが離脱する可能性もあるという。

 谷一会長は、共同通信に「図書館に対する思想の違いが埋められず、一緒にやっていくことは難しい」と話した。 


 10月26日に図書館流通センターが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)との図書館事業での共同事業の解消を表明したそうですが、この話題は公共図書館の民営委託の選択が再度問い直される結果になりそうです。

 

 経緯は皆さんもご存知の通り、昨年佐賀県高雄市でオシャレで市民目線に立った、新図書館の姿が公開されたことから見直され話題になった「図書館の在り方」でした。

 その後、順調に進んでいたと思われていた図書館運、営の方向性や提案は、委託民営会社の業務に問題が散見されて、市民の困惑を買った事でニュースになりました。

 また、タイミングとして丁度検討されていた、愛知県小牧市の同社への運営委託計画が、市民の反対過半数で頓挫している事が重なった事、さらに今回の最近リニューアルされたばかりの、神奈川県海老名市図書館にも波及したと思われます。

 これによって、2社の図書館民営化の連携に影が指してくると、他の自治体でも検討に値するかも怪しくなってきてしまいそうです。

 当に、谷一会長が苦言を呈するコメント、
「図書館に対する思想の違いが埋められず一緒にやっていくことは難しい」

 は、その難しさを端的に語っています。

 この問題が民間企業の体質によるものなのか、否かは今後の動向を見守り判断されるとは思われますが、これらの問題の連鎖は起こるべくして起こった事は、原因が何にせよ今後の自治体運営図書館の行く末を明るくするものではないようです。

 公共図書館は、元来市民の知的好奇心を育む場所であり、同じく市民の文化・社会への重要な触れ合いの場ですが、自治体での予算や人材の問題で市民の意向を満たす運営が困難になっている現状で、今回の様な最も有望視されていた選択肢の危機は、少子化景気対策と伴に新たな課題解決も迫られる事になります。

 かと言っておざなりにできない、市民、特に子供達の教育向上に欠かせないだけに、場合によって長期的には施設の合併や、役割の自治体同士での持ち回りなどまで検討する必要も出てくるかもしれません。


今回の一連の問題で、最も大事な点何でしょうか。

 そもそもネットでの情報取得の簡便さが、図書館利用の低下にも繋がっている部分もあリますが、やはり情報の公平性や公共度の確かさは、ネットのそれに比べるまでも無いだけに、今回の図書館における提供ソースの陳腐化は、致命的なのです。

 公務員の人員不足も大きいとは思いますが、市民の知的権利を満たす筈の公共の場が、ここまで不安定なのは如何なものか? という状態は残念です。

 

 ただ、新しい図書館運営の試みのすべてが失敗しているわけでもなく、筆者ブログでも触れた、三重県桑名市図書館などの例、

 図書館運営を民間ノウハウで計画。 - くろま流 × NAGOYA式 ブログ
 

 先例の三重県桑名市立中央図書館は、2004年(平成16年)に新築され、日本で初めてPFI(Private Finance Initiative)手法で市立図書館を建設・運営し、当時注目を集めました、現在も順調に運営されて実績を示していました。

 因みに桑名市は、建設当時の人口約11万人、面積約57キロ27km² で、会館時の規模は、蔵書数約30万冊、利用者登録数3.5万人だそうです。 
富士通の図書館情報システムを導入し、たしかニュースでも報道されました。

 にも伺えるように、決して残念な例ばかりではない事はまだ救いではあります。

 ともあれ、PFI方式自体が問題ではない事を覚えておいていただければとは思いますが、いづれにしても公共図書館の運営は、既存の方法では先行かなくなる可能性が高い以上は、今一度文科省と自治体で教育面で重要な案件として、市民の安定した知識教養の向上をアピールできる施設運営を、十分協議して欲しいです。

 

 そして、画期的であった民間企業「ツタヤ」の参入も改めて、問題洗い出しをし改善を明確にした上で、より信用性の高い民間ノウハウの提供をして欲しいと、筆者まだまだ期待しています。

 

 とかくこういった公共事業に関わる、民営企業の参入は慎重になり勝ちのようなので、旨みよりリスクの方が高いと判断される点はありますが、他の出版業者などのあたらしい企業アピールや紙本の新しい流通手段としての「しくみ創り」を前向きに考えて欲しいと、真剣に感じました。

 

 ネット情報の質の幅広さとはまた異なった、信用度の高い質の良い情報を提供する施設として、図書館はこれからも市民にとって存在価値の高いものと認識しています。

 タイトルに図書館戦争などと仰々しいことを書きましたが、筆者の真意は良い意味での民間企業と、公共施設の新しいコラボレーションの形を、必死に模索して欲しいという願いからですので、ご容赦ください。

 

 この願いは筆者のみならず、知的好奇心を満たしたいと願うたくさんの市民の熱望でもあるという事を、関係者の方々は忘れないで欲しいと思います。